ふたりの愛らぶyou

三愛 紫月 (さんあい しづき)

文字の大きさ
223 / 250

傷つけるな

しおりを挟む
暗闇の中、目を瞑っていた。

「リュリュー。ちゃんとしてよ。やたー。(やだ)ルルがでてきたら話せないんだよ」

「うまく、くっつけてないのか?」

「月(るい)、暴走すんだよ。ルルは…。こっちきてくれよ」

「動けないんだよ」

「はぁー。目覚めているのは、女じゃなかったのかよ」

「それは、あっちのおじさんのせいだから」

「テメーか。」

ドカッ…。

「何、なにがおきてる?」

「痛いな。お前が、星(ひかる)を傷つけるなら俺が出てく」

「無理、無理。あっちにいけるのは、俺の方だ。お前じゃねーよ。おっさん。」

「ルル、駄目だって。近づくな。てんか(けんか)、ためー。」

「触(さわ)んな。キモい」

「あー、あー、あー。」

「こっちおいで、こっちおいで。ルル」

「ちっちっ、ちっちっ」

「何で、俺を嫌うの?1つになろうよ。」

「やたー、やたー(やだ)」

走り回って、逃げ回ってる。

暗闇なのに動けるんだな。

「めめー、めめー(あめ)、黒いな」

雨だ。

水溜まりが、出来てく。

さっきより、水かさが増した気がする。

何か、これが降ってくるとますます動けなくなる。

「やめろー。やめさせろ。これを止めさせろ。いけ、お前がとめてこい。一番、俺に近いお前がこれをとめてこい。ワァー。熱いやける。こいつを止めさせて、流星を連れてこい。早く行け。あの愛が力をくれる」

ズルッって、音がした気がした。

「月(るい)、月(るい)。愛してる。愛してる。」

「星(ひかる)?」

一瞬、明るくなったか?

「誰?星(ひかる)って」

「忘れるなよ。愛してる人だよ。今、降ってる雨をくれてる。」

「めめー。たまた。(止まった)」

「何で?」

「ハハハハハ。よくやったな。月(るい)。流星を連れてこい。力が欲しい。星(あいつ)を止めさせろ。星(あいつ)の降らせる雨(あい)は、ルルを強くする。月(るい)を動けなくする。こっちこい。俺と1つになるんだ。月。まずは、ルルからだなー」

「やー。やー。ちっちっ、ちっちっ」

「いたっ、殺すぞテメー」

「あー。あー。リュリュ。リュリュ」

「こっちおいで、こっち」

ルルは、あっちに近づいていく。

「頼む。そこから動くな。」

「動けないよ」

「じゃあ、こっちから行く。早く、流星を連れてこい」

「リュリュ?」

「もしくは、お前が俺と繋がれルル?」

「駄目だ、ルル。走り回るな。あーん。リュリュ、リュリュ」

「ちゃんと、くっついてろよ。ちゃんと。」

「星(ひかる)に会いたい。星(ひかる)と生きていきたい。」

「おっさん、お前が男なんかと付き合ってんのか?」

ドカッ…、ドカッ…

「やめろ、お前が傷つけるな」

「嫌だよ。おっさん。俺は、男なんて好きじゃない。」

「愛されてただろ?ちゃんと」

「誰に?退屈で下らない愛と、俺の体を使えなくした愛と、あと何がある?殴られたいよ。傷つけられたいよ。」

「お前は、俺に近い。だから、あいつ止めてこい。わかったか?」

「じゃあ、俺が欲しい愛(もの)くれんの?」

「やるよ。欲しい愛(もの)やる。だから、星(あいつ)を止めて。流星を呼べ。それと、ルルとは仲良くしなきゃな。ルルは一番強いから。勝手に向こう側にいく」

「やめろ、また行って。星(ひかる)を傷つけるな。俺の幸せをお前が壊すな。お前は、もう過去だ。今の俺の幸せを壊すな。」

「おっさん、黙れよ。お前、俺がどれだけ空っぽで、どれだけ傷ついたか知ってて言ってんのか?」

「知ってる。だから、星(ひかる)に出会ったんだ。認めろよ。男でもいいから、星(ひかる)を認めろよ」

「気持ち悪い、ないから。絶対ないから。お前は何もわかっちゃいないんだよ。」

ドカッ…

何?

「もう、ちょっとで近づけるかな。ハハ」

傷つけるな、月、星(ひかる)を…

「だから、泣いたって許さないって。わかってる?」

「ごめんなさい。」

「だから、ごめんなさいって言うならキスすんなよ。」

「ごめんなさい。」

こいつ、マジで何?

イライラする。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

【創作BL】溺愛攻め短編集

めめもっち
BL
基本名無し。多くがクール受け。各章独立した世界観です。単発投稿まとめ。

【完結】君の穿ったインソムニア

古都まとい
BL
建設会社の事務として働く佐野純平(さの じゅんぺい)は、上司のパワハラによって眠れない日々を過ごしていた。後輩の勧めで病院を受診した純平は不眠症の診断を受け、処方された薬を受け取りに薬局を訪れる。 純平が訪れた薬局には担当薬剤師制度があり、純平の担当薬剤師となったのは水瀬隼人(みなせ はやと)という茶髪の明るい青年だった。 「佐野さんの全部、俺が支えてあげますよ?」 陽キャ薬剤師×不眠症会社員の社会人BL。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

死ぬほど嫌いな上司と付き合いました

三宅スズ
BL
社会人3年目の皆川涼介(みながわりょうすけ)25歳。 皆川涼介の上司、瀧本樹(たきもといつき)28歳。 涼介はとにかく樹のことが苦手だし、嫌いだし、話すのも嫌だし、絶対に自分とは釣り合わないと思っていたが‥‥ 上司×部下BL

処理中です...