2 / 15
巫女が来たと思ったら男だった
しおりを挟む
口を僅かに開いたまま意識を失った要に、陽王は口づけた。
「ん……」
吐息で生きていることを確認した陽王は、笑いながら要をベッドに寝かせて、もう一度腰を動かしはじめた。
「陽王、儀式は終わりましたよ」
咎める夜都の声を無視する。先ほどまで動くのが困難だった締め付けから解放された陽王は、要の中を愉しんだ。
「足りぬ」
乾いた大地を潤すには、まだまだ足りない。
「うわぁ、巫女(アメフラシ)可哀想……」
雨で顔にへばりついた要の髪を美海は後ろに撫でつけた。
「夜都、儀式の終了を宣言しろ」
「陽王、部屋に運んでからやったら? こんな小さな子、風邪をひくわよ」
「そうだな。もう一度注いでから、部屋であっためてやろう」
「あんた、鬼畜ね。やだやだ、こんな男が相手だなんて……」
そう言いながらも美海も夜都も止めない。巫女(アメフラシ)の全ては担当の祭司次第だと決められているからだ。雨さえ降らせば文句を言われることはない。
夜都が手を上げると観衆は静まりかえった。夜都が厳かに宣言する。
「異世界から召喚された巫女(アメフラシ)がメリルラシュ国に降臨し、今、陽王との契約を済ませた」
人々が歓声をあげる中、陽王はもう一度要の中に欲望を注いだ。
身体を離すと零れた白濁が雨に交じって落ちていく。それを見て、何故か陽王は再度兆した。さすがにここでもう一度というわけにもいかない。小さな身体はいかにもひ弱そうだ。
「巫女(アメフラシ)など、雨を降らすだけの存在だと思っていたが……」
陽王は気絶した要をあらかじめ用意していた巫女(アメフラシ)のための部屋でなく、自分の部屋へ連れて帰った。驚く侍女たちに要の世話を任せ、祭司としての仕事に戻る。
巫女というだけあって、本来異世界からやってくるのは女のはずだった。今まで例外なく巫女だったのだ。それを審議するために祭司を務める七家の長と祭司が集まったが、特に理由が見つかるわけでもなく、雨を降らせたのだからいいだろうと話は終わった。
陽王は、意味のない話し合いを済ませて部屋に戻った。夜明けに行われた儀式のせいで、疲れているはずだが妙に気分が高揚していた。久しぶりに雨が降ったからかもしれない。
前回の巫女(アメフラシ)は三人の祭司を手玉にとって、一年ほどで帰って行った。祭司を務めていなかった陽王にすらすり寄る巫女(アメフラシ)は、悲しみや怒りなど雨を降らせる要素をさっさと手放し、悦楽を貪った。それでも雨を降らせている間はよかったが、あっという間に雨も降らなくなり、三人も祭司がつまみ食いされたお陰で予定のなかった陽王に祭司がまわってきた。名誉が回復したと喜ぶ一族のものたちには悪いが、陽王は巫女(アメフラシ)を奉る気はなかった。
お互いに気持ちよくなって雨が降ればそれでいい。どうせ相手は数年で帰って行くのだ。
「陽王、昼食をご用意しております」
「ああ。巫女(アメフラシ)は目醒めたか?」
あの感情的な碧い目を思い出すと、何故か楽しい気分になる。身体の相性がいいこともそうだが、意志の強そうな顔が陽王の心をくすぐる。
「いえ、巫女(アメフラシ)は眠られたままでございます」
「そうか――」
昼食を軽くとって、陽王は寝室に足を踏み入れた。巫女(アメフラシ)は、すやすやと子供のように無邪気に見える顔で眠っていた。
やはり、女には見えない。もちろんやることをやったので、男だということはわかっている。ただ、神が巫女(アメフラシ)に選ぶものは年の割に幼いものばかりだ。巫女(アメフラシ)の年齢を聞いてはいないが、成人しているはずなのに十代の半ば、下手をするともっと幼く見える。身長も陽王の胸くらいしかないし、細い。強く拘束すれば、薄い黄色の肌はたやすく鬱血してしまう。
祭司の集まりでも今まで巫女(アメフラシ)と呼ばれた巫女に男がいなかったという事が議題に上がった。結論は、神の考えを人である自分達が推し量ることは畏れ多いという体(てい)で、成り行き任せだ。
間違いだったとしても、陽王はこの生意気な口と蕩けるような身体を持つ巫女(アメフラシ)で良かったと思った。先代のような巫女(アメフラシ)では幻滅以外の感情を抱くことなどできなかったに違いない。
硬い抱き心地、嫌だとしか言わない嬌声、生意気な口調のどこがいいのかわからない。先代巫女(アメフラシ)に翻弄された祭司たちにはよくアレで勃ったなと言われた。儀式の時、後ろにいた祭司は愚かにも惑わされた男たちだ。
「他の男を惑わす必要などないものを」
巫女(アメフラシ)は、唯一選ばれた祭司にだけ身体を任せていればいいのだ。
寝返りを打った巫女(アメフラシ)を抱き寄せると、意識のないまままるで恋人のようにしがみついてきた。いや、母を恋しがる子供のように……かもしれない。柔らかい頬は、まだ男と言うにはあどけなく、きっと元の世界を思って泣くだろう。
それが、この呪われた地を潤す。
陽王はすっぽりと自分の隙間に収まる身体を抱きしめて、どうせなら自分を想って泣けばいいと思った。
温かい体温は、疲れた陽王を眠りに誘(いざな)う。眠りの浅い陽王が、この日はぐっすりと夢も見ず眠りを貪った。
「うわぁ! 何で……」
要が目を醒ますと、そこには外人さんがいた。金髪で碧い目で百八十センチ以上身長がある。いや、二メートルは超えてるんじゃないだろうか。
「起きたか……。お子様は起きるのが早いんだな」
要の声に気付いて目を開けた陽王は少し眠そうにそう言った。
「何で、服を着てないんだ! まだやる気かよ!」
起き上がってズリズリと後ろに下がった要は、鎖骨の下をポンと押されて転がった。
「やりたいなら相手をするが?」
まるで要が望んでいるかのような台詞に目を剥く。
「やりたいわけないだろ! 無茶苦茶やりやがって――」
要が陽王の腹を蹴ろうと脚を上げると、ビキッとあちこちが痛んだ。
「痛っ!」
「痛むのか」
「痛まないわけがないだろ!」
要が叫ぶと窓の外から雨の音が聞こえ始めて、否が応でも昨日のことをまざまざと思い出させられた。
「泣きたいほど痛いなら、薬を塗ってやろうか」
真面目な顔で要の顎を持ち上げる。
「薬?」
陽王は、どこにと息を飲んだ要に口づけた。
覆い被さってきた陽王から逃げようとしても、重い身体がのし掛かっているせいで身動きできない。
「大事な巫女(アメフラシ)だ。尻だろうと、性器だろうと丁寧に塗ってやるが?」
「あんたのせいだろ!」
「だから塗ってやると言ってるんだ」
要が顔を背けると、それ以上は追ってこなかった。
「いらない! 離せよ」
「朝からうるさいことだ。薬を塗らなくていいなら、食事にするが」
「いらない! 一人で食べればいいだろ」
「朝、祭司は巫女(アメフラシ)と食事をとることになっているんだ。決まりだ。いらないのか?」
余程疲れたのか、要は丸一日以上寝ていたことになる。昼過ぎに寝た陽王も時計を見て驚いていた。
「いらない!」
要が叫ぶと反論するように腹が鳴った。
「お前は身体のほうが正直だな」
笑われて、要はそれ以上喋りたくないと口を閉ざした。
ここに来た時に着ていたパジャマは綺麗に乾かされてベッドの横に置かれていた。それを身につける。要はパジャマという簡素な格好だったが、陽王は何も言わないのでそのままついていった。
陽王や祭司が着ていた服は、どこかの民族衣装に似ていた。漫画だったか映像だったかも覚えていないが。要は服には詳しくないので、それっぽいとしか思わなかったが、違う意味で別の世界の人間だなと思う。
陽王は寝室では喋っていたのに、食事をする部屋につくと、表情を消した。
怒った要が喋らないので、途端にシンと静まり返った部屋の中で食器の音だけが響く。要は居心地が悪いと思いながら食べることに集中した。
食事は悪くなかった。パンと、卵やソーセージ、野菜のサラダなど普段要が食べていたものと変わらない。多少の違いはあっても文句を言うほどではなかった。異世界だから何を食べるのだろうかと心配していたのに、少し気が抜けた。
「巫女(アメフラシ)、食事はお口にあいましたか?」
祭司は全員男だったけれど、侍女らしき人たちは女性だけだった。女性と言っても要より背が高い。似た系統の服を着ている。
巨人の世界に迷い込んだみたいだと要は思った。
「……美味しいです」
「良かったですわ。歴代の巫女(アメフラシ)の要望に応えるうちに城の食事はとても美味しくなったのですよ」
道理で、同じような朝ご飯だと思った。醤油があるから、もしかして皆日本人だったのだろうか。
「私は仕事がある。美海のものたちに世話を任せている。ゆっくり休むといい」
陽王はあっという間に食べ終えて、要を置いて部屋を出ていった。
要は少し気が抜けて、箸を置いた。
そういえば、箸も歴代の巫女(アメフラシ)が伝えたものなのだろうか。
「巫女(アメフラシ)は、……皆、雨を降らせるために呼ばれて来たんですか?」
「そうです。大体二、三年に一度に巫女(アメフラシ)が交代するのです」
二年や三年に一度行方不明者がでるというのも酷い話だ。
「皆、あんな無理矢理、セッ儀式……をされるんですか?」
何が行われているか知っているのかと聞くと、侍女たちは顔を曇らせた。
「巫女(アメフラシ)には申し訳なく思っております」
侍女の中で一番背の高い人と目が合った。その瞬間、恥じるように目を伏せたけれど、次に目を合わせた時には静かな目をしていた。
「しかたの無いことだと思っているのですね」
「巫女(アメフラシ)が心地よく過ごされるよう、お仕えいたします」
要にはそれが上辺だけの誤魔化しや同情に思えた。
「ご馳走様でした」
何故かお腹が一杯になった。お腹も空いているし、まだ残っているのに、あまり食べたいと思えない。
部屋まで道案内してくれた侍女は「ご用がありましたら、部屋の呼び鈴を鳴らしてください」と言って、出ていった。
側で見張られるのではないかと思っていたのでホッとした。
特にすることがなくて、要は寝台の上にゴロンと転がった。
「せっかく合格したのにな。二、三年も経ったら、もう復学できないだろうな」
入学の為に買ってもらった学用品が無駄になってしまった。
雨は降り止まない。要は、それが嫌だった。この世界の人達が、要が泣いていることを知っているのだ。そして、泣いてくれて助かると思っている。
要は、昔から泣きたい時は奥歯を噛みしめて耐えていた。それが通じないのだ。要にとって知られたくないことでも関係なく雨が降る。
「食事もとらずにずっと寝ていたのか」
多分夜の八時くらい、陽王が帰ってきて目が覚めた。あれだけ寝たにも関わらず、何故だか眠い。
昼にも何度か侍女が心配して食事をもって来てくれた。それをつつく程度には食べたのに、非難される謂れはない。
「ゆっくりしろって言っただろ」
呆れたような声に苛立って、要は反射的に応えた。
「眠るのは構わないが、食事くらいしろ。ただでさえ、ガリガリで抱き心地が良くないのに、これ以上痩せては愉しめない」
ヒクッと頬が揺れた。
「儀式は終わったんじゃ……」
「まさか、あれだけだと思っていたのか」
驚いたと言わんばかりの陽王を要は呆気にとられて見上げた。
逃げないと――。
要はとっさに窓の外を見た。どんよりした曇り空しか目に映らない。
帰れないのか? 本当に? 巫女(アメフラシ)と呼ばれる者が二、三年で帰れるのなら、きっと帰る方法があるはずだ。
要は思わず陽王を睨みつけた。
この男は、要を帰してくれないだろう。きっと要がお払い箱になるまで、自分の欲か、国のために抱き続けるはずだ。
逃げるためには知識が必要だ。他の人なら、まだ何か……。要が陽王の隙をつくためにはどうすればいい。
「……あれで終わりだと思っていた」
どうすればこの男を油断させられるのかと要は必死に考えを巡らせた。浮かぶ案は、あまりに陳腐で、こういうときに必要な知識がない。そんなもの、受験には必要なかったのだ。
「そうか。残念だが、お前を抱くことになるのだろう。今までの巫女(アメフラシ)は大体二、三ヶ月で涙を出さなくなる。その後は、抱かれて悦楽の涙を流す」
「え、悦楽?」
要は呟いてから絶句した。言葉の意味を知ってはいても現実に聞くことがあるとは思っていなかった言葉だ。
「巫女(アメフラシ)は祭司と相性のいいものがやってくる。初めての時もよかっただろう?」
「薬をつかってだろ」
「薬は最初しか使わん。あれはどちらかというと、心を落ち着ける為のものだ。感覚に正直になる効果が
ある。儀式自体は場を整え、人々を興奮に導き、その力を魔法に応用したものだがな」
善がり狂うとかそんな薬でなかったということに要は安堵した。
「正直に……」
「気持ちがいいとか、そういう感情だ」
「欺瞞だ」
「……確かに。だが、どうせ召喚されて儀式を受けなければならないのなら、縛られ苦痛に怯えながら無理矢理抱かれるよりはマシじゃないか」
何故だか陽王の言葉は要を思いやってるように聞こえた。そんなはずがないのに。
「俺は……、やりたくない」
泣きたくなる。愛されるでもなく、愛するでもないただの務めとして男に抱かれる。この世界に生きる人全てが望んでいるとわかっていて、口に出した。
「この世界を道連れとするか」
ヒュッっと喉が鳴った。
「そんなことっ!」
俺のせいじゃない。
「お前のその目を見ていると……」
自分自身を憐れむ要の目は、強者である陽王からすればさぞかしみっともなく映るだろう。
遠くから雷の音が聞こえる。
「なんだよ」
「蕩けさせたくなる――」
「ば!」
馬鹿だろ! と叫んだ声は、陽王の口の中に消えた。
「ば?」
笑いながら、陽王は要の両手を寝台に縫い止めた。痛みはないけれど、身動きができなくてもがいた。身体で要の動きを抑制して、陽王は何度も口づけてくる。舌が絡み、唾が飲み込めなくて噎せた。
「馬鹿だ……、あんたは本当に変態だよ」
「生意気なことしか言わない口だな」
要は身体を強張らせた。不意に記憶が蘇る。
『生意気なのは誰の躾が悪いんだ!』
殴られた母の嗚咽が聞こえた。幻聴だとわかっているのに、心臓のあたりが痛い。
思い出さないようにしていた父親の声を思い出した。父親は家で暴力をふるう男だった。
要や母を『生意気だ』と言って何度もなぐった。
母が、法の力を借りて離婚したとき、要は安堵して母と喜んだ。
「嫌だ……」
か細い声で要は嫌々と頭を振った。
母は要が小学校に入る頃、優しい男性と再婚して、二人の間には女の子が出来た。要も妹ができて嬉しかった。ところが母は、無意識にだが成長すると共に父親に似てきた要を避けるようになった。仕方がないことだと自分に言い聞かせた。母が幸せになって良かったと要は思っている。それでも家が自分の居場所でないと知ることは辛いことだった。早く大人になって家を出たいと願っていた。
「拒むな。熱がある。食欲がないのもそのせいだ」
陽王は要を抱きしめ、額にキスをした。
「なんで……」
要をあやすような仕草に、胸の奥が熱くなった。
雷は遠ざかり、けれど雨の音は聞こえた。シトシトと植物が求める恵みの雨だと要は思った。
きっと母は、要がいなくなってホッとしているだろうと思った。要は雨の音を聞きながらそう思った。
「知恵熱だ。そなたはまだ幼い」
「知恵熱……」
陽王は要を寝かしつけて、額を冷やしてくれた。
暴君のように見えたのに、優しさもあるのかと思って『違う』と緩く頭を振った。
要が巫女(アメフラシ)で、巫女(アメフラシ)が必要だから親切にしてくれるだけだ。陽王も侍女達も皆同じ。
逃げよう、逃げるために必要なことを探すのだ。従順な振りをして、知識を蓄え、この世界を去る。
要は高熱に喘ぎながら、決意した。
「ん……」
吐息で生きていることを確認した陽王は、笑いながら要をベッドに寝かせて、もう一度腰を動かしはじめた。
「陽王、儀式は終わりましたよ」
咎める夜都の声を無視する。先ほどまで動くのが困難だった締め付けから解放された陽王は、要の中を愉しんだ。
「足りぬ」
乾いた大地を潤すには、まだまだ足りない。
「うわぁ、巫女(アメフラシ)可哀想……」
雨で顔にへばりついた要の髪を美海は後ろに撫でつけた。
「夜都、儀式の終了を宣言しろ」
「陽王、部屋に運んでからやったら? こんな小さな子、風邪をひくわよ」
「そうだな。もう一度注いでから、部屋であっためてやろう」
「あんた、鬼畜ね。やだやだ、こんな男が相手だなんて……」
そう言いながらも美海も夜都も止めない。巫女(アメフラシ)の全ては担当の祭司次第だと決められているからだ。雨さえ降らせば文句を言われることはない。
夜都が手を上げると観衆は静まりかえった。夜都が厳かに宣言する。
「異世界から召喚された巫女(アメフラシ)がメリルラシュ国に降臨し、今、陽王との契約を済ませた」
人々が歓声をあげる中、陽王はもう一度要の中に欲望を注いだ。
身体を離すと零れた白濁が雨に交じって落ちていく。それを見て、何故か陽王は再度兆した。さすがにここでもう一度というわけにもいかない。小さな身体はいかにもひ弱そうだ。
「巫女(アメフラシ)など、雨を降らすだけの存在だと思っていたが……」
陽王は気絶した要をあらかじめ用意していた巫女(アメフラシ)のための部屋でなく、自分の部屋へ連れて帰った。驚く侍女たちに要の世話を任せ、祭司としての仕事に戻る。
巫女というだけあって、本来異世界からやってくるのは女のはずだった。今まで例外なく巫女だったのだ。それを審議するために祭司を務める七家の長と祭司が集まったが、特に理由が見つかるわけでもなく、雨を降らせたのだからいいだろうと話は終わった。
陽王は、意味のない話し合いを済ませて部屋に戻った。夜明けに行われた儀式のせいで、疲れているはずだが妙に気分が高揚していた。久しぶりに雨が降ったからかもしれない。
前回の巫女(アメフラシ)は三人の祭司を手玉にとって、一年ほどで帰って行った。祭司を務めていなかった陽王にすらすり寄る巫女(アメフラシ)は、悲しみや怒りなど雨を降らせる要素をさっさと手放し、悦楽を貪った。それでも雨を降らせている間はよかったが、あっという間に雨も降らなくなり、三人も祭司がつまみ食いされたお陰で予定のなかった陽王に祭司がまわってきた。名誉が回復したと喜ぶ一族のものたちには悪いが、陽王は巫女(アメフラシ)を奉る気はなかった。
お互いに気持ちよくなって雨が降ればそれでいい。どうせ相手は数年で帰って行くのだ。
「陽王、昼食をご用意しております」
「ああ。巫女(アメフラシ)は目醒めたか?」
あの感情的な碧い目を思い出すと、何故か楽しい気分になる。身体の相性がいいこともそうだが、意志の強そうな顔が陽王の心をくすぐる。
「いえ、巫女(アメフラシ)は眠られたままでございます」
「そうか――」
昼食を軽くとって、陽王は寝室に足を踏み入れた。巫女(アメフラシ)は、すやすやと子供のように無邪気に見える顔で眠っていた。
やはり、女には見えない。もちろんやることをやったので、男だということはわかっている。ただ、神が巫女(アメフラシ)に選ぶものは年の割に幼いものばかりだ。巫女(アメフラシ)の年齢を聞いてはいないが、成人しているはずなのに十代の半ば、下手をするともっと幼く見える。身長も陽王の胸くらいしかないし、細い。強く拘束すれば、薄い黄色の肌はたやすく鬱血してしまう。
祭司の集まりでも今まで巫女(アメフラシ)と呼ばれた巫女に男がいなかったという事が議題に上がった。結論は、神の考えを人である自分達が推し量ることは畏れ多いという体(てい)で、成り行き任せだ。
間違いだったとしても、陽王はこの生意気な口と蕩けるような身体を持つ巫女(アメフラシ)で良かったと思った。先代のような巫女(アメフラシ)では幻滅以外の感情を抱くことなどできなかったに違いない。
硬い抱き心地、嫌だとしか言わない嬌声、生意気な口調のどこがいいのかわからない。先代巫女(アメフラシ)に翻弄された祭司たちにはよくアレで勃ったなと言われた。儀式の時、後ろにいた祭司は愚かにも惑わされた男たちだ。
「他の男を惑わす必要などないものを」
巫女(アメフラシ)は、唯一選ばれた祭司にだけ身体を任せていればいいのだ。
寝返りを打った巫女(アメフラシ)を抱き寄せると、意識のないまままるで恋人のようにしがみついてきた。いや、母を恋しがる子供のように……かもしれない。柔らかい頬は、まだ男と言うにはあどけなく、きっと元の世界を思って泣くだろう。
それが、この呪われた地を潤す。
陽王はすっぽりと自分の隙間に収まる身体を抱きしめて、どうせなら自分を想って泣けばいいと思った。
温かい体温は、疲れた陽王を眠りに誘(いざな)う。眠りの浅い陽王が、この日はぐっすりと夢も見ず眠りを貪った。
「うわぁ! 何で……」
要が目を醒ますと、そこには外人さんがいた。金髪で碧い目で百八十センチ以上身長がある。いや、二メートルは超えてるんじゃないだろうか。
「起きたか……。お子様は起きるのが早いんだな」
要の声に気付いて目を開けた陽王は少し眠そうにそう言った。
「何で、服を着てないんだ! まだやる気かよ!」
起き上がってズリズリと後ろに下がった要は、鎖骨の下をポンと押されて転がった。
「やりたいなら相手をするが?」
まるで要が望んでいるかのような台詞に目を剥く。
「やりたいわけないだろ! 無茶苦茶やりやがって――」
要が陽王の腹を蹴ろうと脚を上げると、ビキッとあちこちが痛んだ。
「痛っ!」
「痛むのか」
「痛まないわけがないだろ!」
要が叫ぶと窓の外から雨の音が聞こえ始めて、否が応でも昨日のことをまざまざと思い出させられた。
「泣きたいほど痛いなら、薬を塗ってやろうか」
真面目な顔で要の顎を持ち上げる。
「薬?」
陽王は、どこにと息を飲んだ要に口づけた。
覆い被さってきた陽王から逃げようとしても、重い身体がのし掛かっているせいで身動きできない。
「大事な巫女(アメフラシ)だ。尻だろうと、性器だろうと丁寧に塗ってやるが?」
「あんたのせいだろ!」
「だから塗ってやると言ってるんだ」
要が顔を背けると、それ以上は追ってこなかった。
「いらない! 離せよ」
「朝からうるさいことだ。薬を塗らなくていいなら、食事にするが」
「いらない! 一人で食べればいいだろ」
「朝、祭司は巫女(アメフラシ)と食事をとることになっているんだ。決まりだ。いらないのか?」
余程疲れたのか、要は丸一日以上寝ていたことになる。昼過ぎに寝た陽王も時計を見て驚いていた。
「いらない!」
要が叫ぶと反論するように腹が鳴った。
「お前は身体のほうが正直だな」
笑われて、要はそれ以上喋りたくないと口を閉ざした。
ここに来た時に着ていたパジャマは綺麗に乾かされてベッドの横に置かれていた。それを身につける。要はパジャマという簡素な格好だったが、陽王は何も言わないのでそのままついていった。
陽王や祭司が着ていた服は、どこかの民族衣装に似ていた。漫画だったか映像だったかも覚えていないが。要は服には詳しくないので、それっぽいとしか思わなかったが、違う意味で別の世界の人間だなと思う。
陽王は寝室では喋っていたのに、食事をする部屋につくと、表情を消した。
怒った要が喋らないので、途端にシンと静まり返った部屋の中で食器の音だけが響く。要は居心地が悪いと思いながら食べることに集中した。
食事は悪くなかった。パンと、卵やソーセージ、野菜のサラダなど普段要が食べていたものと変わらない。多少の違いはあっても文句を言うほどではなかった。異世界だから何を食べるのだろうかと心配していたのに、少し気が抜けた。
「巫女(アメフラシ)、食事はお口にあいましたか?」
祭司は全員男だったけれど、侍女らしき人たちは女性だけだった。女性と言っても要より背が高い。似た系統の服を着ている。
巨人の世界に迷い込んだみたいだと要は思った。
「……美味しいです」
「良かったですわ。歴代の巫女(アメフラシ)の要望に応えるうちに城の食事はとても美味しくなったのですよ」
道理で、同じような朝ご飯だと思った。醤油があるから、もしかして皆日本人だったのだろうか。
「私は仕事がある。美海のものたちに世話を任せている。ゆっくり休むといい」
陽王はあっという間に食べ終えて、要を置いて部屋を出ていった。
要は少し気が抜けて、箸を置いた。
そういえば、箸も歴代の巫女(アメフラシ)が伝えたものなのだろうか。
「巫女(アメフラシ)は、……皆、雨を降らせるために呼ばれて来たんですか?」
「そうです。大体二、三年に一度に巫女(アメフラシ)が交代するのです」
二年や三年に一度行方不明者がでるというのも酷い話だ。
「皆、あんな無理矢理、セッ儀式……をされるんですか?」
何が行われているか知っているのかと聞くと、侍女たちは顔を曇らせた。
「巫女(アメフラシ)には申し訳なく思っております」
侍女の中で一番背の高い人と目が合った。その瞬間、恥じるように目を伏せたけれど、次に目を合わせた時には静かな目をしていた。
「しかたの無いことだと思っているのですね」
「巫女(アメフラシ)が心地よく過ごされるよう、お仕えいたします」
要にはそれが上辺だけの誤魔化しや同情に思えた。
「ご馳走様でした」
何故かお腹が一杯になった。お腹も空いているし、まだ残っているのに、あまり食べたいと思えない。
部屋まで道案内してくれた侍女は「ご用がありましたら、部屋の呼び鈴を鳴らしてください」と言って、出ていった。
側で見張られるのではないかと思っていたのでホッとした。
特にすることがなくて、要は寝台の上にゴロンと転がった。
「せっかく合格したのにな。二、三年も経ったら、もう復学できないだろうな」
入学の為に買ってもらった学用品が無駄になってしまった。
雨は降り止まない。要は、それが嫌だった。この世界の人達が、要が泣いていることを知っているのだ。そして、泣いてくれて助かると思っている。
要は、昔から泣きたい時は奥歯を噛みしめて耐えていた。それが通じないのだ。要にとって知られたくないことでも関係なく雨が降る。
「食事もとらずにずっと寝ていたのか」
多分夜の八時くらい、陽王が帰ってきて目が覚めた。あれだけ寝たにも関わらず、何故だか眠い。
昼にも何度か侍女が心配して食事をもって来てくれた。それをつつく程度には食べたのに、非難される謂れはない。
「ゆっくりしろって言っただろ」
呆れたような声に苛立って、要は反射的に応えた。
「眠るのは構わないが、食事くらいしろ。ただでさえ、ガリガリで抱き心地が良くないのに、これ以上痩せては愉しめない」
ヒクッと頬が揺れた。
「儀式は終わったんじゃ……」
「まさか、あれだけだと思っていたのか」
驚いたと言わんばかりの陽王を要は呆気にとられて見上げた。
逃げないと――。
要はとっさに窓の外を見た。どんよりした曇り空しか目に映らない。
帰れないのか? 本当に? 巫女(アメフラシ)と呼ばれる者が二、三年で帰れるのなら、きっと帰る方法があるはずだ。
要は思わず陽王を睨みつけた。
この男は、要を帰してくれないだろう。きっと要がお払い箱になるまで、自分の欲か、国のために抱き続けるはずだ。
逃げるためには知識が必要だ。他の人なら、まだ何か……。要が陽王の隙をつくためにはどうすればいい。
「……あれで終わりだと思っていた」
どうすればこの男を油断させられるのかと要は必死に考えを巡らせた。浮かぶ案は、あまりに陳腐で、こういうときに必要な知識がない。そんなもの、受験には必要なかったのだ。
「そうか。残念だが、お前を抱くことになるのだろう。今までの巫女(アメフラシ)は大体二、三ヶ月で涙を出さなくなる。その後は、抱かれて悦楽の涙を流す」
「え、悦楽?」
要は呟いてから絶句した。言葉の意味を知ってはいても現実に聞くことがあるとは思っていなかった言葉だ。
「巫女(アメフラシ)は祭司と相性のいいものがやってくる。初めての時もよかっただろう?」
「薬をつかってだろ」
「薬は最初しか使わん。あれはどちらかというと、心を落ち着ける為のものだ。感覚に正直になる効果が
ある。儀式自体は場を整え、人々を興奮に導き、その力を魔法に応用したものだがな」
善がり狂うとかそんな薬でなかったということに要は安堵した。
「正直に……」
「気持ちがいいとか、そういう感情だ」
「欺瞞だ」
「……確かに。だが、どうせ召喚されて儀式を受けなければならないのなら、縛られ苦痛に怯えながら無理矢理抱かれるよりはマシじゃないか」
何故だか陽王の言葉は要を思いやってるように聞こえた。そんなはずがないのに。
「俺は……、やりたくない」
泣きたくなる。愛されるでもなく、愛するでもないただの務めとして男に抱かれる。この世界に生きる人全てが望んでいるとわかっていて、口に出した。
「この世界を道連れとするか」
ヒュッっと喉が鳴った。
「そんなことっ!」
俺のせいじゃない。
「お前のその目を見ていると……」
自分自身を憐れむ要の目は、強者である陽王からすればさぞかしみっともなく映るだろう。
遠くから雷の音が聞こえる。
「なんだよ」
「蕩けさせたくなる――」
「ば!」
馬鹿だろ! と叫んだ声は、陽王の口の中に消えた。
「ば?」
笑いながら、陽王は要の両手を寝台に縫い止めた。痛みはないけれど、身動きができなくてもがいた。身体で要の動きを抑制して、陽王は何度も口づけてくる。舌が絡み、唾が飲み込めなくて噎せた。
「馬鹿だ……、あんたは本当に変態だよ」
「生意気なことしか言わない口だな」
要は身体を強張らせた。不意に記憶が蘇る。
『生意気なのは誰の躾が悪いんだ!』
殴られた母の嗚咽が聞こえた。幻聴だとわかっているのに、心臓のあたりが痛い。
思い出さないようにしていた父親の声を思い出した。父親は家で暴力をふるう男だった。
要や母を『生意気だ』と言って何度もなぐった。
母が、法の力を借りて離婚したとき、要は安堵して母と喜んだ。
「嫌だ……」
か細い声で要は嫌々と頭を振った。
母は要が小学校に入る頃、優しい男性と再婚して、二人の間には女の子が出来た。要も妹ができて嬉しかった。ところが母は、無意識にだが成長すると共に父親に似てきた要を避けるようになった。仕方がないことだと自分に言い聞かせた。母が幸せになって良かったと要は思っている。それでも家が自分の居場所でないと知ることは辛いことだった。早く大人になって家を出たいと願っていた。
「拒むな。熱がある。食欲がないのもそのせいだ」
陽王は要を抱きしめ、額にキスをした。
「なんで……」
要をあやすような仕草に、胸の奥が熱くなった。
雷は遠ざかり、けれど雨の音は聞こえた。シトシトと植物が求める恵みの雨だと要は思った。
きっと母は、要がいなくなってホッとしているだろうと思った。要は雨の音を聞きながらそう思った。
「知恵熱だ。そなたはまだ幼い」
「知恵熱……」
陽王は要を寝かしつけて、額を冷やしてくれた。
暴君のように見えたのに、優しさもあるのかと思って『違う』と緩く頭を振った。
要が巫女(アメフラシ)で、巫女(アメフラシ)が必要だから親切にしてくれるだけだ。陽王も侍女達も皆同じ。
逃げよう、逃げるために必要なことを探すのだ。従順な振りをして、知識を蓄え、この世界を去る。
要は高熱に喘ぎながら、決意した。
78
あなたにおすすめの小説
竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜
レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」
魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。
彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
転生したらスパダリに囲われていました……え、違う?
米山のら
BL
王子悠里。苗字のせいで“王子さま”と呼ばれ、距離を置かれてきた、ぼっち新社会人。
ストーカーに追われ、車に轢かれ――気づけば豪奢なベッドで目を覚ましていた。
隣にいたのは、氷の騎士団長であり第二王子でもある、美しきスパダリ。
「愛してるよ、私のユリタン」
そう言って差し出されたのは、彼色の婚約指輪。
“最難関ルート”と恐れられる、甘さと狂気の狭間に立つ騎士団長。
成功すれば溺愛一直線、けれど一歩誤れば廃人コース。
怖いほどの執着と、甘すぎる愛の狭間で――悠里の新しい人生は、いったいどこへ向かうのか?
……え、違う?
狼領主は俺を抱いて眠りたい
明樹
BL
王都から遠く離れた辺境の地に、狼様と呼ばれる城主がいた。狼のように鋭い目つきの怖い顔で、他人が近寄ろう者なら威嚇する怖い人なのだそうだ。実際、街に買い物に来る城に仕える騎士や使用人達が「とても厳しく怖い方だ」とよく話している。そんな城主といろんな場所で出会い、ついには、なぜか城へ連れていかれる主人公のリオ。リオは一人で旅をしているのだが、それには複雑な理由があるようで…。
素敵な表紙は前作に引き続き、えか様に描いて頂いております。
処刑エンドの悪役公爵、隠居したいのに溺愛されてます
ひなた翠
BL
目が覚めたら、やり込んだBLゲームの悪役公爵になっていた。
しかも手には鞭。目の前には涙を浮かべた美少年。
——このままじゃ、王太子に処刑される。
前世は冴えない社畜サラリーマン。今世は冷徹な美貌を持つ高位貴族のアルファ。
中身と外見の落差に戸惑う暇もなく、エリオットは処刑回避のための「隠居計画」を立てる。
囚われのオメガ・レオンを王太子カイルに引き渡し、爵位も領地も全部手放して、ひっそり消える——はずだった。
ところが動くほど状況は悪化していく。
レオンを自由にしようとすれば「傍にいたい」と縋りつかれ、
カイルに会えば「お前の匂いは甘い」と迫られ、
隠居を申し出れば「逃げるな」と退路を塞がれる。
しかもなぜか、子供の頃から飲んでいた「ビタミン剤」を忘れるたび、身体がおかしくなる。
周囲のアルファたちの視線が絡みつき、カイルの目の色が変わり——
自分でも知らなかった秘密が暴かれたとき、逃げ場はもう、どこにもなかった。
誰にも愛されなかった男が、異世界で「本当の自分」を知り、運命の番と出会う——
ギャップ萌え×じれったさ×匂いフェチ全開の、オメガバース転生BL。
転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。
星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。
前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。
だが図書室の記録が冤罪を覆す。
そしてレイは知る。
聖女ディーンの本当の名はアキラ。
同じ日本から来た存在だった。
帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。
秘密を共有した二人は、友達になる。
人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる