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ごめんね。利用して
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目が覚めたら、時雨は横に眠っていた。
ワイン飲みすぎたんだ。
何が起きたか、もう途中から覚えてなかった。
「悪い、寝てた。」
時雨が、起き上がった。
「頭、痛いわ」
優しく笑った。
「ごめんね、利用したよね」
「記憶ないなら、いいじゃん」時雨は、笑ってくれる。
煙草とお酒と時雨の爽やかな香水の香りが、混ざり合ってる。
「ごめん。汚ない布団だった。」
「客用?気にならないよ」時雨は笑う。
「時雨、危ない事はしないで」
一度でも好きになった人には生きていて欲しい。
「大丈夫だよ。」時雨は、煙草に火をつけた。
「もうすぐしたら、お客さんくるよね。」
「ああ、もう7時か。そだな。」
「終わったら、ちゃんと来てね」
「何、それ誘ってんの?」
時雨が、頭をポンポン叩く。
「誘ってないから」
「ハハハ。俺、氷河との事考えてみるよ」
「どういう意味?」
僕は、時雨にコーヒーをいれてあげる。
「氷河が、星を好きなのは嘘。二年前に告白された。」
「そうだったの?」
僕は、時雨にコーヒーを渡す。
「ありがとう。そうだよ。」
「知らなかった。」
「だって、まともに話したの10年ぶりだろ?」
そう言って時雨は、笑った。
「明日香は、俺をペットみたいに思ってて必要ならいつでも俺を呼んで弄(もてあそ)ぶんだ。2年前、氷河が酔っぱらって俺の家にきた。」
「うん。」
「明日香が帰った後だった。明日香の匂いがする、うぜぇって怒った。」
「うん。」
「飲みすぎだぞって言った俺にキスしてきた。」
「うん。」
「時雨が好きで好きで仕方ないって、止められないって…。星を想ってた以上の気持ちだって。だから、受け止めてくれって」
「うん。」
「俺は、受け止めてやれなかった。氷河は、怒ったよ。今日ならそうなれる気がしたって言って。」
「うん。」
「その時に、俺の中にまだ星が残ってるのに気づいた。氷河は、言ったよ。星は、もう時雨を受け止めてくれないよってポロポロポロポロ泣きながら…」
「そっか」
「でも、俺はどっかで星と戻りたい気持ちがあったから…。諦めたくなかったから…。でも、彼に会ってかわったよ。彼なら、星を救えることがわかった。」
そう言って笑って、時雨は煙草に火をつけた。
「氷河が言ったんだ。星の愛は時雨を幸せにできないって。よくわかんなかったけど…。今なら少しだけわかるよ。歪んだ愛じゃ、お互い幸せになれないんだよ。」そう言って時雨は立ち上がった。
「帰るな。氷河と協力して終わらせてやるからな!待っとけよ」時雨は、僕を抱き締めてくれた。
「待ってるから、夜。」
「うん、わかった。じゃあな」
「うん、気をつけて」
僕は、時雨が下まで降りるのを見つめていた。
片付けて、お客さんを迎えに行った。
最後のお客さんは、また近藤さんだった。
「最後だね。星くん。」
「本当に近藤さんには、お世話になりました。」
「普通に出会えたら、よかった」
「ですよね。」
「でも、星くんが幸せになるのはわかるよ。その為にやめるんでしょ?」
「はい。昨日のワイン美味しかったです。チーズも」
「よかった。これあげる。好きな人と飲みな」
そう言って二本のシャンパンを渡してくれた。
「初めて会った時から、痣だらけだったね」
そう言って僕の頬をさわる。
「最後ぐらい、いいですよ。」
「ハハハ、いらないよ。君はね、死んだ息子に似てるだけ」
「そうだったんですか?」
「うん。」そう言って近藤さんは、スマホの待受を見せてきた。
確かに、なんとなく僕に似てる。
「彰くんを指名してる人が、君を教えてくれたの凛くんに似てる子がいたよって写真撮ってきたの見せてくれた。」
「そうだったんですね。」
「星くんのお陰で、すっかり前を向けたよ!10年間本当にありがとうね。」近藤さんは笑った。
そして、帰っていった。
ありがとう、最後まで…。
僕は、時雨を待っていたけど全然こなかった。
メッセージには、遅れるって入ってたけど電話は出てくれなかった。
時雨…早くきてよ。
ワイン飲みすぎたんだ。
何が起きたか、もう途中から覚えてなかった。
「悪い、寝てた。」
時雨が、起き上がった。
「頭、痛いわ」
優しく笑った。
「ごめんね、利用したよね」
「記憶ないなら、いいじゃん」時雨は、笑ってくれる。
煙草とお酒と時雨の爽やかな香水の香りが、混ざり合ってる。
「ごめん。汚ない布団だった。」
「客用?気にならないよ」時雨は笑う。
「時雨、危ない事はしないで」
一度でも好きになった人には生きていて欲しい。
「大丈夫だよ。」時雨は、煙草に火をつけた。
「もうすぐしたら、お客さんくるよね。」
「ああ、もう7時か。そだな。」
「終わったら、ちゃんと来てね」
「何、それ誘ってんの?」
時雨が、頭をポンポン叩く。
「誘ってないから」
「ハハハ。俺、氷河との事考えてみるよ」
「どういう意味?」
僕は、時雨にコーヒーをいれてあげる。
「氷河が、星を好きなのは嘘。二年前に告白された。」
「そうだったの?」
僕は、時雨にコーヒーを渡す。
「ありがとう。そうだよ。」
「知らなかった。」
「だって、まともに話したの10年ぶりだろ?」
そう言って時雨は、笑った。
「明日香は、俺をペットみたいに思ってて必要ならいつでも俺を呼んで弄(もてあそ)ぶんだ。2年前、氷河が酔っぱらって俺の家にきた。」
「うん。」
「明日香が帰った後だった。明日香の匂いがする、うぜぇって怒った。」
「うん。」
「飲みすぎだぞって言った俺にキスしてきた。」
「うん。」
「時雨が好きで好きで仕方ないって、止められないって…。星を想ってた以上の気持ちだって。だから、受け止めてくれって」
「うん。」
「俺は、受け止めてやれなかった。氷河は、怒ったよ。今日ならそうなれる気がしたって言って。」
「うん。」
「その時に、俺の中にまだ星が残ってるのに気づいた。氷河は、言ったよ。星は、もう時雨を受け止めてくれないよってポロポロポロポロ泣きながら…」
「そっか」
「でも、俺はどっかで星と戻りたい気持ちがあったから…。諦めたくなかったから…。でも、彼に会ってかわったよ。彼なら、星を救えることがわかった。」
そう言って笑って、時雨は煙草に火をつけた。
「氷河が言ったんだ。星の愛は時雨を幸せにできないって。よくわかんなかったけど…。今なら少しだけわかるよ。歪んだ愛じゃ、お互い幸せになれないんだよ。」そう言って時雨は立ち上がった。
「帰るな。氷河と協力して終わらせてやるからな!待っとけよ」時雨は、僕を抱き締めてくれた。
「待ってるから、夜。」
「うん、わかった。じゃあな」
「うん、気をつけて」
僕は、時雨が下まで降りるのを見つめていた。
片付けて、お客さんを迎えに行った。
最後のお客さんは、また近藤さんだった。
「最後だね。星くん。」
「本当に近藤さんには、お世話になりました。」
「普通に出会えたら、よかった」
「ですよね。」
「でも、星くんが幸せになるのはわかるよ。その為にやめるんでしょ?」
「はい。昨日のワイン美味しかったです。チーズも」
「よかった。これあげる。好きな人と飲みな」
そう言って二本のシャンパンを渡してくれた。
「初めて会った時から、痣だらけだったね」
そう言って僕の頬をさわる。
「最後ぐらい、いいですよ。」
「ハハハ、いらないよ。君はね、死んだ息子に似てるだけ」
「そうだったんですか?」
「うん。」そう言って近藤さんは、スマホの待受を見せてきた。
確かに、なんとなく僕に似てる。
「彰くんを指名してる人が、君を教えてくれたの凛くんに似てる子がいたよって写真撮ってきたの見せてくれた。」
「そうだったんですね。」
「星くんのお陰で、すっかり前を向けたよ!10年間本当にありがとうね。」近藤さんは笑った。
そして、帰っていった。
ありがとう、最後まで…。
僕は、時雨を待っていたけど全然こなかった。
メッセージには、遅れるって入ってたけど電話は出てくれなかった。
時雨…早くきてよ。
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