【kindleでリメイク版発売中】VTuber・オンライン・シンフォニア ~限界オタク系個人勢底辺配信者がVRゲームで敏捷値極振り×弓使い~

ナイカナ・S・ガシャンナ

文字の大きさ
114 / 123
第五章 プレイ十三日目・後

#101 針山地獄と空飛ぶ私

しおりを挟む
くぞ! ――【影渡カゲワタリカサネ】!』

 シリウスが連続高速移動を開始する。この技を前に目で追う行為は無意味だ。それに、最後には標的わたしに向かって突っ込んでくる事は確定している。だから、ランダム移動が終わる直前の位置、それを把握している事が肝要になる。

「左後ろ!」

 後方左側に立ったシリウスを注視する。最後の移動はそこからとなる。ならば、そこにカウンターを打ち込めば良い。そう思って右ストレートを打ち出した。

『――【影渡カゲワタリ】』

 だが、その程度の対処はシリウスの想定内だった。私の眼前に立つと同時にスキルを発動。更にもう一歩移動する。私の右ストレートを躱し、右脇腹に現れる。脇の下は人体急所の一つだ。そこを突いて【殺意の証】を発動させようという魂胆なのだろう。
 けれど、その移動すらも私は読んでいた。

「しっ!」
『ぬっ!』

 左踵で回し蹴りを放つ。私を刺す態勢に入っていた為、シリウスは防御が遅れ、左側頭部に踵を受けた。更には人体急所であるこめかみに命中したからか、赤黒い光が迸った。【殺意の兆し】だ。
 体勢を崩したシリウスがそのまま床に倒れる。――否!

『――【影抉カゲエグリゴク】!』

 床に倒れたのではない。スキルを発動する為に床に触れたのだ。
 足元の影全てが槍と化し、天に向かって突き出る。足の踏み場もなく刺してくる光景はまさしく針山地獄の再現だ。
 全範囲を攻撃する技を前に回避は不可能だ。……上に逃げる以外には。

『貰ったぞ――!』

 咄嗟に跳躍した私はどうにか影槍を躱す事は出来た。けれど、宙に浮いた事で身動きが取れなくなってしまった。霧散する影槍の中、シリウスが落下する私に向けて短剣を突く。
 今までの私だったらそのまま為すすべなく刺されていただろう。けれど、今の私は違う。私にはこの靴がある。

「――【浮遊】!」
『何!?』

 空中を蹴り、落下する事なく短剣を躱す。
八目星やつめぼしの浮遊靴】の効果だ。幽霊ゴーストタイプのエネミーは全種、この【浮遊】のスキルを持っている。幽霊は空中をふよふよと移動するものだから持っていて当然といえば当然だ。
 この靴に埋め込まれた八つの【大呪魂】が幽霊以上に重いもの――人間さえも【浮遊】させる。

「やあ――っ!」

 躱した姿勢から宙返りをして、シリウスの両肩に矢を打ち込む。短剣が私を追うが、空中を跳ねる私に届きはしなかった。
 空中を駆けて助走距離を作り、そこから一気にシリウスに向かって疾駆する。この身こそが矢の如く、超加速した私の一撃でシリウスの胸部を穿つ。その威力にシリウスの体が耐えられず後退ノックバックする。

『ぐぬぁあああああっ!』
「まだまだぁ!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

ゲーム内転移ー俺だけログアウト可能!?ゲームと現実がごちゃ混ぜになった世界で成り上がる!ー

びーぜろ
ファンタジー
ブラック企業『アメイジング・コーポレーション㈱』で働く経理部員、高橋翔23歳。 理不尽に会社をクビになってしまった翔だが、慎ましい生活を送れば一年位なら何とかなるかと、以前よりハマっていたフルダイブ型VRMMO『Different World』にダイブした。 今日は待ちに待った大規模イベント情報解禁日。その日から高橋翔の世界が一変する。 ゲーム世界と現実を好きに行き来出来る主人公が織り成す『ハイパーざまぁ!ストーリー。』 計画的に?無自覚に?怒涛の『ざまぁw!』がここに有る! この物語はフィクションです。 ※ノベルピア様にて3話先行配信しておりましたが、昨日、突然ログインできなくなってしまったため、ノベルピア様での配信を中止しております。

処理中です...