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凛の話11

愛なんて失くなればいい

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「凛、最高だったよ!最後にふさわしかったね」

もう、死んだのかと思った。下半身が焼けるように痛くて堪らない。まだ、生きてる。よかった。

「何回出来たかな?もう、一生分は出来たね」

この日、私は蓮見信吾の玩具をやっと解放された。

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愛なんて信じない。そんなものは、幻想でしかない。セックスが大嫌いになった私は、誰とも付き合わないまま生活をしていた。

「勿体無いよ!凛ちゃん、こんなに綺麗なのに…」バイト先の片平さんは、私にいつもそう言ってくれた。龍ちゃんに出会うまで、私は闇の中を手探りで歩いていたんだと思う。龍ちゃんを紹介してくれたのは、片平さんだった。一度だけ会ってみてと言われたのだ。いやいやながら、私は、会った。

「は、初めまして、皆月龍次郎です」

「初めまして」

「あの、凛さんって呼んでも?」

「どうぞ」

自己紹介も私はしなかった。だって、目の前にいるこの人を何とも思わなかったから…。

「凛さんは、好きな食べ物はなんですか?」

「食べれたら何でもいい」

「あっ、えっ、そうですか!好きな飲み物は?」

「飲めたら何でもいい」

「そうですか」

龍ちゃんは、困っていた。

「どうせ、セックスしたいだけでしょ?」

喫茶店で、私はそう言い放った。龍ちゃんは、驚いた顔を私に向けて…。ハンカチを取り出して、汗を必死で拭ってる。

「それをしなければ付き合うって事になりませんか?」

「えっ?」

「いや、そこに行くまでの過程を全部捨てて!すぐに、そこに行かないと凛さんとは付き合えないのでしょうか?」

私は、その言葉に龍ちゃんに興味を持った。それから、半年間はこんな風にお茶をしたりご飯を食べに行った。

「結婚を前提に付き合ってもらえませんか?凛ちゃん」

そう言われた頃には、少しだけ愛を信じてた気がする。

龍ちゃんは、私の恐怖心を拭うように優しく大きな愛で包み込んでくれた。

「凛ちゃん、お待たせ」

「龍次郎君、遅い!もう帰ろうと思ってた」

「ごめんね、電車が遅れちゃって」

どんなワガママも受け入れてくれた。

「凛ちゃん」

「龍次郎君」

キスをするまでに、半年もかかるなんてあるのかと思った。

「あー、駄目だ。出来ない!それだけって思われたくない」

「いいから、続けて」

そうやって、龍ちゃんは私の痛みや苦しみをゆっくり取り除いてくれた。

「龍次郎君、私ね」

初めての人の話、蓮見君の話。全部ぶちまけた。拓夢が私にしたみたいに

「生きててよかった」

そう言って、龍ちゃんは私をギューっと抱き締めてくれた。
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