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凛の話5
苦しまないで
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拓夢は、スマホをテーブルの上に置いて私を抱き締めてきた。
「だから、苦しまないでよ」
「拓夢」
「凛は、生きてるだけで価値があるんだから」
「でも…」
「俺は、凛が若くなくたって、子供を産む事が出来なくたって愛してるよ!旦那さんだって、同じだと思う。こうやって、凛の温もりを感じれる。それだけで、俺には価値があるんだ」
拓夢は、そう言って私の背中を撫でるように擦ってくれる。
「生きるって二択問題じゃないだろ?」
「うん」
「死にたい日があったり、死にたくない日があったり、そのどちらも考えない日があったりするみたいにさ!子供がいるいないだけじゃない何かがあると思うんだよ!白か黒でしか答えをもってないから、凛は苦しんでるんだと思う。グレーだってあるし、白よりの黒だってあるし、黒よりの白だってあるだろ?だから、答えなんて何万通りあるんだからさ!深く考えなくていいんじゃないかな?」
私は、拓夢から離れて拓夢の顔を覗き込んだ。私には、2つの答えしかないのに…。拓夢には、何万通りの答えもある気がした。もっと、拓夢と関わったら、私の引き出しにも答えが溢れる気がした。
「拓夢とこの関係が終わっても、友達でいたいって言ったらどうする?」
拓夢は、驚いた顔をして頷いてくれる。私の選択肢に一つだけグレーが追加された気がした。
「いるに決まってる」
拓夢は、そう言って笑って私をソファーに押し倒した。
「話が違うじゃん」
「だって、こんな可愛い顔されたら…。ほら」
そう言って、私の手をそれにもっていく。
「馬鹿」
「そう言いながら、笑ってるじゃん」
「お腹すいた」
「食べようか?」
拓夢は、私を起こそうとする。
「その前にしたい?」
「したいけど、したくない」
「どういう意味?」
「したいよりだけど、したくないって意味」
「よくわからない」
「わからなくていいんだよ!俺の頭の中を、凛が全部知れる方が怖いよ」
「確かに、そうだよね」
「こんな風になってるけど!今、俺は凛とセックスのない関係をしてみたいんだ」
そう言って、拓夢は私を起こした。
「もっかい手洗ってから、ご飯食べよう」
そう言って、洗面所に連れていかれる。手を洗って、ソファーに戻ってきた。
「食べようか?」
「うん」
拓夢と私は、並んで座る。ビニール袋から牛丼を取り出した。
『いただきます』
そう言って、食べる。
「凛は、七味いる?」
「いる」
「紅しょうがは?」
「いる」
私は、牛丼に紅しょうがと七味をかける。拓夢と黙って牛丼を食べながら思っていた。生き方には、何万通りの答えがあるのに…。私は、若さと赤ちゃんに縛られていた。たった2つの選択肢しか選べないなんて…。私の人生は、それこそ価値がないんじゃないかって思った。
「だから、苦しまないでよ」
「拓夢」
「凛は、生きてるだけで価値があるんだから」
「でも…」
「俺は、凛が若くなくたって、子供を産む事が出来なくたって愛してるよ!旦那さんだって、同じだと思う。こうやって、凛の温もりを感じれる。それだけで、俺には価値があるんだ」
拓夢は、そう言って私の背中を撫でるように擦ってくれる。
「生きるって二択問題じゃないだろ?」
「うん」
「死にたい日があったり、死にたくない日があったり、そのどちらも考えない日があったりするみたいにさ!子供がいるいないだけじゃない何かがあると思うんだよ!白か黒でしか答えをもってないから、凛は苦しんでるんだと思う。グレーだってあるし、白よりの黒だってあるし、黒よりの白だってあるだろ?だから、答えなんて何万通りあるんだからさ!深く考えなくていいんじゃないかな?」
私は、拓夢から離れて拓夢の顔を覗き込んだ。私には、2つの答えしかないのに…。拓夢には、何万通りの答えもある気がした。もっと、拓夢と関わったら、私の引き出しにも答えが溢れる気がした。
「拓夢とこの関係が終わっても、友達でいたいって言ったらどうする?」
拓夢は、驚いた顔をして頷いてくれる。私の選択肢に一つだけグレーが追加された気がした。
「いるに決まってる」
拓夢は、そう言って笑って私をソファーに押し倒した。
「話が違うじゃん」
「だって、こんな可愛い顔されたら…。ほら」
そう言って、私の手をそれにもっていく。
「馬鹿」
「そう言いながら、笑ってるじゃん」
「お腹すいた」
「食べようか?」
拓夢は、私を起こそうとする。
「その前にしたい?」
「したいけど、したくない」
「どういう意味?」
「したいよりだけど、したくないって意味」
「よくわからない」
「わからなくていいんだよ!俺の頭の中を、凛が全部知れる方が怖いよ」
「確かに、そうだよね」
「こんな風になってるけど!今、俺は凛とセックスのない関係をしてみたいんだ」
そう言って、拓夢は私を起こした。
「もっかい手洗ってから、ご飯食べよう」
そう言って、洗面所に連れていかれる。手を洗って、ソファーに戻ってきた。
「食べようか?」
「うん」
拓夢と私は、並んで座る。ビニール袋から牛丼を取り出した。
『いただきます』
そう言って、食べる。
「凛は、七味いる?」
「いる」
「紅しょうがは?」
「いる」
私は、牛丼に紅しょうがと七味をかける。拓夢と黙って牛丼を食べながら思っていた。生き方には、何万通りの答えがあるのに…。私は、若さと赤ちゃんに縛られていた。たった2つの選択肢しか選べないなんて…。私の人生は、それこそ価値がないんじゃないかって思った。
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