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第三話 アイスピック
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白い鎧に着替え、外に出たジャネットは、右手を突き上げて、喉を震わせる。
「来い!スレイプニル!」
ヒヒーンと白馬が歪んだ時空から出てくる。イネはその事につい質問をする。
「これって、どこから出てきているんですか?召喚魔法とかあるんですか?」
「いや、これは魔法では無い。ビアタラモに来る前に直接会ってはいないが神にお告げを貰ってな。私のみこの馬を呼び出せると聞いた。どこから来ているのかは私も知らん。」
そう、この馬スレイプニルは現実世界には存在しない。神話上の生物である。この馬が、後に大きな事件の発端になるのはまた別のお話。
(なんであの馬、俺の方を睨んでくるんだよ)
そうして、向かっていると、とうとう件の場所へと辿り着いた。残っている物など無いかと思われたが、
(何だ、あれ?何か光ってるぞ。近ずいて見るか、)
イネが傍に寄るとそこにあったのは、
(アイスピック?!なんでこんなところに。まぁ、関係ないか。)
そんな事を思っていると、イネは急に体が浮くような感覚に襲われた。
(なんか、頭がフワフワするな。浮いてる感じだ。いや、浮いてる。)
「イネ!大丈夫か、どうしてそんな所にいる!」
しかし、これはイネに限ったことではなかった。
「ジャネットさんもですよ。って、この辺の土地一帯が浮いてる?!」
その地一帯が一枚岩の様に何枚も分かれて、空中に浮いていた。
(どうしてこんなことに、)
その時、長身の男性が木の影から出てくるのをイネ達は発見した。そしてその男性は、遠足にでも来たのかという無邪気な調子で喋りだした。
「あぁー、他の人間が居るなんて聞いてないよー。面倒くせぇ。まぁ、さっさと殺して取ってきますかー、あれ。」
イネは、その一枚岩のような地を、這いつくばって雑草を掴み、落ちないよう踏ん張っていた。ジャネットは、空を舞い続ける地の上を何枚も飛び越えイネのもとまでやってきている。そして、イネのいる地に飛び越えようとしたその時、薄平たい大地が直撃。そして、下に落とされた。
「チッ、、貴様何者だ。この魔力、明らかに一般人とは違うように思われる。そして、この能力、貴様も地球にいる時は、名を遺した人物なのであろう。」
(ジャネットさんは、知らないのか。あ、あの人は、)
長身の口髭を生やした男性が不気味な笑顔を作る。
「俺様の名前は、アストロ=フリードマン。あっちでは、、、」
イネも同時に口に出す。
「「民衆平和の請負人」」
今や、五十メートル程離れてしまった位置から声が聞こえた。
「イネ、知っているのか!」
「はい!アストロ=フリードマン。第一次世界大戦中に史上初めて、反重力物質を発明した人物です。彼は一切の権利を自分で独占し戦争の兵器としての使用を禁止し、戦時中の民衆の避難にのみそれを活かしました。今では、病院での機器の整備や埋込み型の医療器具には使われています。彼は民衆の平和を作る為、民衆の笑顔を作る為に活動したと言われています。彼がいなければ、現代の三十万世帯は、生き残っていないと言われています。」
調子が良さそうに、顎髭をなぞりながら喋り出す。
「よく知ってるね君、俺も嬉しいよ。」
歴史オタクのイネにとってこれは、常識中の常識。多くの人を助けた人物として、イネはかなり気に入っていた。
「会えて嬉しいです!これもフリードマンさんの能力なんですね」
イネは気持ちが昂っていた。
「あー、そうだよー」
「なんの用でここまで?」
「あー、気になっちゃうよなぁ。それ。まぁ、言えないんだけど。簡潔に言うなら、探し物かな?」
フリードマンはそう言って、イネに近づいてくる。
「イネ!そいつから逃げろ!そいつは自分の意思で喋っていない。先の奴らと同じで暴走した魔力を感じる!」
ジャネットは旗で、イネ達のいる地を二人の間で断ち斬った。
「あ?こっちが機嫌よくなってたのによ。変な事してくれんなよ。顔がちょっといいだけのちんちくりん。」
「誰がちんちくりんだ!」
「ところで、君達、何かこの辺で見なかったかい?」
ジャネットは、攻撃的な口調で、牽制するように、答えた。
「我々は何も知らん!知っていたとて貴様に言うか!」
「あー、うぜぇな。君にはちょっと痛い目見てもらおうかな。」
(いや、こいつの場合、正史だと民衆を傷つけられるのが嫌だったか?)
「まぁ、見とけ。」
その瞬間、フリードマンの周りに岩が舞う。そして、時空が歪みイネ達からは歪んで見えるようになる。
『母なる大地よ、父なる空よ、我に力を与えたまえ!嗚呼時空よ我の糧となれ!重力の暴力!』
イネは、自分に何か教えてくれるのかと、純粋にそう思いながらそちらを見ていた。
(フリードマンさん、何をしているんだ。あっちは、ジャネットさんの村の方・・・)
グララララララ!
大地が揺れ始める。そして、木の幹が割れるような音と共に地面にヒビがが入っていく。そして、爆音と共に大地が割れた。轟音が空気を震わせ、肌でその恐ろしさを感じさせる。
綺麗な金髪が、逆立っていく。
「貴様ァ!ふざけやがって!」
街からは、悲鳴が鳴り止まない。
「助けて!お母さん!」
「早く手を伸ばすんだ!」
「こっちは、火事だ。水を頼む。」
「痛いよ!」
悲痛な叫びがイネ達の下まで聞こえてきた。
「次、何か挑発するような事したら、もう一発いくからね。って、あれ?どこだ。」
すでに、下にはジャネットの姿はなかった。忽ち、フリードマンの前に現れ、青い帆の付いた旗を振りかざす。
「おっと、危ない」
金属のぶつかる音が聞こえる。彼は岩の塊でその攻撃を止めていた。
「はあぁぁぁぁ!!」
ジャネットは雄叫びを上げながら力を込めていく。
防御に使っている岩の下にフリードマンの顔が覗いている。
「なぜ、罪の無いものに危害を加える!」
「君がやったんだろ、あいつら。それと同じ事だ。こっちの正義を執行したまでだ。」
「あいつら?」
「ちょっと前に、やってくれたでしょ、君。結構な人数いたからね、それをウチのトップが許してなくてね。」
「トップ?誰の事だ!」
「おっと、これ以上は言えねぇや。」
そして、少し離れた所から見ていたイネにその少女は呼びかける。
「イネよ!スレイプニルと共に民衆を助けよ!隣街に避難させるのだ!」
イネには、理解できなかった。
(フリードマンは、あんな事をするような人じゃない。何だ、何が起こっている。全然分かんねぇよ!)
「イネ!聞いているのか!早く乗れ!ええい、スレイプニル、彼を連れて街まで行け!」
その白馬は、放心状態の少年を背に乗せ、街まで連れて行く。その間、その少年は、あれは本当のフリードマンではないと自分に言い聞かせていた。
(だって、フリードマンは自分の発明品に・・・)
まずは、すみませんでした!!
今回出てきたのはジャネットと架空の人物ですー。
次回、ジャネットはフリードマンに勝つことが出来るのか!フリードマンの真実とは?
「こんな偉人、武器が見たい!」等は、コメントにて募集しております!
「来い!スレイプニル!」
ヒヒーンと白馬が歪んだ時空から出てくる。イネはその事につい質問をする。
「これって、どこから出てきているんですか?召喚魔法とかあるんですか?」
「いや、これは魔法では無い。ビアタラモに来る前に直接会ってはいないが神にお告げを貰ってな。私のみこの馬を呼び出せると聞いた。どこから来ているのかは私も知らん。」
そう、この馬スレイプニルは現実世界には存在しない。神話上の生物である。この馬が、後に大きな事件の発端になるのはまた別のお話。
(なんであの馬、俺の方を睨んでくるんだよ)
そうして、向かっていると、とうとう件の場所へと辿り着いた。残っている物など無いかと思われたが、
(何だ、あれ?何か光ってるぞ。近ずいて見るか、)
イネが傍に寄るとそこにあったのは、
(アイスピック?!なんでこんなところに。まぁ、関係ないか。)
そんな事を思っていると、イネは急に体が浮くような感覚に襲われた。
(なんか、頭がフワフワするな。浮いてる感じだ。いや、浮いてる。)
「イネ!大丈夫か、どうしてそんな所にいる!」
しかし、これはイネに限ったことではなかった。
「ジャネットさんもですよ。って、この辺の土地一帯が浮いてる?!」
その地一帯が一枚岩の様に何枚も分かれて、空中に浮いていた。
(どうしてこんなことに、)
その時、長身の男性が木の影から出てくるのをイネ達は発見した。そしてその男性は、遠足にでも来たのかという無邪気な調子で喋りだした。
「あぁー、他の人間が居るなんて聞いてないよー。面倒くせぇ。まぁ、さっさと殺して取ってきますかー、あれ。」
イネは、その一枚岩のような地を、這いつくばって雑草を掴み、落ちないよう踏ん張っていた。ジャネットは、空を舞い続ける地の上を何枚も飛び越えイネのもとまでやってきている。そして、イネのいる地に飛び越えようとしたその時、薄平たい大地が直撃。そして、下に落とされた。
「チッ、、貴様何者だ。この魔力、明らかに一般人とは違うように思われる。そして、この能力、貴様も地球にいる時は、名を遺した人物なのであろう。」
(ジャネットさんは、知らないのか。あ、あの人は、)
長身の口髭を生やした男性が不気味な笑顔を作る。
「俺様の名前は、アストロ=フリードマン。あっちでは、、、」
イネも同時に口に出す。
「「民衆平和の請負人」」
今や、五十メートル程離れてしまった位置から声が聞こえた。
「イネ、知っているのか!」
「はい!アストロ=フリードマン。第一次世界大戦中に史上初めて、反重力物質を発明した人物です。彼は一切の権利を自分で独占し戦争の兵器としての使用を禁止し、戦時中の民衆の避難にのみそれを活かしました。今では、病院での機器の整備や埋込み型の医療器具には使われています。彼は民衆の平和を作る為、民衆の笑顔を作る為に活動したと言われています。彼がいなければ、現代の三十万世帯は、生き残っていないと言われています。」
調子が良さそうに、顎髭をなぞりながら喋り出す。
「よく知ってるね君、俺も嬉しいよ。」
歴史オタクのイネにとってこれは、常識中の常識。多くの人を助けた人物として、イネはかなり気に入っていた。
「会えて嬉しいです!これもフリードマンさんの能力なんですね」
イネは気持ちが昂っていた。
「あー、そうだよー」
「なんの用でここまで?」
「あー、気になっちゃうよなぁ。それ。まぁ、言えないんだけど。簡潔に言うなら、探し物かな?」
フリードマンはそう言って、イネに近づいてくる。
「イネ!そいつから逃げろ!そいつは自分の意思で喋っていない。先の奴らと同じで暴走した魔力を感じる!」
ジャネットは旗で、イネ達のいる地を二人の間で断ち斬った。
「あ?こっちが機嫌よくなってたのによ。変な事してくれんなよ。顔がちょっといいだけのちんちくりん。」
「誰がちんちくりんだ!」
「ところで、君達、何かこの辺で見なかったかい?」
ジャネットは、攻撃的な口調で、牽制するように、答えた。
「我々は何も知らん!知っていたとて貴様に言うか!」
「あー、うぜぇな。君にはちょっと痛い目見てもらおうかな。」
(いや、こいつの場合、正史だと民衆を傷つけられるのが嫌だったか?)
「まぁ、見とけ。」
その瞬間、フリードマンの周りに岩が舞う。そして、時空が歪みイネ達からは歪んで見えるようになる。
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イネは、自分に何か教えてくれるのかと、純粋にそう思いながらそちらを見ていた。
(フリードマンさん、何をしているんだ。あっちは、ジャネットさんの村の方・・・)
グララララララ!
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「貴様ァ!ふざけやがって!」
街からは、悲鳴が鳴り止まない。
「助けて!お母さん!」
「早く手を伸ばすんだ!」
「こっちは、火事だ。水を頼む。」
「痛いよ!」
悲痛な叫びがイネ達の下まで聞こえてきた。
「次、何か挑発するような事したら、もう一発いくからね。って、あれ?どこだ。」
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金属のぶつかる音が聞こえる。彼は岩の塊でその攻撃を止めていた。
「はあぁぁぁぁ!!」
ジャネットは雄叫びを上げながら力を込めていく。
防御に使っている岩の下にフリードマンの顔が覗いている。
「なぜ、罪の無いものに危害を加える!」
「君がやったんだろ、あいつら。それと同じ事だ。こっちの正義を執行したまでだ。」
「あいつら?」
「ちょっと前に、やってくれたでしょ、君。結構な人数いたからね、それをウチのトップが許してなくてね。」
「トップ?誰の事だ!」
「おっと、これ以上は言えねぇや。」
そして、少し離れた所から見ていたイネにその少女は呼びかける。
「イネよ!スレイプニルと共に民衆を助けよ!隣街に避難させるのだ!」
イネには、理解できなかった。
(フリードマンは、あんな事をするような人じゃない。何だ、何が起こっている。全然分かんねぇよ!)
「イネ!聞いているのか!早く乗れ!ええい、スレイプニル、彼を連れて街まで行け!」
その白馬は、放心状態の少年を背に乗せ、街まで連れて行く。その間、その少年は、あれは本当のフリードマンではないと自分に言い聞かせていた。
(だって、フリードマンは自分の発明品に・・・)
まずは、すみませんでした!!
今回出てきたのはジャネットと架空の人物ですー。
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