俺の弟が一番かわいい

ー結月ー

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恋愛初心者

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俺はもう一度ナイトに自分を指差して「人間だよ」と言うと「ふーん」と興味なさそうな返事が返ってきた。

そんな一言で済ませていい内容なのか!?俺からしたらかなりの秘密を打ち明けたんだけど…

隣にいるレオンハルトを見ると、レオンハルトはナイトのため息が分かっているのか小さく笑っている。

さっきの険悪な雰囲気はなくなり、楽しそうだ。

「初めての梓馬は可愛かったぞ」

「はぁ……」

「そんな落ち込む事か!?」

「男として、好きな子を自分色に染めたいって思うのは当たり前だろ……レオンハルトさんの魔法を使ってたら、レオンハルトさんの色に…」

「好きって、そんな出会って間もないのに」

レオンハルトは一目惚れだって言っていたが、まさかナイトまでそんな事はないだろうと笑った。

ナイトは椅子から立ち上がり、俺のところにやって来た。

ナイトはジッと俺を見つめている、その真剣な眼差しにどきりとする。

ナイトの口から、いつもの面倒くさそうな興味がなさそうか声は聞こえなかった。

目の前にいるのは、冗談ではなく真剣な男の姿だった。

俺の手を握って、膝をついて見つめている。

「好きだ、梓馬…梓馬が過去にどんな男と恋愛していたかなんて俺には関係ない、俺の手を握って傍にいてくれた…そんな梓馬に惹かれた、ずっと俺の傍にいてほしい」

「勝手に僕を過去の男にしないでくれるかな」

レオンハルトが静かな声で怒っていたが、ナイトは聞いていなかった。

それはまるで、告白というよりプロポーズではないだろうか。

俺の顔が赤くなるのが分かる、まさか二人の男に告白されるなんて誰が想像していただろうか。

ナイトは俺と歩夢を勘違いしているんじゃないのか?歩夢と似ているとは微塵も思わないが兄弟だし…

それに俺はレオンハルトへの気持ちに何も返事をしていない。

「俺はレオンハルトの事、好きだと…思う」

「梓馬…」

「抱かれても嫌じゃないし、俺は…」

俺がレオンハルトの方を見つめて言っていたら、突然頬を掴まれてナイトの方に向けられた。

そして、その瞬間…ナイトの唇で俺の唇を塞がれた。

びっくりして固まっていたら、ぬるっとした舌が入ってきて深いものに変わった。

ナイトの袖を掴むけど、後頭部を掴まれて逃げられない。

息が苦しくて、頭もクラクラしてきた。

俺が初めてとかどうとか言ってたくせに、ナイトは完全に初めてではないだろ!

唇を離されて、立ってられずナイトに腰を掴まれて支えられた。

「はぁっ、はぁ…なんで、いきなり…」

「俺とキスして気持ち悪かったか?」

「そんな事…ないけど」

「じゃあ梓馬は俺の事も好きなんだな」

ナイトはそう言って、俺の事をギュッと抱きしめていた。

そのまま後ろに体重を掛けられて、倒れた。

ナイトに無理矢理キスはされたが、嫌ではなかった。

俺の耳元で「梓馬は俺の事が好きなんだ」と自信満々に言われて戸惑う。

俺、ナイトの事も好きだったのか!?どうなってるんだ!?

自分の事なのに自分が分からなくなってきた。

俺って浮気体質だったのか!?

モゾモゾとナイトが俺のシャツの中に手を入れてきて、ヒヤッと冷たく感じた。

「うわっ!!」

「俺、梓馬を気持ちよくさせられる……愛人がいても気にしない…でも、愛人とするくらいなら俺としてほしい……同じ王位継承者なら俺でもいいだろ」

「いや、でも俺はレオンハルトが…」

「でも俺とキスして平気なら、俺が好きなんだよ」

「いや、でも…」

「梓馬、俺は梓馬が一妻多夫がいいならそれでいい」

あれ?話が通じてない?どうすればいいんだ?

「ナイト、梓馬を惑わすのはやめてくれないか?」

「惑わす?」

「梓馬は信じやすいんだ、混乱している」

俺は二人が何を話しているか分からないが、レオンハルトがナイトの頭を掴んで止めている。

ナイトは俺を見つめていて、俺は考えすぎて頭が回らなくなっていた。

最後にナイトは「俺は梓馬が好きだ」と言う捨て台詞のようなものを吐いて、俺から退いた。

俺はレオンハルトが好き、だって俺は男が好きじゃなかったのにキスされて受け入れて全然嫌ではなかった。

好きじゃなきゃ、普通は拒絶するレオンハルトがどんなに顔がいい美形でも嫌なものは嫌だ。

でも、それで好きだと分かったならナイトはいったいどう説明するんだ?

ナイトの言った通り俺はナイトが好きなのか?そうなのか?

「梓馬…大丈夫か?ボーッとしているが」

「レオンハルト、俺…浮気性だったみたいで…ごめん、最低だよな」

「今日は疲れただろ、ゆっくり休め」

レオンハルトはそう言って、俺の腕を引っ張って起き上がらせてくれた。

確かに疲れた…でも、まだナイトの事をはっきりさせていないのにそれでいいのか?

また二人が変な事になったらと思うと不安だ。

俺には二人が本気で戦っている間に入るほど強くはない。

だから戦う前に止めなくてはいけない。

「大丈夫」と、レオンハルトの肩に触れると視界がぶれた。

なにが起きたか分からないまま、俺の意識はなくなった。

最後にレオンハルトが「すまない」と謝る声が聞こえた。
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