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第二章 戴冠者を襲うもの
4権力者の思惑
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究極の馬鹿と言うのはどこの世界にもいる。そんなことを考えながら、メアリーは頭を抱えたまま対面に座ったスキロスを両手の隙間から見て、深くため息をついた。
アリオストロが、メアリーの隣に腰を落としつつ、今までの経緯を説明のように話し始める。そうでないと現状が理解できなかったからだ。
「ええっと、あんたはブルゴーニュさんが密かに持っている秘密部隊……の鴉ってやつで、俺とメアリーの監視を頼まれた……であってるよな?」
「はい!」
「その……そう言うのは言っていいのか……?」
「バレずにとは言われてないので問題ないです!」
「なぁ、鴉ってそんな感じでいいのか?」
アリオストロは元気に答えるスキロスを前に、苦そうにメアリーを見た。
なぜこちらを見る必要があるのか、正直任せられても困るのだが、アリオストロの困惑もわかる。だから腕を組み直して、メアリーはスキロスにズバッと聞くことにした。こう言うのは曲解してしまわれる可能性があるから、しかも馬鹿相手だとその可能性が膨れ上がる。だから、メアリーはガッと真剣な瞳をスキロスに向けた。
「正直、あんたを信じることができない。自分の組織のことをそんな簡単に言ってしまうようなヒトは……」
「あ、バイトです」
「……バイトかぁ」
暗殺部隊が何雇っているのだろうか、メアリーは鶯鳴の記憶から想起された「単発バイト」という概念を思い出した。
そのノリが、なんと言うか目に透けていると言うか、とてもあからさまだった。今この瞬間だけ本気です。そう言うような瞳がメアリーを真っ直ぐに見抜く。なんでここだけしっかりと意思表示しているのだろうか、そんなことを考えてメアリーは一旦警戒を解くことにした。
これ以上情報が出るとは思えない。
それに本人は嘘を言うのは慣れてないように見える。今だって緊張した面持ちでぎゅっと胸の前で両手を握りしめている。その手は相変わらず細かったし、どうにも剣士や戦士のような明らかな強者には見えない。そして魔術師としても見えない。魔術師と言って思い出すのはジャックのことだった。あの底なしの恐怖感と畏怖、それから蛇のような目でこちらの情報をじわじわと引き摺り出す様が目の前のスキロスとは全然結びつかない。
そう考えながら、メアリーは重々しくため息交じりの声で、
「……私たちが聞いたことをちゃんと返答しているのはなぜ?」
と言った。
それにスキロスはパッと花を綻ばせるように「それは、メイドは仕かえるものだからです!」と全く悪気のない返答を返した。
メアリーは何度目かの沈黙を貫き、それから頭が痛いと言うようなポーズをした。それから渋々と言うように「その心は」と続きを促す。
「私はブルゴーニュ様の専属の暗殺部隊『鴉』の一員!長であるブルゴーニュ様の言葉は絶対!その方に、メアリー様たちの監視と二人のメイドとして働くことを命じられました!と言うことは一時的に私のご主人様はメアリー様達に移行!そしてそのメアリー様たちが、教えろ、そう言うのであればお二人のメイドとしては答えざる終えない!」
「どうでしょうか!」ドヤっと胸を張ってそう言うスキロスに、アリオストロはさらに混乱した顔で「何言ってんの?」とメアリーに訊いた。そんなものはメアリーだって知りたい。だがこの場合、話の文脈からわかったことは共有しておくべきだ。メアリーは重たい体をアリオストロの方向へ向けてから、反目で解説を始めた。
「この子は多分、私たちの監視員。そこまではわかるよね?」
「お、おう」
「んで、そのためにこいつはメイドとして配属されたわけなんだが――」
この先を言うのにメアリーは抵抗があった。
迷いとも混乱とも呼べる得体の知れない抵抗感。世界にこんなにも馬鹿な存在がいるのだぞ。そう存外に言うような気もしない言葉を羅列する準備ができていないとも呼ぶ。
だが、言うしかない。
目を輝かせて、任務遂行しています、のような表情を出しているスキロスが馬鹿であることを証明するしかない。馬鹿の証明なぞ馬鹿馬鹿しいにも程があるが、それでもこの過程は必要だとメアリーは己を律するように呆れた口調を隠しもせず重々しい口を開いた。
「メイドとして配属されたことをメインに考えてる」
「……うん」
「メイドとして配属されたことをメインに考えてる」
「二度も言わんでいい!!」
アリオストロが立ち上がってそう強めに叫ぶ。
キョトンとしているスキロスはこの際放置しとこう。メアリーは立ち上がったアリオストロの腕を強引に引っ張って着席させてから、この馬鹿を有効利用することを考えた。己の口から発した言葉であるが、スキロスの勘違いについて言及した口が僅かにまごつく。それが尾を引いて、次の発言を躊躇わせるのだが、メアリーはまるで海に飛び込むような決意を抱いてから「スキロス」その名を呼んだ。
「はい!なんでしょうメアリー様!」
「君はメイドとしてどこまで奉公してくれるんだ?」
「そりゃあ勿論!人殺しから、情報収集!果てにはティーセットのお片付けまで全力でやらせて貰います!」
にっこりと太陽のように笑う。
物騒なあまりの言葉にメアリーは一瞬呆気に取られてしまった。
だってその言葉はまるで純粋な低学年の子供のようであったからだ。純粋無垢で自分の言葉の意味を理解していない。していたとしても然程にその重みを知ることはない。いや、知ろうともしない。馬鹿ではなく、無知。しかもこれは倫理観への無知だ。先ほどまでの馬鹿な印象さすでに跡形もなく消えた。あるのはそこ知れぬ恐怖。天真爛漫な表情ですら、今は天邪鬼のような様子に変貌しているように見えた。
そん中、印象の抱き方を変えたメアリーとは違い言葉そのままに受け止めたアリオストロは「じゃあ」と口を開いた。
「ブルゴーニュさんどうにかして欲しいってお願いしたらできるのか?」
「さ、流石に雇用主様には……収入源が……」
何か喉元に引っ掛かったような気がするも、次のスキロスの言葉で考えが一変する。
「神都ニフタまで案内してくれ……みたいな事ならできます!」
代替案を言うスキロスに、思わずと言うようにアリオストロが反応する。
と言ってもピクリと眉を動かしただけにとどまった。これがブルゴーニュによる策なのかも知れない。メアリーの考えと同じところに行き着いたアリオストロはそれから慎重に言葉を選び始める。
「神都ニフタまで案内か……それはブルゴーニュさんが必要な馬車を貸してくれる……みたいになっているがそこのところどうなんだ?」
「ええ……ブルゴーニュ様はそんなことを?私が聞く限りお二人が領外に出たらメアリーさんは拘束、アリオストロさんは殺害という任務を承っているんですが……」
ヒクリ、メアリーの頬が引きずる。
そんな様子をまったく知らないスキロスは「なんか聞き間違えたかな……」なんてあらぬ方向の心配をし始めるスキロスの左回りのつむじの前でアリオストロとメアリーは目配せをする。
それは「信じるか?」という根本的な情報への信頼性による疑問であった。
メアリーは考える。信じれるか、そうでないか、正直なところスキロスの考えが読めなさすぎてわからない。言葉通り、見た通りを信じるならスキロスは信頼できて尚且つ嘘がつけない様子から手駒にするのは十分な素質を持っている。
しかし、この全ての言動が芝居だったら、協力することを予め目標としてメアリーたちの脱出方法を探るという新手の技を使って来ているのだとしたら、一気に信頼はゼロになる。
確率としてはその二分の一。
だが高い確率でも命を預けるのだから、慎重になりざる負えない。今言の葉がメアリーとアリオストロの命運を握っているのだ。
だからメアリーは困ったように笑って見せた。それから、口元に片手だけ添わせて、「ふふ」と笑った。
「面白い冗談を言うのですね」
どちらも選ばない。
メアリーはその選択肢を取ったのだ。
アリオストロが、メアリーの隣に腰を落としつつ、今までの経緯を説明のように話し始める。そうでないと現状が理解できなかったからだ。
「ええっと、あんたはブルゴーニュさんが密かに持っている秘密部隊……の鴉ってやつで、俺とメアリーの監視を頼まれた……であってるよな?」
「はい!」
「その……そう言うのは言っていいのか……?」
「バレずにとは言われてないので問題ないです!」
「なぁ、鴉ってそんな感じでいいのか?」
アリオストロは元気に答えるスキロスを前に、苦そうにメアリーを見た。
なぜこちらを見る必要があるのか、正直任せられても困るのだが、アリオストロの困惑もわかる。だから腕を組み直して、メアリーはスキロスにズバッと聞くことにした。こう言うのは曲解してしまわれる可能性があるから、しかも馬鹿相手だとその可能性が膨れ上がる。だから、メアリーはガッと真剣な瞳をスキロスに向けた。
「正直、あんたを信じることができない。自分の組織のことをそんな簡単に言ってしまうようなヒトは……」
「あ、バイトです」
「……バイトかぁ」
暗殺部隊が何雇っているのだろうか、メアリーは鶯鳴の記憶から想起された「単発バイト」という概念を思い出した。
そのノリが、なんと言うか目に透けていると言うか、とてもあからさまだった。今この瞬間だけ本気です。そう言うような瞳がメアリーを真っ直ぐに見抜く。なんでここだけしっかりと意思表示しているのだろうか、そんなことを考えてメアリーは一旦警戒を解くことにした。
これ以上情報が出るとは思えない。
それに本人は嘘を言うのは慣れてないように見える。今だって緊張した面持ちでぎゅっと胸の前で両手を握りしめている。その手は相変わらず細かったし、どうにも剣士や戦士のような明らかな強者には見えない。そして魔術師としても見えない。魔術師と言って思い出すのはジャックのことだった。あの底なしの恐怖感と畏怖、それから蛇のような目でこちらの情報をじわじわと引き摺り出す様が目の前のスキロスとは全然結びつかない。
そう考えながら、メアリーは重々しくため息交じりの声で、
「……私たちが聞いたことをちゃんと返答しているのはなぜ?」
と言った。
それにスキロスはパッと花を綻ばせるように「それは、メイドは仕かえるものだからです!」と全く悪気のない返答を返した。
メアリーは何度目かの沈黙を貫き、それから頭が痛いと言うようなポーズをした。それから渋々と言うように「その心は」と続きを促す。
「私はブルゴーニュ様の専属の暗殺部隊『鴉』の一員!長であるブルゴーニュ様の言葉は絶対!その方に、メアリー様たちの監視と二人のメイドとして働くことを命じられました!と言うことは一時的に私のご主人様はメアリー様達に移行!そしてそのメアリー様たちが、教えろ、そう言うのであればお二人のメイドとしては答えざる終えない!」
「どうでしょうか!」ドヤっと胸を張ってそう言うスキロスに、アリオストロはさらに混乱した顔で「何言ってんの?」とメアリーに訊いた。そんなものはメアリーだって知りたい。だがこの場合、話の文脈からわかったことは共有しておくべきだ。メアリーは重たい体をアリオストロの方向へ向けてから、反目で解説を始めた。
「この子は多分、私たちの監視員。そこまではわかるよね?」
「お、おう」
「んで、そのためにこいつはメイドとして配属されたわけなんだが――」
この先を言うのにメアリーは抵抗があった。
迷いとも混乱とも呼べる得体の知れない抵抗感。世界にこんなにも馬鹿な存在がいるのだぞ。そう存外に言うような気もしない言葉を羅列する準備ができていないとも呼ぶ。
だが、言うしかない。
目を輝かせて、任務遂行しています、のような表情を出しているスキロスが馬鹿であることを証明するしかない。馬鹿の証明なぞ馬鹿馬鹿しいにも程があるが、それでもこの過程は必要だとメアリーは己を律するように呆れた口調を隠しもせず重々しい口を開いた。
「メイドとして配属されたことをメインに考えてる」
「……うん」
「メイドとして配属されたことをメインに考えてる」
「二度も言わんでいい!!」
アリオストロが立ち上がってそう強めに叫ぶ。
キョトンとしているスキロスはこの際放置しとこう。メアリーは立ち上がったアリオストロの腕を強引に引っ張って着席させてから、この馬鹿を有効利用することを考えた。己の口から発した言葉であるが、スキロスの勘違いについて言及した口が僅かにまごつく。それが尾を引いて、次の発言を躊躇わせるのだが、メアリーはまるで海に飛び込むような決意を抱いてから「スキロス」その名を呼んだ。
「はい!なんでしょうメアリー様!」
「君はメイドとしてどこまで奉公してくれるんだ?」
「そりゃあ勿論!人殺しから、情報収集!果てにはティーセットのお片付けまで全力でやらせて貰います!」
にっこりと太陽のように笑う。
物騒なあまりの言葉にメアリーは一瞬呆気に取られてしまった。
だってその言葉はまるで純粋な低学年の子供のようであったからだ。純粋無垢で自分の言葉の意味を理解していない。していたとしても然程にその重みを知ることはない。いや、知ろうともしない。馬鹿ではなく、無知。しかもこれは倫理観への無知だ。先ほどまでの馬鹿な印象さすでに跡形もなく消えた。あるのはそこ知れぬ恐怖。天真爛漫な表情ですら、今は天邪鬼のような様子に変貌しているように見えた。
そん中、印象の抱き方を変えたメアリーとは違い言葉そのままに受け止めたアリオストロは「じゃあ」と口を開いた。
「ブルゴーニュさんどうにかして欲しいってお願いしたらできるのか?」
「さ、流石に雇用主様には……収入源が……」
何か喉元に引っ掛かったような気がするも、次のスキロスの言葉で考えが一変する。
「神都ニフタまで案内してくれ……みたいな事ならできます!」
代替案を言うスキロスに、思わずと言うようにアリオストロが反応する。
と言ってもピクリと眉を動かしただけにとどまった。これがブルゴーニュによる策なのかも知れない。メアリーの考えと同じところに行き着いたアリオストロはそれから慎重に言葉を選び始める。
「神都ニフタまで案内か……それはブルゴーニュさんが必要な馬車を貸してくれる……みたいになっているがそこのところどうなんだ?」
「ええ……ブルゴーニュ様はそんなことを?私が聞く限りお二人が領外に出たらメアリーさんは拘束、アリオストロさんは殺害という任務を承っているんですが……」
ヒクリ、メアリーの頬が引きずる。
そんな様子をまったく知らないスキロスは「なんか聞き間違えたかな……」なんてあらぬ方向の心配をし始めるスキロスの左回りのつむじの前でアリオストロとメアリーは目配せをする。
それは「信じるか?」という根本的な情報への信頼性による疑問であった。
メアリーは考える。信じれるか、そうでないか、正直なところスキロスの考えが読めなさすぎてわからない。言葉通り、見た通りを信じるならスキロスは信頼できて尚且つ嘘がつけない様子から手駒にするのは十分な素質を持っている。
しかし、この全ての言動が芝居だったら、協力することを予め目標としてメアリーたちの脱出方法を探るという新手の技を使って来ているのだとしたら、一気に信頼はゼロになる。
確率としてはその二分の一。
だが高い確率でも命を預けるのだから、慎重になりざる負えない。今言の葉がメアリーとアリオストロの命運を握っているのだ。
だからメアリーは困ったように笑って見せた。それから、口元に片手だけ添わせて、「ふふ」と笑った。
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