ふたりの愛らぶyou

三愛 紫月 (さんあい しづき)

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月の実家に行く

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何か嫌な予感がするのか、月(るい)は何度も念を押して言った。

タイムリミットの二時間が、もうすぐ経とうとしている。

僕は、カフェを出て、華君に連絡をした。

「もしもし」

『どうしたの?』

「月(るい)が、どうにかなったらどうしたらいい。」

『何が、あったの?』

「2時間前にお兄さんに会いに行って、2時間以内に戻らなかったら二人を呼んでって」

『今どこにいるの?』

僕は、華君に駅前にいる事を告げた。

心臓が波打ってる。

月(るい)に何かあったらと思うと怖い。

怖くて、堪らない。

「助けて、華君」

『今すぐ行くから、そこで待ってて』

「わかった。」

僕は、電話を切った。

月(るい)、大丈夫なんだよね。

スマホを持つ手が、震える。

生きてるよね…。

華君と晴海君が、タクシーで急いでやってきてくれた。

月がお兄さんの所に行って、2時間30分も経っていた。

「大丈夫?星君」

「ごめんね、遅くなって」

涙を流してる僕を支えてくれる。

「ついてきて」

僕は、二人を月(るい)の実家に案内する。

「ここ?」

「うん。」

橘医院と書かれた看板下に移転と書いてある。

間違いなくここだ。

インターホンを鳴らした。

ピンポーン

ピンポーン

ピンポーン

3回目で、誰かがドアを開けて門にやってきた。

「……誰?」

見たことない男の人が、現れた。

「あの、月(るい)は来てませんか?」

「ああ、月(るい)の友達?どうぞ」

あのお兄さんより冷たい眼差し。

あの紙を書いたお兄さんだ。

僕達三人は、部屋に案内された。

「あー。こっち」

今気づいたけど、この人。

手が血だらけだ。

「こっちだな」

病院として使っていたであろう場所に案内された。

「流星、月の友達だってよ。」

そう言うと、月のお兄さんが現れた。

服が、血だらけだ。

「星さんだね。こっち」

何があったの?

月、生きてるよね?

流星さんに連れて行かれた。

その場所から、離れて奥に進む。

ガチャ…

扉が開けられた。

「今、眠ってる。」

僕は、月(るい)に近づいた。

手は、血だらけで顔は腫れてる。

上半身は裸で、身体中に傷があって血が流れてる。

太もも辺りも刺されたのか、ズボン越しに血が滲み出てる。

「何をしたんですか?」

僕は、お兄さんを睨みつけた。

華君と晴海君が、月を繋いでる紐をほどこうとしてくれてる。

「助けてあげれなかった。」

お兄さんは、膝から崩れ落ちた。

「月が、おかしくなったの?」

「違う、あの人のせいだ。あの人のせい」

「さっきの人のせい?」

「宇宙(そら)兄さんも関係ある。だけど、あの人に初めて見つかったから」

「大丈夫ですか?」

僕は、月のお兄さんに近づいた。

「背中から、血が出てますよ」

「うん、そのうち止まるから大丈夫。」

「月は、おかしくなってないんですよね?」

「大丈夫だと思う。宇宙(そら)兄さんが、薬で眠らせたからわからない。」

「あの人は、どこに行ったんですか?」

「帰った。家に帰った」

ガチャっと扉が開いた。

「そいつを連れて帰るなら、これやるよ」

そう言って、薬の袋を渡された。

「月に何をしたんだ?」

僕は、もう一人の男の胸ぐらに掴みかかった。

「怖いな。お前は、月の何?」

「僕は、月の友達です。」

「へー。友達。兄に頬を舐めさせるような男はやめた方がいいよ」

そう言って、僕の腕を掴んで振りはらった。

そして、スマホの写真を見せてきた。

「それで、こんな事をしたの?」

「俺じゃなくて、あの人に命令されたから仕方なくやっただけ。知ってる?こいつ等は、兄弟の癖にやってるんだよ。気持ち悪いよね。子供(ガキ)の頃から、そうだった。あの人は、初めて見たその光景に月(あいつ)を殺そうとしたから。流星(あいつ)が庇って。余計に怒らせちゃったから…。俺も手伝ってあげたんだよ。だから、ほら一時間で帰ってくれた。」

眼鏡をあげながら、楽しそうに笑ってる。

気持ち悪くて、怖い。

本当にこの人が、月(るい)の兄なのだろうか?

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