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凛の話4

向き合わなきゃ…

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スマホの電源を入れると
ブー、ブー、ブーって、バイブレーションを鳴らしながらメッセージが受信されてきた。

「凄い、量…」

凛君からの【会いたい】と言うメッセージが30通もやってきていた。
もう一度会って、きちんと話すしかないかな…。
私は、【わかった】と返事をした。

ブー、ブー、ブー

「はい」

『凛さん、よかった』

凛君が、ずっとスマホを眺めていたのがわかった。

「ごめんね、電源入れてなかったから…」

『ううん。もう、返事くれないと思ったから…』

図星だった。このまま、出来ることならフェードアウトしたかった。でも、16歳の男の子に39歳の既婚女がする事じゃない。

「また、行ける日。連絡するから」

『いつ?』

「今すぐには、答えられない」

『そうだよね』

「ごめんね」

『ううん、いいんだ』

「今日は、主人がいるから…。切るね」

『明日は?話せる?旦那さん、いない時間とかある?』

「まだ、わからない」

『そうだよね!ごめん』

「ごめんね」

『ううん、じゃあ。またメッセージして!僕、凛さんに会えるの楽しみにしてるから』

「わかった」

『約束だよ?』

「うん、じゃあね」

『バイバイ』

電話を切って、私は大きな溜め息を吐いた。凛君、同い年に興味持った方がいいよ。こんなおばさんに、あんなキラキラした声だして…。私が、凛君の母親なら発狂すると思う。
私は、スマホを見つめる。

【凛、会いたい】

拓夢からのメッセージがきてた。

【何も言わずに抱き締めさせてくれないかな?】

【凛、身体の関係がなくなっても…。俺を捨てないで】

拓夢が、何かに苦しんでいるのがわかる。

【明日、何時に行けばいい?】

私は、メッセージを送信した。拓夢は、凛君とは違ってスマホを持っていないようだった。

「そのうち、返事くるかな」

私は、スマホでSNSを見つめる。めぐちゃんが、新しい投稿をしていた。嫌な気持ちになったのに、見てしまう。【子供がいる主婦が一番偉いから!子育てが一番大変!それ経験してない人って人間的に駄目な大人よ】何だ、この投稿は…。
友達も同類のお馬鹿しかいないのか、【わかる】【言えてる】【子なしの頭ん中、中二過ぎて笑える】などと書かれていて吐き気がする。私は、スマホを伏せた。
昔は、めぐちゃんが大好きだった。だけど、今は世界で一番大嫌いだ。

「凛、大丈夫?」

お風呂から上がってきた龍ちゃんが私に話しかけた。

「龍ちゃん」

私は、龍ちゃんに抱きついた。湯タンポみたいに暖かい。

「喉乾いたから、水飲みたいよー」

そう言って、私を抱きしめたままキッチンに歩いていく。
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