370 / 646
エピローグ【凛の話2】
私が、守らなくちゃ…
しおりを挟む
拓夢が、いなくなった。私は、蓮見君を警察につき出せなかった。龍ちゃんと拓夢を守りたかった。それと、龍ちゃんにここにいるのをバレる気がした。
拓夢が戻ってきて、私は綺麗にして欲しいと懇願した。私のせいで、拓夢の人生がどうにかなったらと思うと不安だった。
不倫は、致命的。これから、デビューする拓夢にとっては、絶対に出てはいけないスキャンダルだった。
「凛、大丈夫?」
「もう、大丈夫」
「それなら、いいけど」
「拓夢のお陰で、大丈夫だよ」
「シャワー浴びようか?」
「うん!あっ、晩御飯の材料しまわなくちゃ」
「卵は、なくなっちゃったから、明日買ってこようか?」
「大丈夫!私が、明日行くから」
拓夢は、私の頭を撫でる。
「蓮見が、また来るかもしれないだろ?」
「大丈夫だよ!来ないよ」
「本当に?」
「本当に…」
何となくだけど、蓮見君は、もう来ない気がしていた。
「じゃあ、お風呂沸かしてくるよ」
「拓夢」
「何?」
「理沙ちゃんが、もうすぐ来るから…」
「わかった!理沙ちゃんには、何も言わないから…。大丈夫だから」
そう言って、拓夢は笑ってから部屋を出て行った。
ごめんね、拓夢。
私は、拓夢に話せなかった。蓮見君に言われた事を…。何も、言えなかった。
私は、服を整えて立ち上がる。「龍ちゃん」そう呟いて泣いていた。
龍ちゃんと結婚する私に、蓮見君は何度も言った「あいつを殺していい?」その度に、拒めなくて受け入れるしかなかった。
どうして、また私の人生に現れるの…。引きちぎられたボタンを広いながら泣いていた。
「凛、お風呂沸かしてきたよ」
拓夢は、そう言ってフワリと私を抱き締めてくれる。
「大丈夫、大丈夫。俺が何とかするから」
「ごめんね。私、警察に…」
「言いたくない理由があるんだろ?」
私は、その言葉に頷いた。
「それなら、仕方ないよな」
拓夢は、そう言って笑ってくれる。
「ごめんね。いつか、必ず話すから…」
「いいって!気にしないで」
拓夢は、そう言って頭を優しく撫でてくれる。
「あっ!服だな!俺のでいいかな?」
「あっ、うん」
拓夢は、私にTシャツと短いズボンを渡してくれる。
「これでいい?」
「うん。お風呂から入ったら着るね」
「うん」
私は、ポケットにボタンを入れて歩きだした。
玄関の靴は、綺麗に直されていた。私は、鞄をとってから玄関に行ってビニール袋を取って持って行く。キッチンの椅子や机も拓夢が整えてくれていた。
どうして、蓮見君が私と拓夢の事を知っていたのだろう?
だって、あの日、蓮見君の娘が見せたのは、凛君との写真だった。
なのに、何故?
拓夢の事を知っていたの?
誰に、雇われたの?
私は、冷蔵庫に食材をしまった。
【お風呂が沸きました】
その音が、響き渡っていた。
拓夢が戻ってきて、私は綺麗にして欲しいと懇願した。私のせいで、拓夢の人生がどうにかなったらと思うと不安だった。
不倫は、致命的。これから、デビューする拓夢にとっては、絶対に出てはいけないスキャンダルだった。
「凛、大丈夫?」
「もう、大丈夫」
「それなら、いいけど」
「拓夢のお陰で、大丈夫だよ」
「シャワー浴びようか?」
「うん!あっ、晩御飯の材料しまわなくちゃ」
「卵は、なくなっちゃったから、明日買ってこようか?」
「大丈夫!私が、明日行くから」
拓夢は、私の頭を撫でる。
「蓮見が、また来るかもしれないだろ?」
「大丈夫だよ!来ないよ」
「本当に?」
「本当に…」
何となくだけど、蓮見君は、もう来ない気がしていた。
「じゃあ、お風呂沸かしてくるよ」
「拓夢」
「何?」
「理沙ちゃんが、もうすぐ来るから…」
「わかった!理沙ちゃんには、何も言わないから…。大丈夫だから」
そう言って、拓夢は笑ってから部屋を出て行った。
ごめんね、拓夢。
私は、拓夢に話せなかった。蓮見君に言われた事を…。何も、言えなかった。
私は、服を整えて立ち上がる。「龍ちゃん」そう呟いて泣いていた。
龍ちゃんと結婚する私に、蓮見君は何度も言った「あいつを殺していい?」その度に、拒めなくて受け入れるしかなかった。
どうして、また私の人生に現れるの…。引きちぎられたボタンを広いながら泣いていた。
「凛、お風呂沸かしてきたよ」
拓夢は、そう言ってフワリと私を抱き締めてくれる。
「大丈夫、大丈夫。俺が何とかするから」
「ごめんね。私、警察に…」
「言いたくない理由があるんだろ?」
私は、その言葉に頷いた。
「それなら、仕方ないよな」
拓夢は、そう言って笑ってくれる。
「ごめんね。いつか、必ず話すから…」
「いいって!気にしないで」
拓夢は、そう言って頭を優しく撫でてくれる。
「あっ!服だな!俺のでいいかな?」
「あっ、うん」
拓夢は、私にTシャツと短いズボンを渡してくれる。
「これでいい?」
「うん。お風呂から入ったら着るね」
「うん」
私は、ポケットにボタンを入れて歩きだした。
玄関の靴は、綺麗に直されていた。私は、鞄をとってから玄関に行ってビニール袋を取って持って行く。キッチンの椅子や机も拓夢が整えてくれていた。
どうして、蓮見君が私と拓夢の事を知っていたのだろう?
だって、あの日、蓮見君の娘が見せたのは、凛君との写真だった。
なのに、何故?
拓夢の事を知っていたの?
誰に、雇われたの?
私は、冷蔵庫に食材をしまった。
【お風呂が沸きました】
その音が、響き渡っていた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
13
1 / 2
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる