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初恋を求めて
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『アルフレート視点』
場所を聞き逃していたから、店に片っ端から足を運んだ。
子供の頃はいくら探しても人に聞いても何も得られなかった。
大人になって街を出てしまったかもしれない…というかそもそも夢だと思っていたから探すのを止めていた。
でも、この街にいると確信している…もう夢にはしない。
絶対見つけて、今度こそ…
数件店に訪れたが、店主が驚くだけで何もなかった。
こっちにもいない…後は、端の方の店か…あそこはほとんど行かないエリアだ。
用もなければ、何処にも行かないけど…と仕立て屋のドアを開ける。
目の前にいるのは不愉快でしかない顔で、邪魔だと肩を押した。
「アルフレート、なにかあったのか?」
「……」
「今日は新人騎士の稽古を見る日だろ?またサボりか?皆待ってるぞ!」
「……」
無視して行こうとしたら、レオナードに腕を掴まれる。
鬱陶しいが、レオナードを連れて行きたくない。
彼の視界にレオナードのような奴を入れたくない。
今すぐ会いたい、店が閉まって家に帰ってしまったら更に会えづらくなる。
会えない苛立ちと、俺と彼の仲を邪魔するレオナードが心底不快だ。
「一人で歩く」とレオナードの腕を振り払った。
早く終わらせればいい、さっさと終わらせて探しに行こう。
仕事を終わらせると、空が薄暗くなっていて急いで走った。
のんびりしていたらレオナードに捕まってしまう。
アイツは今、街の見回りをしている…何処で会うかなんて分からない。
そう思っていたら、国民に呼び止められて話しているレオナードがいた。
危うくそこに突撃するところだった、個人的には殴り飛ばしたいけど…
遠回りで向かい、店を見て回り…そして俺はその姿を見た。
ちょうど仕事が終わったのか、話しながら店を出る彼がいた。
白いヒラヒラした服を着ている男か女か分からない奴らに混ざって黒い執事のような服を着ている彼がいた。
人が多いのは好きじゃない、彼にだけ会いに来たから彼以外はいらない。
一人になるところを見て行こうと思って、一人で店の中に入ろうとしている彼に近付いた。
「君…は…」
「えっと、どちら様で…」
俺が声を出すと、彼は振り返って視界に俺を映した。
やっと、やっとまた俺を見てくれた…もっと見てほしい。
急いできたから息を切らしていて、再会したというのにカッコ悪いところは見られたくない。
そう頭では思っていても、俺の行動は止められなかった。
路地では顔が見えなかったけど、今なら見える。
触れたい、その体…顔…俺に触れてほしい…君に…
でも、焦っちゃダメだ…慎重に大切にしていかないと…
柔らかい表情一つだけで、俺の心が晴れていく。
「来ていただいてありがとうございます!今日は何もなかったから大丈夫です」
「……何もって、なにかあったのか?」
「あれ?不審者の事で来たんじゃ…」
心が浮かれていたら、不思議な事を言ってくる。
不審者?何の話だ?俺は何も聞いていないけど…
俺が来たのは昨日店の事を聞いたからだ、聞き流した部分があったから時間は掛かったが…
もしかして不審者に狙われているのか?誰がそんな事をしているんだ?
俺が不審者をどうにかしてあげるから、心配しなくていい。
今までは嫌々やらされていたが、彼を守るために俺は守護精霊になったんだ。
そう思っていたら、ポケットからなにかを取り出して開けて見ていた。
なにかあったのか?少し顔色が良くないと思うけど…
「…慰謝料…給料日まで待って下さい」
「そんなのいらない」
「え…でも、足痛くてきたんじゃ…」
「そうじゃない……会いたくて…」
足は元々大した事ではない、俺はただ会いたい…それだけだ。
あの時別れてから、俺が君に抱いているのはその気持ちだ。
でも、まだ俺の気持ちは彼には伝わらなかった。
営業時間にまた来てくれと、遠回しに断られた。
プライベートでは会ってくれない、そういう事なのか?
そんな嫌われるような事しただろうか……思い当たるのは路地での事だ。
俺は勘違いで彼に酷い事をしてしまった、分かっていたら優しくしたのに…
過去は変えられないから今更思っても仕方ない……でも、心が苦しい。
「営業してないと会えない?」
「プライベートは本人に確認しないと何とも言えないけど、基本はお店でお願いします」
さっきまで心が温かくなった笑顔は、今では残酷に俺を切り刻む。
嫌だ、嫌だ…彼に嫌われたら俺はどう生きていていけばいいんだ。
俺は客なんかじゃない、彼の特別な存在になりたい。
それなのに、そう思うのも許されない事なのか?
やっと廃れた毎日から救われる、そう思っていた……なのに…、
「騎士さんならすぐに仲良くなれると思うから大丈夫です!」
「…本当?」
「エンジェルの理解者だって自称してるんで!」
仲良くなれる……なら、まだチャンスがあるって事か?
俺の瞳に一筋の光が差し込んできて、気持ちのもやが晴れていく。
でも不可解な言葉を聞いて、俺の眉は寄って気持ちに影が掛かる。
エンジェルってなんだろう、彼がエンジェルというのの理解者。
そんなに親しい相手がいるのか?俺ではなく…誰かも分からない奴を…
俺のものだ、誰にも渡さない…触れさせない…視界にも入れたくない。
彼に手を伸ばそうと思ったが、彼の言葉に手を止めた。
「俺で良ければお話……いらないですよね、ごめんなさい」
早口でそう言って、俺に背中を向けて店のドアを開けようとしていた。
このままだと行ってしまう、引き止めないと…また会えなくなるのは嫌だ。
閉じ込めるように両手で彼を逃さないようにした。
小さな声を出す彼の顔が見たくて、体をこちらに向けさせた。
良ければ…なんて言わないでほしい、君がいいんだ。
彼に俺が映って、きっと彼には俺の瞳の中が見えるだろう。
今すぐ君を抱いて俺なしでは生きていけないようにしたいが、さすがにここでそれをしたらダメだよな。
場所を聞き逃していたから、店に片っ端から足を運んだ。
子供の頃はいくら探しても人に聞いても何も得られなかった。
大人になって街を出てしまったかもしれない…というかそもそも夢だと思っていたから探すのを止めていた。
でも、この街にいると確信している…もう夢にはしない。
絶対見つけて、今度こそ…
数件店に訪れたが、店主が驚くだけで何もなかった。
こっちにもいない…後は、端の方の店か…あそこはほとんど行かないエリアだ。
用もなければ、何処にも行かないけど…と仕立て屋のドアを開ける。
目の前にいるのは不愉快でしかない顔で、邪魔だと肩を押した。
「アルフレート、なにかあったのか?」
「……」
「今日は新人騎士の稽古を見る日だろ?またサボりか?皆待ってるぞ!」
「……」
無視して行こうとしたら、レオナードに腕を掴まれる。
鬱陶しいが、レオナードを連れて行きたくない。
彼の視界にレオナードのような奴を入れたくない。
今すぐ会いたい、店が閉まって家に帰ってしまったら更に会えづらくなる。
会えない苛立ちと、俺と彼の仲を邪魔するレオナードが心底不快だ。
「一人で歩く」とレオナードの腕を振り払った。
早く終わらせればいい、さっさと終わらせて探しに行こう。
仕事を終わらせると、空が薄暗くなっていて急いで走った。
のんびりしていたらレオナードに捕まってしまう。
アイツは今、街の見回りをしている…何処で会うかなんて分からない。
そう思っていたら、国民に呼び止められて話しているレオナードがいた。
危うくそこに突撃するところだった、個人的には殴り飛ばしたいけど…
遠回りで向かい、店を見て回り…そして俺はその姿を見た。
ちょうど仕事が終わったのか、話しながら店を出る彼がいた。
白いヒラヒラした服を着ている男か女か分からない奴らに混ざって黒い執事のような服を着ている彼がいた。
人が多いのは好きじゃない、彼にだけ会いに来たから彼以外はいらない。
一人になるところを見て行こうと思って、一人で店の中に入ろうとしている彼に近付いた。
「君…は…」
「えっと、どちら様で…」
俺が声を出すと、彼は振り返って視界に俺を映した。
やっと、やっとまた俺を見てくれた…もっと見てほしい。
急いできたから息を切らしていて、再会したというのにカッコ悪いところは見られたくない。
そう頭では思っていても、俺の行動は止められなかった。
路地では顔が見えなかったけど、今なら見える。
触れたい、その体…顔…俺に触れてほしい…君に…
でも、焦っちゃダメだ…慎重に大切にしていかないと…
柔らかい表情一つだけで、俺の心が晴れていく。
「来ていただいてありがとうございます!今日は何もなかったから大丈夫です」
「……何もって、なにかあったのか?」
「あれ?不審者の事で来たんじゃ…」
心が浮かれていたら、不思議な事を言ってくる。
不審者?何の話だ?俺は何も聞いていないけど…
俺が来たのは昨日店の事を聞いたからだ、聞き流した部分があったから時間は掛かったが…
もしかして不審者に狙われているのか?誰がそんな事をしているんだ?
俺が不審者をどうにかしてあげるから、心配しなくていい。
今までは嫌々やらされていたが、彼を守るために俺は守護精霊になったんだ。
そう思っていたら、ポケットからなにかを取り出して開けて見ていた。
なにかあったのか?少し顔色が良くないと思うけど…
「…慰謝料…給料日まで待って下さい」
「そんなのいらない」
「え…でも、足痛くてきたんじゃ…」
「そうじゃない……会いたくて…」
足は元々大した事ではない、俺はただ会いたい…それだけだ。
あの時別れてから、俺が君に抱いているのはその気持ちだ。
でも、まだ俺の気持ちは彼には伝わらなかった。
営業時間にまた来てくれと、遠回しに断られた。
プライベートでは会ってくれない、そういう事なのか?
そんな嫌われるような事しただろうか……思い当たるのは路地での事だ。
俺は勘違いで彼に酷い事をしてしまった、分かっていたら優しくしたのに…
過去は変えられないから今更思っても仕方ない……でも、心が苦しい。
「営業してないと会えない?」
「プライベートは本人に確認しないと何とも言えないけど、基本はお店でお願いします」
さっきまで心が温かくなった笑顔は、今では残酷に俺を切り刻む。
嫌だ、嫌だ…彼に嫌われたら俺はどう生きていていけばいいんだ。
俺は客なんかじゃない、彼の特別な存在になりたい。
それなのに、そう思うのも許されない事なのか?
やっと廃れた毎日から救われる、そう思っていた……なのに…、
「騎士さんならすぐに仲良くなれると思うから大丈夫です!」
「…本当?」
「エンジェルの理解者だって自称してるんで!」
仲良くなれる……なら、まだチャンスがあるって事か?
俺の瞳に一筋の光が差し込んできて、気持ちのもやが晴れていく。
でも不可解な言葉を聞いて、俺の眉は寄って気持ちに影が掛かる。
エンジェルってなんだろう、彼がエンジェルというのの理解者。
そんなに親しい相手がいるのか?俺ではなく…誰かも分からない奴を…
俺のものだ、誰にも渡さない…触れさせない…視界にも入れたくない。
彼に手を伸ばそうと思ったが、彼の言葉に手を止めた。
「俺で良ければお話……いらないですよね、ごめんなさい」
早口でそう言って、俺に背中を向けて店のドアを開けようとしていた。
このままだと行ってしまう、引き止めないと…また会えなくなるのは嫌だ。
閉じ込めるように両手で彼を逃さないようにした。
小さな声を出す彼の顔が見たくて、体をこちらに向けさせた。
良ければ…なんて言わないでほしい、君がいいんだ。
彼に俺が映って、きっと彼には俺の瞳の中が見えるだろう。
今すぐ君を抱いて俺なしでは生きていけないようにしたいが、さすがにここでそれをしたらダメだよな。
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