ふたりの愛らぶyou

三愛 紫月 (さんあい しづき)

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歪んだ愛の始まり

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流星は、泣いてる俺の頭をずっと撫でてくれた。

やっと涙が止まった頃、

「知りたいの?何でこうなったか?」

俺は、ゆっくり頷いた。

「仕方ないな。墓場まで持ってくつもりだったのにな。」流星は、笑った。

「月が産まれた日、俺は朝からワクワクが止まらなかった。初めてお兄ちゃんになれる事が嬉しかった。」そう言って柔らかい笑顔で笑う。

「4歳の俺と父さんは病室にはいった。そしたら、母さんが月を見て気持ち悪い目、大嫌いって叫んだんだ。俺は、月を覗きこんだ。可愛いよって笑った俺に、父さんがビンタした。」

俺は、驚いて流星の顔を見た。

「初めて殴られてビックリした。二人の目を見て感じたよ。この子を可愛いって言ったらダメなんだって。名前をつけてもらえなかった月に婆ちゃんと爺ちゃんが名前をつけた。月って漢字が使われたのを見て、今日から俺がこいつを守るんだって勝手に決めてた。」

そう言って流星は、ビールを飲む。

「星(ほし)って月(つき)を守るみたいに近くにいるだろ?だから、俺が月(るい)の星(ほし)になってやるって決めたんだよ。」

流星の笑顔は、すごく優しい。

「それからは、月のお世話は全部俺がした。ミルクもおしめも離乳食だってあげた。月が初めて喋った言葉は、リュリュだった。」

そう言って懐かしそうな表情を浮かべて笑ってる。

「小さくて愛しくて必死で俺を求める。堪らなくて堪らなくて、月の為なら死ねるって思った。だけど、月が3歳になった頃僕は学校に行かなくちゃならなくなったんだ。」

流星が、悲しそうに目を伏せた。

「仕方ないから、学校に行ったよ。それから1週間した時だった。父さんが、月と物置にいた。やめてって月の前に立った俺に、どけ、流星殺されたいか?って言ったんだ。」

流星の手が震えだした。

「俺は、迫りくる父さんを必死で押さえた。でも、すぐに俺なんかどけて月の首に手をかけたんだ。離せって、俺を殺せって何度も何度も叫んでやった。」

さっきの声は、3歳の時の俺の記憶だったんだ。

流星の手がさらに震えた。

「だったら、望みを叶えてやる。そう言って父さんは、俺を引っ張っていった。父さんの病院の診察代にうつ伏せに寝るように指示をだされた。言うことを聞いた。月の為だったから」

流星は、ビールを飲んだ。

「服をめくって、メスで俺の身体をきった。痛くて叫んだ。そしたら、父さんが耳元で言ったんだ。死ぬって痛いんだよ。だから、流星はいい子にしなきゃって」

始まりは、父さんだったんだ。

「それから、俺は、家族の前で月を傷つけるようになった。頭と心が、バラバラになっていく。そんな時、俺は月にキスをしたんだ。そしたら、バラバラだった二つがくっついた。その感覚が、心地よくて俺はどんどんエスカレートしていった。」

震えが止まっていた流星の手が、また震えだした。

「月が、6歳になった頃だった。母さんが、俺が月に何をしてるか知ったんだ。」

流星は、思い出したくないように目を伏せて、手の震えを必死で止めてる。

「母さんは、俺の愛を欲しがった。自分に向けられないのに気づいたから俺を傷つけ始めた。父さんにバレないように背中に傷をつける。月にキスをしたら、一回、月を抱き締めたら一回、そうやっていくんだよ。」

流星は、必死で震えを押さえてる。

「傷が治ると、その傷を舐める。怖くて堪らなくて、俺は月をさらに求めた。月の全てを奪った日から2日経った頃、母さんは俺がした事に気づいた。いつものお仕置き部屋に呼ばれた。何をされたと思う。」

そう言って、流星は震える手で俺の頬の傷に手をやる。


「母親が、子供にやる範囲を越えてる事だ。」

そう言って流星は涙を流した。

流星は、苦しんでいたんだ。

ずっと、苦しんでいたんだ。

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