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エピローグ【拓夢の話3】

合流する

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「ついたな!」

「うん」

まっつんは、そう言ってホームにおりる。俺も、一緒におりた。

「もう、いなかったじゃん」

理沙ちゃんは、まっつんに近づいてきた。

「途中から、人、結構乗ってきたね」

凛が、俺を見つめて話す。

「確かに、乗ってきた」

「でも、まだすいてたよねー」

理沙ちゃんは、そう言ってまっつんに笑った。

「ヤバ!走るぞ」

まっつんは、駅の時計を見つめてそう言った。俺達は、階段を一段飛ばしに、歩いて行く。

「遅刻?」

「少なくとも、ギリギリだな」

まっつんが、そう言うと理沙ちゃんは、ムスッとしながら「だから、七時半でしょって言ったのに」と言っていた。

「ごめんって、ちょっと急ごう」

俺達、四人は早歩きで歩いて行く。

そのお陰で、9時48分には、何とか事務所の下についた。エレベーターに乗って、事務所の階で降りる。

ドアを開けようとした時だった。

「よかった!間に合ったね」

相沢さんが、現れた。

「おはようございます」

「おはよう!じゃあ、行こうか」

そう言って、出てくる。

「あの、どこに?」

「スタジオだよ!うちが、借りてる」

そう言われて、俺達は相沢さんについていく。

「おせーな!」

「おはよう」

かねやんとしゅんが、現れる。

「みんな揃ったから、行こう!運転手の、南藤(なんどう)」

「おはようございます。南藤です」

「おはようございます」

俺達は、エレベーターに乗りながら自己紹介をする。

「ここから、車で15分ぐらいの場所にあるスタジオで撮影するからね」

相沢さんは、そう言いながら手帳を開いていた。

エレベーターが、一階につく。「駐車場は、こっちです」と南藤さんに言われてついていく。大きな車が、現れる。

「みんな乗れるよね?」

相沢さんは、そう言って人数を数えている。

「8人だから、大丈夫だな」

「はい」

南藤さんは、運転席に乗る。相沢さんは、助手席に乗った。俺達は、後部座席に乗る。一番後ろに、かねやんとしゅんが乗った。次に、凛と理沙ちゃんが乗って、俺とまっつんが最後に乗った。

「じゃあ、行くよ」

相沢さんの言葉で、南藤さんがエンジンをかけて出発する。

「走りながらでいいからで、聞いてくれるかな?」

『はい』

「今日、ジャケットとPVを撮影してくれる人は、智天使(ケルビム)も担当してる人です」

『はい』

「その人は、曲のイメージと君達を見て。どんな撮影をするかを決める人です」

『はい』

「彼が描く世界は、ハッキリいって売れます」

相沢さんは、そう言って振り返った。

「君達がどんな気持ちを込めて歌詞を書いていたとしても、彼が悲劇だと思えばその通りに撮影をしてもらう。嫌なら、今すぐ帰る事だ」

相沢さんの言葉に、俺達は全員黙り込む。

「返事をしないのが、答えだと受け取ってもいいのかな?」

その言葉に、俺達は「はい」と小さく呟いていた。

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