50 / 250
歪んだ愛の連鎖
しおりを挟む
裸だよ。僕、裸だよ。
「うーん。起きたの?」
「氷雨君、まさかないよね?」
「ないわけないよ。あんなに求め合ったのに」
「えっと、覚えてない。ごめんなさい。」
「覚えてなくていいよ。」氷雨君は、立ち上がって水をとってきた。
「だって、星はずっと兄さんの名前を呼んでいたから」
悲しそうに目を伏せる。
「ごめんね。」
「謝らないでよ。望んだ事だから」
そう言って、水を渡された。
「ありがとう。」渡された水を飲む。
「でも、結婚するんでしょ?」
「うん。親が決めた相手」
「お見合い?」
「そう。氷雨を誰かにとられたくないからって決めてきた。」
「好きなの?その人の事」
「好きじゃないし、嫌いでもない。」そう言って氷雨君は、ビールをもってきた。
「飲む?」
「うん。」頭が痛いからビールをもらってしまった。
「そんなんでいいの?一生の事だよ。」
「いいの、いいの」そう言って笑う。
この子も歪んだ愛の犠牲になったんだ。
歪んだ愛の連鎖を止められなくて、ずっと生きてきたんだ。
「本当は、男の人が好きなんでしょ?」
僕は、頭をくしゃくしゃって撫でた。
「そうだよ。男の人が好き。気づいたのは、中学三年の夏休み。ある人を見かけて、胸が締め付けられた。初めての感情だった。あれが、僕の初恋だった。」
「そうなんだね。」
「うん。でも、開けてはいけない気がしたから…。だから、女の子と付き合った。何の感情も湧かないつまらない日々。」
そう言って氷雨君は、煙草に火をつける。
吸っていいって仕草をしたから、頷いた。
裸で、何話してんだろ?
「退屈で、つまらなかった。抱いたって気持ちよくもならない。身体と感情が重ならない矛盾を抱えて生きてた。今の人もそう最後までする為には、想像するんだ。芸能人やモデルで、そして最後まで終える。慣れれば楽だよ」
そう言って笑う。
「悲しいね。そんな体の関係」
そう言った僕の顎を掴んだ。
なに?
「だったら、これからあんたが相手してくれんのか?」
僕は、目を伏せた。
「その気もないのに、そんな言い方するなよ。」
そう言って灰皿に置いてた煙草を押し付けて消してる。
時雨と重なって、ドキドキしてる。
なんて、人間なんだ。僕は…。
「兄さんのかわりでいいから、目が覚めるまで僕を愛してよ。」
そう言って潤んだ瞳を僕に向けた。
「氷雨君、ダメだよ。僕は」
「氷雨って呼んで。ダメじゃないよ、星」
そう言って顔を近づけてくる。
ドキドキしてる。月みたいに優しい目で、時雨みたいな優しい声。
頭の奥が、ジーンってする。
「ひ、ひさめ」呼んでしまった。
チュッって頬にキスをされた。
頬が熱を帯びて熱い。
「ダメだよ」
「そんな姿なのに?」
「恥ずかしいから」
「無理矢理はしないから」
パサッてタオルを投げてくれた。
氷雨は、煙草に火をつけた。
「兄さんが、羨ましいよ。あんなに両親に嫌われて、自由だから」
愛される方も、大変なんだと知った。
「僕には、あの人達の愛が凄く重かった。兄さんがいなくなってからは、とくにね。毎日逃げたくて」そう言って、腕を見せる。
「これ、痛くなかったの?」
腕にあるたくさんの傷痕
「逃げたくて、逃げたくて必死だった。あと一回したら逃げれる。って何度も何度もしたよ。やめたのは、病院のベッドの上で目覚めた時」
煙草にまた火をつけた。
「悲しそうなあの人達の顔と、逃れられない運命(さだめ)だって気づいた。ああ、僕は兄さんには慣れないんだって気づいた。」
「苦しかったんだね。」
僕は、氷雨の手の傷を撫でる。
涙を流してる。
「僕だけを愛して欲しくなんてなかった。兄さんと平等に愛されたかっただけ。」
氷雨は、子供みたいに泣き出した。
僕は、氷雨の頭を撫でてあげる。
氷雨は、ソファーに横になって目を閉じた。
僕も、ソファーにもたれながら目を閉じた。
「うーん。起きたの?」
「氷雨君、まさかないよね?」
「ないわけないよ。あんなに求め合ったのに」
「えっと、覚えてない。ごめんなさい。」
「覚えてなくていいよ。」氷雨君は、立ち上がって水をとってきた。
「だって、星はずっと兄さんの名前を呼んでいたから」
悲しそうに目を伏せる。
「ごめんね。」
「謝らないでよ。望んだ事だから」
そう言って、水を渡された。
「ありがとう。」渡された水を飲む。
「でも、結婚するんでしょ?」
「うん。親が決めた相手」
「お見合い?」
「そう。氷雨を誰かにとられたくないからって決めてきた。」
「好きなの?その人の事」
「好きじゃないし、嫌いでもない。」そう言って氷雨君は、ビールをもってきた。
「飲む?」
「うん。」頭が痛いからビールをもらってしまった。
「そんなんでいいの?一生の事だよ。」
「いいの、いいの」そう言って笑う。
この子も歪んだ愛の犠牲になったんだ。
歪んだ愛の連鎖を止められなくて、ずっと生きてきたんだ。
「本当は、男の人が好きなんでしょ?」
僕は、頭をくしゃくしゃって撫でた。
「そうだよ。男の人が好き。気づいたのは、中学三年の夏休み。ある人を見かけて、胸が締め付けられた。初めての感情だった。あれが、僕の初恋だった。」
「そうなんだね。」
「うん。でも、開けてはいけない気がしたから…。だから、女の子と付き合った。何の感情も湧かないつまらない日々。」
そう言って氷雨君は、煙草に火をつける。
吸っていいって仕草をしたから、頷いた。
裸で、何話してんだろ?
「退屈で、つまらなかった。抱いたって気持ちよくもならない。身体と感情が重ならない矛盾を抱えて生きてた。今の人もそう最後までする為には、想像するんだ。芸能人やモデルで、そして最後まで終える。慣れれば楽だよ」
そう言って笑う。
「悲しいね。そんな体の関係」
そう言った僕の顎を掴んだ。
なに?
「だったら、これからあんたが相手してくれんのか?」
僕は、目を伏せた。
「その気もないのに、そんな言い方するなよ。」
そう言って灰皿に置いてた煙草を押し付けて消してる。
時雨と重なって、ドキドキしてる。
なんて、人間なんだ。僕は…。
「兄さんのかわりでいいから、目が覚めるまで僕を愛してよ。」
そう言って潤んだ瞳を僕に向けた。
「氷雨君、ダメだよ。僕は」
「氷雨って呼んで。ダメじゃないよ、星」
そう言って顔を近づけてくる。
ドキドキしてる。月みたいに優しい目で、時雨みたいな優しい声。
頭の奥が、ジーンってする。
「ひ、ひさめ」呼んでしまった。
チュッって頬にキスをされた。
頬が熱を帯びて熱い。
「ダメだよ」
「そんな姿なのに?」
「恥ずかしいから」
「無理矢理はしないから」
パサッてタオルを投げてくれた。
氷雨は、煙草に火をつけた。
「兄さんが、羨ましいよ。あんなに両親に嫌われて、自由だから」
愛される方も、大変なんだと知った。
「僕には、あの人達の愛が凄く重かった。兄さんがいなくなってからは、とくにね。毎日逃げたくて」そう言って、腕を見せる。
「これ、痛くなかったの?」
腕にあるたくさんの傷痕
「逃げたくて、逃げたくて必死だった。あと一回したら逃げれる。って何度も何度もしたよ。やめたのは、病院のベッドの上で目覚めた時」
煙草にまた火をつけた。
「悲しそうなあの人達の顔と、逃れられない運命(さだめ)だって気づいた。ああ、僕は兄さんには慣れないんだって気づいた。」
「苦しかったんだね。」
僕は、氷雨の手の傷を撫でる。
涙を流してる。
「僕だけを愛して欲しくなんてなかった。兄さんと平等に愛されたかっただけ。」
氷雨は、子供みたいに泣き出した。
僕は、氷雨の頭を撫でてあげる。
氷雨は、ソファーに横になって目を閉じた。
僕も、ソファーにもたれながら目を閉じた。
0
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
【完結】君の穿ったインソムニア
古都まとい
BL
建設会社の事務として働く佐野純平(さの じゅんぺい)は、上司のパワハラによって眠れない日々を過ごしていた。後輩の勧めで病院を受診した純平は不眠症の診断を受け、処方された薬を受け取りに薬局を訪れる。
純平が訪れた薬局には担当薬剤師制度があり、純平の担当薬剤師となったのは水瀬隼人(みなせ はやと)という茶髪の明るい青年だった。
「佐野さんの全部、俺が支えてあげますよ?」
陽キャ薬剤師×不眠症会社員の社会人BL。
死ぬほど嫌いな上司と付き合いました
三宅スズ
BL
社会人3年目の皆川涼介(みながわりょうすけ)25歳。
皆川涼介の上司、瀧本樹(たきもといつき)28歳。
涼介はとにかく樹のことが苦手だし、嫌いだし、話すのも嫌だし、絶対に自分とは釣り合わないと思っていたが‥‥
上司×部下BL
【完結】 男達の性宴
蔵屋
BL
僕が通う高校の学校医望月先生に
今夜8時に来るよう、青山のホテルに
誘われた。
ホテルに来れば会場に案内すると
言われ、会場案内図を渡された。
高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を
早くも社会人扱いする両親。
僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、
東京へ飛ばして行った。
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる