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運命の日
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「そんな硬くなんなって、さっき適当に注文したから」
「えっ、でも」
「恥ずかしくて注文出来なかったんだろ?よくあるんだよそういう客…あ、お代はいいから…その代わりまた通ってくれよ」
優しい店員さんに涙が出そうになりながら、料理が届けられた。
ハート型のオムレツのようなもので、転生してから一度も食べた事がない料理だ。
美味い、本当にオムレツだ…懐かしくて懐かしくて涙が溢れてくる。
店員さんに「大袈裟過ぎるぞ」と笑われたが、本当に嬉しかったんだから仕方ない。
見た事がないカードゲームの遊びを教えてもらって、楽しい気分になって店を出た。
最後にまたツンデレを発動してくれて「べ、別に早く帰ってこいとか思ってねぇし」とチラチラこちらを見ていて、俺は勢いよく手を振った。
さすがプロだ、俺も頑張らないとな…という気持ちになり宿屋の前に立った。
財布を見ると、俺は現実に引き戻される事になった。
一日はまぁなんとかなるが、明日から本格的に仕事を探さないといけない。
今日は無理でも、明日になったら求人も変わるとギルドの人が言ってたし、チャンスは明日しかない。
宿屋に入ろうとしたら、俺の横になにかが飛んできてすぐ横の宿屋の壁に刺さった。
心臓が止まりそうなほど驚いて、刺さった矢を見た。
矢になにかが結ばれていて、恐る恐る手に取ってみる。
それはどう見ても紙のようで、古風な矢文だなと思いながら紙を開いた。
中には両親から俺への指令が書かれていた。
『守護精霊祭の夜、城はガラ空きになるからそこで国王を暗殺しろ、詳しい内容は追って知らせる…なおこの手紙を読んだら誰にも知られないように燃やせ』
俺は昼飯の浮いた金で、火の魔石を買った。
一回しか使えないくらいのほんの小さな魔石だけど充分だろう。
そして手紙を燃やして、灰は何処かに飛んでいった。
内容?そんなもの一ミリも覚えていない。
でもいいんだ、俺はそんな事より明日の事が心配だから…
食えるか食えないかが俺にとっての最大の問題だ。
気を取り直して宿屋に入って、チェックインを済ませて部屋に向かった。
ベッドで横になりながら、明日の事を考える。
他の特技も考えた方がいいよな、母親の手伝いをしていたら裁縫が得意とか言えたが結局手伝わせてはくれなかった。
俺に合った仕事、体力はあるから用心棒とかどうだろうか。
そう自分で思っていても、この世界には俺よりもっと頼りになる人達がいる。
明日見つけないと、両親のところに戻るしかなくなる。
憂鬱な気分のまま、眠りについた。
「はぁぁ…」
今日もいろいろ回ったが、何処も全滅だった。
外もだんだん暗くなってきた…今日は何も食べていないから腹がぐぅぐぅ鳴る。
もう財布もカラッカラで宿屋に泊まる事も出来ない。
ため息を吐いて、ふと…昨日楽しかった店の前で足を止めた。
無意識に来てしまった、お金がないから行けないけど…
店に背を向けて歩き出そうとした、叫ぶような声が聞こえた。
びっくりして後ろを振り返ると、店の端の細道に動く影があった。
「は、離して下さい!」
「いいじゃないか、ちょっとだけ」
あの可愛い服、この店の従業員の子か。
腕を引っ張っている男は足がフラフラしている、酔っ払いか?
いろいろな客を相手にしていて、大変なんだな。
「ってぇ!何しやがるんだ!!」と男の怒鳴り声が聞こえる。
何するって、お前じゃなくてそこの子のセリフだろ?
近付くと酒のにおいが濃くなって、鼻が麻痺しそうだ。
「嫌がってるんだから無理強いはするなよ」
「な、何だと!」
「そんなフラフラで、ちょっとは目を覚ませよ」
足蹴りをしたから男の顔はさらに赤く染まって怒りを露にしていた。
男のへろへろの拳を避けて、男の子の腕を引いて店に入るように言った。
呆然としていた男の子はハッと我に返り、走って店の中に入っていった。
「えっ、でも」
「恥ずかしくて注文出来なかったんだろ?よくあるんだよそういう客…あ、お代はいいから…その代わりまた通ってくれよ」
優しい店員さんに涙が出そうになりながら、料理が届けられた。
ハート型のオムレツのようなもので、転生してから一度も食べた事がない料理だ。
美味い、本当にオムレツだ…懐かしくて懐かしくて涙が溢れてくる。
店員さんに「大袈裟過ぎるぞ」と笑われたが、本当に嬉しかったんだから仕方ない。
見た事がないカードゲームの遊びを教えてもらって、楽しい気分になって店を出た。
最後にまたツンデレを発動してくれて「べ、別に早く帰ってこいとか思ってねぇし」とチラチラこちらを見ていて、俺は勢いよく手を振った。
さすがプロだ、俺も頑張らないとな…という気持ちになり宿屋の前に立った。
財布を見ると、俺は現実に引き戻される事になった。
一日はまぁなんとかなるが、明日から本格的に仕事を探さないといけない。
今日は無理でも、明日になったら求人も変わるとギルドの人が言ってたし、チャンスは明日しかない。
宿屋に入ろうとしたら、俺の横になにかが飛んできてすぐ横の宿屋の壁に刺さった。
心臓が止まりそうなほど驚いて、刺さった矢を見た。
矢になにかが結ばれていて、恐る恐る手に取ってみる。
それはどう見ても紙のようで、古風な矢文だなと思いながら紙を開いた。
中には両親から俺への指令が書かれていた。
『守護精霊祭の夜、城はガラ空きになるからそこで国王を暗殺しろ、詳しい内容は追って知らせる…なおこの手紙を読んだら誰にも知られないように燃やせ』
俺は昼飯の浮いた金で、火の魔石を買った。
一回しか使えないくらいのほんの小さな魔石だけど充分だろう。
そして手紙を燃やして、灰は何処かに飛んでいった。
内容?そんなもの一ミリも覚えていない。
でもいいんだ、俺はそんな事より明日の事が心配だから…
食えるか食えないかが俺にとっての最大の問題だ。
気を取り直して宿屋に入って、チェックインを済ませて部屋に向かった。
ベッドで横になりながら、明日の事を考える。
他の特技も考えた方がいいよな、母親の手伝いをしていたら裁縫が得意とか言えたが結局手伝わせてはくれなかった。
俺に合った仕事、体力はあるから用心棒とかどうだろうか。
そう自分で思っていても、この世界には俺よりもっと頼りになる人達がいる。
明日見つけないと、両親のところに戻るしかなくなる。
憂鬱な気分のまま、眠りについた。
「はぁぁ…」
今日もいろいろ回ったが、何処も全滅だった。
外もだんだん暗くなってきた…今日は何も食べていないから腹がぐぅぐぅ鳴る。
もう財布もカラッカラで宿屋に泊まる事も出来ない。
ため息を吐いて、ふと…昨日楽しかった店の前で足を止めた。
無意識に来てしまった、お金がないから行けないけど…
店に背を向けて歩き出そうとした、叫ぶような声が聞こえた。
びっくりして後ろを振り返ると、店の端の細道に動く影があった。
「は、離して下さい!」
「いいじゃないか、ちょっとだけ」
あの可愛い服、この店の従業員の子か。
腕を引っ張っている男は足がフラフラしている、酔っ払いか?
いろいろな客を相手にしていて、大変なんだな。
「ってぇ!何しやがるんだ!!」と男の怒鳴り声が聞こえる。
何するって、お前じゃなくてそこの子のセリフだろ?
近付くと酒のにおいが濃くなって、鼻が麻痺しそうだ。
「嫌がってるんだから無理強いはするなよ」
「な、何だと!」
「そんなフラフラで、ちょっとは目を覚ませよ」
足蹴りをしたから男の顔はさらに赤く染まって怒りを露にしていた。
男のへろへろの拳を避けて、男の子の腕を引いて店に入るように言った。
呆然としていた男の子はハッと我に返り、走って店の中に入っていった。
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