アフター・ライフ・クロニクル〜歴史を紡ぐ神の魔法。伝説に挑む少年達の物語〜

佐原さばく

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第二話 魔力鍛錬

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「私が見た範囲だが魔法には、大きくわけて、四つの種類しかない。」

   そこから、ジャネットの話した内容は以下である。

攻撃魔法:火を使ったり、水を使ったり、はたまた身体強化であったり、様々である。これは、地球での功績が影響しているため、十人十色で、何種類あるのかは分からない。

指揮魔法:文字通り、自分ではなく周りの者を動かして戦う。

回復魔法:他人にのみ使える。人の傷や欠損を治す魔法。人によって、治す範囲や効果が違う。反転することによって、攻撃魔法に転じる事も可能。

防御魔法:結界を張って、攻撃から身を防ぐ。防具に付与することも可能。範囲は魔力量で決まる。

というものであった。

「ジャネットさんは、どの種類に入るんですか?」

「誰しも、一つしか使えないということは無い。全て使える物もいる。私は攻撃魔法と指揮魔法が使える。イネの前で見せたのは、攻撃魔法だな。」

(ふーん、指揮であの旗ね。やっぱりどっかで・・・)

「俺は、どんな魔法なんですかね。」

「早速教えるぞ!」

「はい!」

   ジャネットは、イネの後ろに回って体を密着させて、足や腕を手でなぞっていく。

「この足の先から、魔力を感じるんだ。こう伝わってきて・・・」

「ちょっと・・・」

「どうしたのだ?」

   ジャネットは首を傾げてなにか不思議な物でも見るような目で見つめてきた。

(ジャネットさん、気にしてないのかな。色々当たっちゃってるんだけど。鎧の上からだと気づかなかったけど、結構あるというか。腕も全然筋肉質じゃないし。女の子ってこんなに柔らかいんだ。なんか、ドキドキするな。)

   歴史しか見てこなかったイネには、初めての経験であった。

「い、いえ、なんでも」

「なんだ、ハッキリ言わんか!」

「あの、色んな所が当たっててちょっと緊張してたというか・・・」

「色んな、、ところ、、、?」

   それと同時に、その真っ白な顔が林檎の様に染まっていった。プシュー
   そして、すぐに距離を取ってしまった。

「ば、ばかもの!わ、私はそんなもの気にしておらんぞ!何を訳の分からんことを!」

(結構女の子らしいとこあるじゃん。)

「だって、、ジャネットさん、可愛いし、」

   ジャネットの顔はさらに赤く染まっていく。

「な、私が可愛い?!そういう言葉は、他の子に使え!」

「だって、、ホントだし。」

「私を揶揄からかうなバカもの!さぁ、続けるぞ。貴様からは、魔力は感じるが器ができていない。そして、魔力を感じれていない。まずは、その身体を鍛えるのだ。さぁ、さっさと腕立て!」

「えぇー」

「今のは、、、、掛けた訳じゃないからな!」

   ジャネットはプンプンと言って去っていった。

(ジャネットさんって、めちゃくちゃ可愛いくない?)

   それから、イネは毎日特訓を欠かさなかった。
   
それは、晴れた暑い日だった。開けた雑草すら生えていない荒れ地にて。

「今日は、我が街の剣の達人に来てもらった!」

   現れたのは、一本の剣を腰にたずさえ、飾り気のない紺の和服を身につけた、小柄な人物だった。その人物が小さな口を開く。

「おめさんがジャネット殿んところで働いちょっ男か。弱そうな男じゃのう。そうは言ってん、人は見かけによらん言う。ワシが稽古つけてやっわ。ワシは桐野利秋きりのとしあきじゃ。よろしゅう頼む。」

(え?何言ってんのこのロリっ子。騙せれるとでも思ってんのか?)

   桐野利秋とは、大柄な体格の男だったと言われているが、イネの前に現れたのは後ろで長い髪を結んびポニーテールにした可愛らしい小柄な女の子であった。

桐野利秋: 幕末の薩摩藩士,明治期の陸軍少将。別名中村半次郎。一の太刀で敵を殺す剣術を持っていた。幕末最強の武士との呼び声も高い。暗殺自体は一度しか行っていないと言われているがその技術の高さから、
   人は彼の事をこう呼んだ。「人斬り半次郎」

だがしかし、

「人斬り半次郎がこんな小っちゃい子供なわけないでしょ。可愛いお嬢ちゃん、お母さんの元へおかえり。」

   その瞬間、ズバッとイネの足下に一筋の太刀筋が通った。

「誰が、か、可愛いお嬢ちゃんじゃ!ワシは、正真正銘、桐野利秋じゃ!」

(怒ってる所も可愛いなぁ、)

   しかし、その剣技を見せられ、納得せずにはいられなかったイネは信じることに、

「じょ、冗談じゃないですか。怖いなーもう。でもなんで、こんな小さくなっちゃったんです?」

   高い声で利秋は、返答する。

「ワシにもわからんのじゃ。死んで、気ぢた時にはこん様やった。さあ、お話はここまでじゃ。さっさと特訓するど。」

   そう言うと、利秋は剣を鞘から抜く。

「ほれ、コレを使うと良い。」

   そう言って、彼は黒に朱の模様の入った鞘をこちらに放った。

「おっとっと。鞘だけなんですけど、これ、俺が使うんですか?」

「そうじゃ、ワシの攻撃を、とりあえず受けてみろ。その鞘は、守ってくれるはずじゃ。安心せい。では、行くぞ!」

「いや、なんのために受けなきゃいけない訳。死なないかこれ、大丈夫なのぉぉ?!」

   利秋は、少し距離を置き、口を紡ぐ。

『燃え盛る民の海より怨みを我が身に受けん。我が紅蓮の太刀は絶対無二の一筋なりり。地獄の剣ヘルソード!』

   紅い炎に包まれた利秋よりも大きな刀身を振り払い、飛ぶ斬撃が、イネの前に迫る。空をも焼き払うようなその色は見るものを絶望に変える。そのすぐ下では地面が熔けている。

(あんな可愛らしい見た目なのに、中身はしっかり、人斬り半次郎か。近くにいるだけで、皮膚が溶けそうだ。熱い!もう、耐えられない、、)

   イネが意識を手放そうとした時、機械音が頭に響く。

【使用主の防御力を大幅に超える攻撃を感知しました。よって、発動します。『完全反射』】

   イネは、体内の何かが液体のように右手の鞘に移動するのを感じた。それと同時に、斬撃の方向が利秋の方へ向く。そして、その方向へと太刀筋が飛んでいく。もっとも、利秋は直ぐに避けてしまって、当たらなかったが。

「わぁ!危ないのぉ。ワシに当たったらどうするんじゃ」

(反応可愛くね、いかんいかん、法に触れる。法は無いのか。いや、だめだめ)

「なんですか、あれ?!」

「驚くんもおかしない。それは、ワシがこの世界に来る時にもろた剣じゃ。単発攻撃にのみ、所持者の魔力を使いカウンターを発動する鞘じゃ。」

   離れたところから見ていたジャネットが、話に入ってくる。

「どうだ、イネ。魔力を感じたか?利秋にはこのために来てもらった。」

「そうなんですか。何か感じたような気がします。」

「そうか、それは良かった。これからは、毎日利秋と特訓してもらう。」

「ええー。ってか、ちょっといいですか?

   イネは、ジャネットに耳打ちをした。

「気になってたんですけど、俺、ジャネットさんの所で働いてる事になってるんですか?」

   モジモジとしながら、赤い顔のジャネットが口を開く。

「だ、だって、街のみんなにそう言わないと、恋人だって言われるんだもん。」

(なんで、色恋沙汰になるとこの人は威厳が無くなるのかねぇ。)

   イネは、それから、毎日利秋との稽古を続けた。しかし、一週間たっても、
使えるようにはならなかった。

(まだ、死んだ事のない人だと、時間がかかるのかな?)

   これが関係あるのかと、利秋との稽古を疑問に思いながらも、勤しんだ。

そして、数日後。

「ある程度仕上がってきたな。」

   イネは、体だけが大きくなってきていた。

「本当に意味あったんですか?」

 「あった。・・・はずだ。」

「何?今の間。めっちゃ気になるんですけど!」

「まぁ、これなら、攻めてこられたとしても、肉体戦で多少は戦えるだろう。今日は、先日敵を倒した跡地に行くぞ。もしかしたら何か残っているかも知れん。」

「魔法じゃなくて、肉体戦?!てか、残ってますかね?全部消えてたと思うんですけど。」


P.S. 大まかな内容は結末まで考えているんですけど、偉人でこんな人出して欲しいというのがあれば、是非コメントで教えてください!
尚、コメントは時間がかかるかもしれませんが必ず返信させていただきますので悪しからず。

次回、跡地に残る謎。魔法やらがまぁまぁ出ると思います。
コメント、フォロー、ハートよろしくお願いします!
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