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エピローグ【凛の話1】

気にしないでいいよ

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「別にいいんじゃないかな?だって、働きたくないのと体調が悪くて働けないのは違うわけだし。それに、結婚してるわけだから旦那さんの収入の範囲で生活してるならとやかく言われる必要あるのかなー」

そう言いながら、理沙ちゃんはオレンジジュースをズズズっと飲み干した。

「嫌いなんだと思うよ!いとこも、世間も…。子なし専業主婦ってだけで、怠けてるって思われるのは事実だし。それに、私は拓夢と不倫までしちゃったわけだし」

「子なしだって、凛ちゃんが選択したわけじゃないじゃない!選んでないのに、選んだみたいな言われ方はおかしいよ。それに、世の中には働かない人もいるんだよ!ってか、体調悪くて無理して働きにこられて、結果休みまくる人間の方が専業主婦より迷惑だから!」

理沙ちゃんは、誰かを思い浮かべたのか、眉を寄せながら怒っていた。

「何かわかる」

「本当?」

「私は、若い頃!子供いる人が居て、出勤しては保育園からの呼び出しで帰って行ってた。それを当たり前みたいにみんな黙認してて…。文句を言ったら、私もそっち側になるんだからって言われたから」

「それめちゃくちゃわかる。理沙ちゃん、かわって次は入るからとかってよく言われた!でもね、次なんかないんだよ!また、同じようになんの」

「わかるよ!あの時、あの人達を嫌ってたから私は、子なしなのかなー」

理沙ちゃんは、怒った顔をして「そんなわけないじゃん」って私に言った。そして、優しく頭を撫でる。

「凛ちゃんが、赤ちゃんを切望してる気持ち理沙にはよく理解出来ないよ。でも、優太と一緒になってそうなったら理沙も切望するのがわかる。だって、愛する人の赤ちゃんは欲しいもんね」

「うん…。でも、龍ちゃんは浮気してる。こんな私なんかいらなくなっちゃったのかもね。40前で、子供作れないような女より若い子がよくなったのかもね…。実際、私も龍ちゃんがそうしたらいいって思ってた。誰か別の人との赤ちゃんを作ればって…。でも、実際にそうなるかもって思うとこんなに悲しいんだね」

理沙ちゃんは、無言で私を抱き締めてくれる。

「私が、望んだからこうなっちゃったんだよ。だから、龍ちゃんが若い人と浮気して赤ちゃんが出来ても責められない。私に出来る事は、笑顔で「今までありがとう」って伝える事だけだから」

理沙ちゃんは、私をさらに抱き締めてくれてこう言った。

「もしも、凛ちゃんの旦那さんが浮気してるなら…。凛ちゃんは、たくむんと幸せになればいいだけだよ!子供が出来ない事で凛ちゃんを捨てる人なら、凛ちゃんが捨てればいいんだよ」

その言葉に、大粒の涙が頬を流れていく。皆月龍次郎を愛しているのがわかる。私は、馬鹿な人間なんだ。そう強く思った。

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