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エピローグ【拓夢の話2】

明日一日を俺に下さい

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凛は、「拓夢」って言って俺の背中に回した手でシャツをギュッと掴んでいる。泣いてるのがわかる。

「出会わないなんて、拓夢は悲しくないの?」

「それは、今の気持ちだろ?龍ちゃんと子供がいて笑える人生なら…。俺は、いなくていいんだよ。凛の人生が幸せに包まれてるだけで…。俺は幸せを感じられる」

「拓夢」

「凛、愛してる」

一生一緒にいる事が出来たとしても、俺はもう凛にこうする事など出来ないのをわかってる。

「拓夢、有名になっても、誰かを好きになって恋に落ちても、私を忘れないでくれる?」

凛は、そう言って俺を見つめる。俺は、凛の顔を覗き込む。凛の目の中に俺が映ってる。

「忘れないに決まってるだろ」

「拓夢」

「俺に、もう一度、愛する事を教えてくれたのは凛だよ。だから、忘れるわけない。凛も、忘れないで」

俺は、凛の頬に手を当てる。

「忘れない。だって、あの日、私の絶望を拭ってくれたのは拓夢だよ。二度とこんな風に出来なくたって…。私の中で、拓夢は特別だから…」

「旦那さんと出会ってなかったら、俺を選んでくれてた?」

凛は、ゆっくり頷いてくれる。俺は、それだけで充分だった。もう、他には何もいらなかった。

「凛!明日一日を俺に下さい」

「はい」

「凛とやりたい事があるんだ」

「はい」

俺の指に凛の涙があたる。眠る事さえ勿体ない程…。俺は、凛を刻み付けたかった。

「凛、愛してる」

「拓夢、愛してる」

俺は、凛の唇に唇をゆっくり重ねる。優しく丁寧にキスをする。

「激しいセックス以外も出来るよ」

俺は、凛の背中に手をゆっくりと入れてく。

「俺のシャツ着てるのエロイ」

凛は、恥ずかしいから目を伏せる。

「目、見てて」

俺は、凛のブラジャーのホックに手をかける。
凛は、困ったように俺を見つめてる。

「くすぐったい?」

「うん」

「意外に背中弱いのかな?」

「今日は、何かくすぐったい…」

「へー」

俺は、ブラジャーのホックを外した。ブラジャーの跡を指でなぞる。
凛の体がビクッとして、凛の顔は、さらに困っている。

「気持ち悪い?」

「何か、くすぐったいの…」

「気持ちよくなるのかな?」

「わからない」

俺は、右手で背骨のラインを指でなぞりながら、左手でブラジャーの跡をなでる。凛は、腰をつきだしてくる。

「変な感じがする」

凛は、そう言って俺を見つめる。

「背中、凝ったのかな?家と違うから…。俺の家のベッドだし」

「わからない」

「マッサージしようか?」

「いいよ!くすぐったいから」

凛の反応が、可愛くて堪らない。俺は、凛の唇にまたキスをする。
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