なろう110000PV☆不純異性行為～月と星が交わる場所へ～あの時の二人を救ってくれたのは紛れもなくこの愛でした～【皆月凛、星村拓夢編】

拓夢の話７

お会計

お会計をして、袋に詰める。

「持つよ」

「ありがとう」

「凛、平田さんの事どう思ってるの？」

「どうって、あんな子供いたらいいなーって思ってるだけだよ」

凛の目に、嘘はない気がした。

「そうか」

「何か気になった？」

「全然、気にならない」

俺は、嘘をついた。
本当は、気になっていた。平田さんと凛が、あの日のようにキスしていたら？考えるだけで、嫉妬の炎に焼かれそうだった。家について、鍵を開ける。

「片付けられたんだね」

「あー、隣の人がね！片付けてくれたみたい」

ガチャ…。

鍵を開けて、入った。

瞬間…。

バサッ…。

「荷物落とした」

凛が、抱きついてきてスーパーの袋を落としてしまった。

「拾うわ」

「拓夢、抱いて」

「えっ？」

凛は、何かを溜め込んでるみたいな目を向けてくる。

「拓夢……いなくならないで」

凛は、そう言うと俺の右手を自分の左胸に持っていく。

「凛、どうした？」

俺は、手を引き抜こうとする。

「生理だろ？駄目だよ」

凛は、首を横に振った。

「どうした？今日、何か変だよ」

「拓夢、お願い」

凛の目から、涙がポトリポトリと流れてくる。

「無理にしなくたって、いなくならないから！大丈夫だよ！凛」

俺は、反対の手で凛の涙を拭った。凛は、納得したように手を離した。

「ご飯作るね」

凛は、納得したように笑った。俺は、袋を拾った。凛と一緒に、キッチンに行く。

「米は、これで！調理器具は、これで」

「うん、ありがとう」

「大丈夫？」

「全然、平気だよ」

凛は、そう言って笑ってくれる。

「なら、いいんだけど…。邪魔だよな！向こうにいるよ」

「拓夢」

凛は、俺を後ろから抱き締める。

「どうした？」

「この先、どんな事があっても嫌いにならないでいて」

「誰を？」

「私を…」

「何の話しかよくわかんないけど…。嫌いにならないよ」

「約束してくれる？」

「約束」

俺の腰に回ってる、凛の手を握りしめる。

「私には、拓夢が必要なの」

俺は、その言葉に振り返る。

「もう一回、言ってよ」

凛は、俺の目を見つめる。

「私には、拓夢が必要なの」

そう言われた瞬間、キスをしていた。

「拓夢、激しい」

「凛が可愛い過ぎるからだよ」

凛にキスがずっとしたくて、俺は凛の腰を抱いた。

「拓夢、しないの？」

「今日は、ゆっくり出来ないだろ？怪しまれたらよくないから！」

俺は、凛から離れて、凛の服を見ながら言った。

「それ、何か言われたからじゃないの？」

「何で？」

「さっきみたいなワンピース着れなかったんだろ？」

凛は、首を縦に振った。

「じゃあ、日付け変わる前に帰らなくちゃ！近所の人にバレるのはよくないよ」

俺は、そう言って凛の頭を撫でる。

「作るね」

凛は、納得した顔をしてキッチン玉ねぎの皮を剥いていく。