ふたりの愛らぶyou

三愛 紫月 (さんあい しづき)

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壊したいのがわかるよ。

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こいつを怖い自分に気づいたのは、お皿を割った瞬間だった。

僕の目の前で、お皿の破片を握りつぶすように掌に握った。

その血を舐めろと言った目は、怖くて怖くて、今までの月ではないのを感じた。

僕も手に取った破片を握りしめていた。

血がポタポタと落ちる僕の手をとって、嬉しそうに舐めた顔を見た時、背筋が凍りつくのを感じた。

これは、月ではないよね。

見せられたノートの文字と文章に崩れ落ちた。

「星(ひかる)君、大丈夫?彼は、月(るい)君じゃないよね?」

「うん。」

泣いて、泣いて、華君にしがみついた。

「大丈夫、大丈夫だよ。僕が支えるから」

華君が、背中を擦ってくれた。

僕を立たせてくれた。

フラフラと立ち上がり、車に乗った。

暫く走って、家についた。

「じゃあ、先に降りるわ」

月が、降りていった。

「朝早く帰れなくて、すみません。」

「抱かれたの?」

「はい」

「あいつとか?」

「違います。途中まで違ったのに…。別れようって言われて、辛かった。悲しかった。でも、もっと辛いのは今の月は、何をしても僕には感じなかった。まだ、前の方がマシだった。虚無感は、広がったけど…。僕の存在意味をなくしたりはしなかった。優しくしてくれようとしたから」

コンコン

「また、後で話そう」

月が、戻ってきて扉を叩いた。

「うん」
 
僕は、車から降りて鍵を開けた。

リビングに座った。

「酒、飲みたいわ」

「病人が、飲んだらいけないだろう?」

僕達の前に、その人はやってきた。

「俺は、どこも悪くないけど?それぐらいわからない?」

「へー。厄介な方が、ずっといたのか?」

「厄介って何だよ。俺は、いつだって月の痛みを引き受けてきたんだぞ。たまには、俺がこっちで過ごしたっていいだろうがよ。」

「たまに?あの頃は、よく現れてただろ?俺にしか見せなかったか?」

「だから、なに?」

「俺は、お前を何度も殺そうとしたのにな。お前は、随分と眠っていたんだな?」

「あー。久しぶりだよな。宇宙(そら)君」

そう言って、月はお兄さんを見つめてる。

「いつだって、死に方を選ばせてやったのにお前はよく間違うな。月(るい)………。いや、るか。」

「ハハハ、その名を覚えてたとわな。」

月は、大笑いしてる。

るかって、お父さんの亡くなったお姉さん?

どういう事?

お化けが、乗り移ってるの?

「酒、飲ませろよ。」

お兄さんは、ワインを開けた。

グラスに注いだ。

「みんなも飲んで、るかと話すのはまともじゃいられない。」

そう言って、ワインを渡された。

「人を化け物みたいに言うの好きだね。」

そう言いながら、月。

いや、るかは笑ってる。

「実際、るかは化け物だっただろ?」

宇宙(そら)さんが、右腕のシャツを捲って腕を出した。

「俺に、迷うことなく包丁を突きつけた。懐かしいな。るか」

「この傷ね。覚えてるよ。だって、宇宙(そら)君があまりにもるいをいじめるからだよ。」

そう言いながら、煙草を出せと言ってる。

「お前が、帰ってきてるのがわかったよ。俺は、煙草は吸わない。」

「知ってるよ。だけど、買ってきただろ?」

そう言って、笑ってる。

お兄さんは、窓を開けて小さな小皿を目の前に置いた。

「あの時、この人を傷つけたあの時、るかだったんだな。」

煙草をるかに投げつけた。

「痛いよ。ライター」

そう言って、お兄さんはライターを渡した。

カチッ…。

月は、煙草を吸わない。

なのに、るかはむせたりもしない。

「最近も入れ替わっていたのか?」

「ああ、時々あいつが助けを呼ぶからな。」

ワインを飲んで、煙草を吸ってる。

僕の知らない人だ。

「流星の前では、大人しくしてたのか?」

「流星、ああ、流星ね。そうだな。流星は俺とあいつに力をくれるからね。大人しくしないと、月が愛を受け取ってくれないからね。」

そう言って、小皿に煙草を押しあてる。

「お前は、もう月(るい)を解放しろ」

「やったら、月(るい)は壊れるよ」

そう言って、笑ってる。

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