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拓夢の話12

してない…

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扉が開くなり、怒鳴り込んだ。俺は、平田さんの母親から凛を庇った。
凛の手を引いて出て行った。

嘘だよな!平田さんとしてないよな?凛、どうなんだよ。

俺は、凛に聞けない。

清算を終えて、ホテルを出てからやっと聞けた。

ホッとしてた、あの声が誰かの悪戯だってわかったから…。

部屋にやってきて、凛に音の話をしたら顔色が青ざめた。ベッドで、小刻みに震える。平田さんの母親が言った。平田さんは、不倫に向いていない意味がハッキリとわかった。

「凛、大丈夫。忘れよう」

俺は、凛の頭を真っ白にさせてあげたかった。

「拓夢……リベンジポルノなんて怖い」

「大丈夫、俺がどうにかするから…」

リベンジポルノ、平田さんがどうしてそんな事を凛にしたのか理由がわからない。

「拓夢、忘れさせて」

「うん」

俺は、凛の絶望を取り除くように肌を重ねる。絶望した凛に、また絶望を渡した平田さんを俺は絶対に許さない。

「凛、泣かないでいいよ!旦那さんにバレないように俺がしてやるからな」

「うん」

これ以上、誰かが凛を傷つける事を俺は許さない。優しく凛の胸にキスをする。

「んんっ」

「凛、可愛い過ぎて、ヤバイわ、俺」

「拓夢」

凛の温もりが俺を包み込む。

「もう、ヤバイじゃん。凛の中、凄いね」

「だって、ずっと指だけだったから」

「欲しかった?」

「言わない」

「言わなきゃやらないよ」

「意地悪しないで」

俺は、おでこを凛にくっつける。

「言って」

「欲しい、拓夢が…」

「良くできました」

「んんっ」

俺は、避妊具をして、凛の中に入る。平田さんへの怒りと凛を傷つけられた悲しみに無我夢中で腰を打ち付ける。

「ハァ、ハァ、凄い」

「凛の方が凄い」

「拓夢」

「凛」

俺は、凛の手を握りしめる。二人で、同時に果てた。

「ハァ、ハァ。平田さんの方がよかった?」

俺は、ゴミ箱に捨てながら凛の顔を覗き込んだ。

「そういうのは、誰かと比べるものじゃないでしょ」

「手でしたんだろ?それなら、どっちがよかった?」

俺は、凛の手をそれに持っていく。

「どっちとかいいじゃん。別に…」

「大きさは?長さは?形は?どっちが好み?」

「拓夢、変だよ」

「ヤキモチ妬いてるから聞いてるんだよ」

「わかんないよ。そんなの意識してないから」

「でも、ちゃんと最後まで出来るのは俺だからな」

俺は、そう言って凛の手をティッシュで丁寧に拭き取る。

「旦那さんにちゃんと会える?」

「多分」

「多分じゃ駄目だから!ちゃんとお出迎えしなきゃ!笑顔で」

凛は、ぎこちなく笑ってる。

「そんな顔じゃ、何かあったのバレバレだから」

「だよね」

「うん」

怖い気持ちがわかる。その動画を旦那さんに見せられたらって思うだけで怖いんだよな。


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