俺の王子様-3lover-

三愛 紫月 (さんあい しづき)

文字の大きさ
10 / 40

キスしてみる?

しおりを挟む
マンションの一室にやってきた。

「今ここ借りてるの」

そう言って鍵を開けて、中に入る。

「秋帆と住んでるんだよ。」

そう言って、どんどん中に入って行く。

「物、あんまないんやね」

「そやねん。俺と心春は、3年前からこんな生活で。あっちこっち転々としてんねん。」

「そうなんやね。今は、この街に住んでるって事?」

「そうそう、今年の初めに住んだんだ。」

そう言いながら、焼き肉をする為の準備を心春君がしてる。

「美月君と付き合うってなるなら、美月君の街に引っ越すよ。」

「だから、そう言うのはやめろって言うてるやろ」

「わかってるよ。」

そう言って笑って、準備してる。

「だから、心春」

「はいはい」

「はいは、一回」

俺のおかんみたいだ。

「笑ってんのか?」

「あっ、ごめん。おかんみたいって思って」

「そっか、おかんか。ハハハ」

そう言って、準備してる。

「肉食おうぜ、肉」

そう言って、準備が終わった心春君が肉を焼いていく。

「野菜も食べるんやで」

秋帆君は、やっぱりおかんみたいだ。

こう見てると、二人は綺麗だ。

心春君は、女の子みたいに細くて、顔立ちも女の子みたいに目の印象も柔らかくて、声も、話し方もとにかく柔らかい。
全てから、優しさが滲み出てる。
眼鏡ない方が、いいのにな。
でも、眼鏡ないとモテそうだよな。

秋帆君は、シュッとしていて、綺麗な顔の男の子だ。
話し方も、声も男らしくて、鍛え上げられた肉体がより秋帆君の男らしさを作り上げてる。
全てから、男らしさを感じる。

心春君は、守ってあげたいけど秋帆君は、守られたいって感じだ。

「焼けたよ。ワインあけよ。」

「はいよ」

そう言ってワインを開ける。

グラスにワインを注ぐ。

「久しぶりの再会に、乾杯」

「乾杯」

俺は、ワインを飲む。

「肉、肉」

「野菜も」

「はい、はい」

「はいは、一回」

そんなやりとりが、繰り広げられる。

「ホンマ、うまいな」

「うまいっすね」

「美味しいな」

そう言って、笑った。

「あのさ、聞いていいんかわからんかったんやけど」

「なに?」

「トイレのやつ、いつからやられてたんや?」

そう言って、秋帆君が聞いてきた。

「小学5年生」

「マジでいってんのか?あいつらか」

「うん」

俺は、初めて話した。

軽蔑されたくなくて、おかんにもおとんにも奈美姉ちゃんにも言わなかった。

唯一、知ってたのは双子の姉ちゃんだけだった。

「辛い思いしてたんだね」

心春君が、俺の頭を撫でた。

「みんなで、向こうで少しだけ話そうよ」心春君の言葉に秋帆君が、火を消した。

ワインとワイングラスを持って、ソファーに三人で並んで座った。

「会ったらちゃんと、お礼言うつもりやった。秋帆君がおらんかったら、俺はあいつらにもっと酷いことされてたし。心春君がおらんかったら学校の授業に最後までおれんかった。ありがとう、ずっと俺を助けてくれて」

俺の目から涙が流れてくる。

心春君が、後ろから俺を抱き締める。

「次に会ったらこうしてあげようって決めてた。」

そう言って、抱き締めてくれる。

秋帆君が、頭を撫でてその手で唇に触った。

「いっつも、真っ赤やったな。もっと早く助けたりたかったけど、キスだけはそしできんくてごめんな。」

俺は、首を横にふった。

「ずっと、キスしたかった。」心春君が、俺の背中に頭をピッタリくっつけて話す。

「してみる?」

俺の言葉に、二人が止まった。

「ええの?」

「うん、でも、三人ではできへんよ。」

「そりゃそうやな。」

「秋帆から、先にしなよ。」

そう言って、心春君が笑ってる。

「僕は、後ろから抱き締めてるよ。」

そう言われて、秋帆君が俺を見つめてる。

「絆創膏、剥がすで」

「うん」

ゆっくり絆創膏を剥がされて、優しく唇が重なった。

「ふぅー」よくわからないけど、息がもれた。

「気持ち悪(わる)くなかったんか?」

俺は、恥ずかしくてうつ向いてしまった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

番に見つからない街で、子供を育てている

はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。 異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。 現世の記憶は失われているが、 この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。 街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、 ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。 だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。 再会は望まない。 今はただ、この子との生活を守りたい。 これは、番から逃げたオメガが、 選び直すまでの物語。 *不定期連載です。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

僕の、しあわせ辺境暮らし

  *  ゆるゆ
BL
雪のなか僕を、ひろってくれたのは、やさしい男の子でした。 ふたりの、しあわせな辺境暮らし、はじまります! ふたりの動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵もあがります YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!

人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました

よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、 前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。 獣人が支配する貴族社会。 魔力こそが価値とされ、 「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、 レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。 そんな彼を拾ったのは、 辺境を治める獣人公爵アルト。 寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。 溺愛され、守られ、育てられる日々。 だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。 学院での出会い。 貴族社会に潜む差別と陰謀。 そして「番」という、深く重い絆。 レオンは学び、考え、 自分にしかできない魔法理論を武器に、 少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。 獣人と人族。 価値観も、立場も、すべてが違う二人が、 それでも選び合い、家族になるまでの物語。 溺愛×成長×異世界BL。 読後に残るのは、 「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。

過去のやらかしと野営飯

琉斗六
BL
◎あらすじ かつて「指導官ランスロット」は、冒険者見習いだった少年に言った。 「一級になったら、また一緒に冒険しような」 ──その約束を、九年後に本当に果たしに来るやつがいるとは思わなかった。 美形・高スペック・最強格の一級冒険者ユーリイは、かつて教えを受けたランスに執着し、今や完全に「推しのために人生を捧げるモード」突入済み。 それなのに、肝心のランスは四十目前のとほほおっさん。 昔より体力も腰もガタガタで、今は新人指導や野営飯を作る生活に満足していたのに──。 「討伐依頼? サポート指名? 俺、三級なんだが??」 寝床、飯、パンツ、ついでに心まで脱がされる、 執着わんこ攻め × おっさん受けの野営BLファンタジー! ◎その他 この物語は、複数のサイトに投稿されています。

青龍将軍の新婚生活

蒼井あざらし
BL
犬猿の仲だった青辰国と涼白国は長年の争いに終止符を打ち、友好を結ぶこととなった。その友好の証として、それぞれの国を代表する二人の将軍――青龍将軍と白虎将軍の婚姻話が持ち上がる。 武勇名高い二人の将軍の婚姻は政略結婚であることが火を見るより明らかで、国民の誰もが「国境沿いで睨み合いをしていた将軍同士の結婚など上手くいくはずがない」と心の中では思っていた。 そんな国民たちの心配と期待を背負い、青辰の青龍将軍・星燐は家族に高らかに宣言し母国を旅立った。 「私は……良き伴侶となり幸せな家庭を築いて参ります!」 幼少期から伴侶となる人に尽くしたいという願望を持っていた星燐の願いは叶うのか。 中華風政略結婚ラブコメ。 ※他のサイトにも投稿しています。

執着

紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

処理中です...