167 / 646
凛の話9
絶望…
しおりを挟む
「これが、兄ちゃん」
そう言って見せてくれた写真に映る女の人は、かつて男性だったとは言われてもわからない程に綺麗な人。
「本当に、男性?」
「ああ、男性!元だけどな」
「凄い!言われてもわからない」
「だろ?努力してるんだ」
「凄いね」
「うん」
そう言って、しゅんさんは笑った。
「でも、いいことばっかりじゃないらしい。見た目が、変わった事で!前より、赤ちゃん望むようになって!今、彼氏がいるんだけど…。もう、みんな認めてるから!事実的に結婚してるようなもんなんだけど…。最近毎晩、俺に掛けてきて泣くんだよ!その人、健太って言うんだけど!健太の子供が欲しいって」
私は、その言葉に泣いていた。
「体が変わると別の苦しみがうまれるんですね」
私は、泣きながらしゅんさんを見つめて言った。
「そうなんだよ!だから、一つ解決してもまたって感じだし!いつまで、兄ちゃん苦しむんだろうって思ってさ…。せっかく、女の人になれたのにな」
しゅんさんは、涙を拭っている。女性である私とは違う苦しみ。
「ごめん!凛さんに、こんな話して」
「ううん」
「だけど、誰にも言えなかったんだー。何かスッキリ」
「お兄さんが女の人って事?」
「いやいや!違うよ」
そう言って、しゅんさんはニコニコ笑った。
「それは、隠しようがないから!兄ちゃんが、赤ちゃん欲しがってるって言えなくて!誰にも…」
「それって、無理だって言われたくなかったから?」
「そうかもな!無理に決まってるだろってわかってても言われたくなかったんだと思う」
「技術は、進歩して!医療も科学も発展してるのに…。まだ、そこは無理なんだよね」
「そうだな」
「まぁ、医療にも限界あるから」
「それは、凛さんがそうだったから?」
「そう!無理だから…。私の体は、無理」
しゅんさんは、私の背中を擦ってくれる。
「辛いな!自分の体が自分を裏切る人間って思ったら」
「そうだね」
「兄ちゃんも同じ事言ってたわ!私の体は、私を裏切るって!」
「凄く、わかる!その気持ち」
「凛さん、悲しいな」
しゅんさんは、そう言って私の背中を擦り続けてくれる。その手の温もりが伝わってきて、私はさらに泣いていた。
「大丈夫、大丈夫。いつかは、笑えるから」
「うん」
「兄ちゃんと凛さん、仲良くなれそう!あー、姉ちゃんだわ」
私は、しゅんさんの言葉に笑っていた。
「あっち側に行きたいって、いつも言ってくる」
そう言って、しゅんさんが指差した方にベビーカーを押してる母親の姿が見える。
そう言って見せてくれた写真に映る女の人は、かつて男性だったとは言われてもわからない程に綺麗な人。
「本当に、男性?」
「ああ、男性!元だけどな」
「凄い!言われてもわからない」
「だろ?努力してるんだ」
「凄いね」
「うん」
そう言って、しゅんさんは笑った。
「でも、いいことばっかりじゃないらしい。見た目が、変わった事で!前より、赤ちゃん望むようになって!今、彼氏がいるんだけど…。もう、みんな認めてるから!事実的に結婚してるようなもんなんだけど…。最近毎晩、俺に掛けてきて泣くんだよ!その人、健太って言うんだけど!健太の子供が欲しいって」
私は、その言葉に泣いていた。
「体が変わると別の苦しみがうまれるんですね」
私は、泣きながらしゅんさんを見つめて言った。
「そうなんだよ!だから、一つ解決してもまたって感じだし!いつまで、兄ちゃん苦しむんだろうって思ってさ…。せっかく、女の人になれたのにな」
しゅんさんは、涙を拭っている。女性である私とは違う苦しみ。
「ごめん!凛さんに、こんな話して」
「ううん」
「だけど、誰にも言えなかったんだー。何かスッキリ」
「お兄さんが女の人って事?」
「いやいや!違うよ」
そう言って、しゅんさんはニコニコ笑った。
「それは、隠しようがないから!兄ちゃんが、赤ちゃん欲しがってるって言えなくて!誰にも…」
「それって、無理だって言われたくなかったから?」
「そうかもな!無理に決まってるだろってわかってても言われたくなかったんだと思う」
「技術は、進歩して!医療も科学も発展してるのに…。まだ、そこは無理なんだよね」
「そうだな」
「まぁ、医療にも限界あるから」
「それは、凛さんがそうだったから?」
「そう!無理だから…。私の体は、無理」
しゅんさんは、私の背中を擦ってくれる。
「辛いな!自分の体が自分を裏切る人間って思ったら」
「そうだね」
「兄ちゃんも同じ事言ってたわ!私の体は、私を裏切るって!」
「凄く、わかる!その気持ち」
「凛さん、悲しいな」
しゅんさんは、そう言って私の背中を擦り続けてくれる。その手の温もりが伝わってきて、私はさらに泣いていた。
「大丈夫、大丈夫。いつかは、笑えるから」
「うん」
「兄ちゃんと凛さん、仲良くなれそう!あー、姉ちゃんだわ」
私は、しゅんさんの言葉に笑っていた。
「あっち側に行きたいって、いつも言ってくる」
そう言って、しゅんさんが指差した方にベビーカーを押してる母親の姿が見える。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
13
1 / 2
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる