俺の弟が一番かわいい

ー結月ー

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レオンハルトの物語3

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「まさか、レオンハルトさん…梓馬を洗脳して好きにさせたんじゃ…」

食べるのを止めて、ナイトを見るとナイトは複雑な顔をしていた。

僕との力の差が分かっているから逆らいたくないが、梓馬のために言わないと…と二つの気持ちがぶつかり合っているようだ。

梓馬は愛されているんだな、普段表情が変わりにくいナイトにこんな顔をさせられるんだから…

洗脳、そう言われたらそうなのかもしれない。

梓馬の弟を助けたいという気持ちにつけ込んで、僕は恋人ごっこを提案してくれた。

身体の関係も、必要だからと強引に迫ったのは僕だ。

ナイトの事を言えないな。

「僕は梓馬を愛している、その気持ちに嘘はない」

「…でも梓馬がレオンハルトさんに抱いている気持ちが洗脳だったら卑怯じゃないですか」

「そうだな、でも梓馬のために僕は止める気はない…弟を取り戻して、そこから決めるのは梓馬自身だ」

「……」

「特別な魔法を使っているわけではないから梓馬の気持ちを変える事は出来ないよ」

「じゃあ、俺も梓馬に迫っても…もう止めませんよね」

ナイトの言葉に、諦めのため息を吐いた。

梓馬に告白するのは自由だが、梓馬とするのは見逃す事が出来ない。

僕が梓馬を愛していて独占したいから……それも少しはあるがそれだけの理由ではない。

梓馬は人間で、魔力を注いで魔法が使える。

二つの魔法を入れたらどうなるかなんて誰にも分からない、そんな魔導士は聞いた事がない。

梓馬の身体に何かしら変化が起こるかもしれない…だから僕はダメだと言っているんだ。

それに、もし無事でもナイトの氷の魔法なんて使ったらどうなるか分かっているのか?

周りには梓馬が雷属性だと知られているのに、混乱する。

人間だと気付く奴が居ても不思議じゃない、そんな危険な目にあわせるわけにはいかない。

「梓馬にアプローチするのは勝手にしろ、ただ…梓馬は雷属性なんだ…それを変えると梓馬がどうなるか……想像出来ないほどのバカではないだろ」

「………ご馳走様、梓馬の事よろしく」

ナイトはそう言っていつの間にか全部食べたのか、空の食器を片していた。

僕も食事を再開させた。

納得してはくれたとは思うが、梓馬の事を諦めたわけでなさそうだ。

食堂で一人になり、早々に食べて僕も食器を片した。

ナイトが入寮するなら部屋を掃除しておかないといけないな。

確か使っていない部屋があったが、あそこは物置になっている…片付けないとな、と気分が滅入る。

梓馬の部屋も壊れたままにしておくわけにはいかないな。

やる事が山積みで、梓馬の部屋に関しては僕のせいだから早めになんとかしようと思った。

学園裏にある時計塔から時間を知らせる大きな鐘が鳴った。

この鐘は寮の門限を知らせる役割もあり…離れたここまで音が聞こえる、僕のいる寮には門限はないけどね。

梓馬の様子を見に行こうと自分の部屋に向かった。
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