上 下
603 / 646
新しい未来へ~互いを救ってくれた愛と共に…。~【凛と拓夢の話3】

駄目かな?【凛】

しおりを挟む
『いただきまーす』

私と龍ちゃんは、向かい合って座る。

久しぶりに、ご飯を一緒に食べる。

「本当に、嬉しいな」

龍ちゃんは、ニコニコ笑いながらご飯を食べている。龍ちゃんが、喜んでいるのを見ているだけで私も嬉しい。

『ご馳走さまでした』

同時に食べ終わった。

「話って何?」

龍ちゃんは、少し心配そうな顔をしていた。

「あのね…」

私は、理沙ちゃんの話を龍ちゃんにした。

「そうか…。いいんじゃないかな?やってみたら?」

「本当に?」

「うん。それが、二人の為になるなら、俺はいいと思うよ」

龍ちゃんは、そう言って笑ってくれた。

「ありがとう。やってみます」

私は、龍ちゃんに笑っていた。

この日は、龍ちゃんと変わらない日常を過ごして一緒に眠った。

次の日、私は理沙ちゃんに連絡してやる事を伝えた。

そして、その日から3日が経った。

久しぶりに駅に向かった私の前に…。

「お久しぶりです」

相沢さんが現れた。

「あっ、えっと…」

「大切な相談があって、凛さんを昨日から待ってました。会えなかったら、電話しようと思っていました」

「何でしょうか?」

私の言葉に、相沢さんは「こっちに」と言った。あの日みたいに車にやってきた。

「凛さんにお願いしたい事があります」

「はい、何でしょうか?」

「薔薇の花束を108本買ってきてもらえますか?お金は、後でお支払いします」

「はい」

そう言って、相沢さんは私を見つめてこう言った。

「松田君と理沙ちゃんの結婚を認めてあげたいと思ったんです」

「じゃあ、二人は…」

「俺は、結婚して欲しいと思っています」

私は、相沢さんの言葉に泣いていた。

「どうぞ」

「すみません」

私は、相沢さんからティッシュを受け取っていた。

「運命なんて言葉に振り回されて欲しくないんです。運命なんてものは、自分で作るものだと俺は思っているんですよ」

「そうだと思います」

私は、そう言って泣いていた。

「きっと、松田君は諦めてるんだと思うんです。理沙ちゃんとは、もう一緒になれないって…」

「それは、理沙ちゃんも同じだと思います」

「やっぱり、そうですか…。二人には、結婚して欲しいんですよ。凛さんも同じ気持ちですか?」

「はい。相沢さんと同じ気持ちです」

私は、そう言って笑った。

「四日後、協力お願いしますね」

「はい、勿論です」

私は、そう言って相沢さんと握手をした。

「じゃあ、よろしくお願いします」

「はい、わかりました」

私は、相沢さんにお辞儀をして車から降りた。

相沢さんの言った、運命は作るものだという言葉に私も納得していた。運命だからって受け入れたり、諦めたり、そういうのは違うんだよね。運命は、自分で作るものなんだよね。

しおりを挟む

処理中です...