俺の王子様-3lover-

三愛 紫月 (さんあい しづき)

文字の大きさ
11 / 40

大丈夫や、気にすんな

しおりを挟む
秋帆君は、俺の顔を自分の方に向けた。

「恥ずかしいんか?」

俺は、頷いた。

「大丈夫や、気にすんな」

そう言って笑ってくれた。

「こんなん、でたことなくて」

俺は、ずっとドキドキしてた。

「今まで、付き合ってきてもなかったんか?」

「うん。」

「へー。なんか、嬉しいな」

照れ臭そうに頭を掻いてる。

「ずるいよ。次は、僕」

「はい」

そう言って、俺を心春君の方に向けた。

秋帆君は、俺に背中をくっつけて座った。

「いくよ、緊張しないでね」

そう言われて、頷く。

心春君が、優しく唇を重ねた。

「ふぅんー」

また、鼻息がもれてしまった。

唇を離されて、俺は下を向いた。

「恥ずかしいの?」

うんって頷く。

「顔、あげてごらん」

そう言って、顔をあげさせられた。

「もうちょっとしてみる?」

俺は、ゆっくり頷いた。

頷くと、心春君がまた唇を重ねてくれてさっきより深くキスをされる。

「ハァ…」

次は、息がもれた。

「可愛いね」

そう言って、笑ってくれた。

心春君の優しいキスに頭の中は、とろけていた。

背中をくっつけていた秋帆君が、俺をくるりと自分の方に向けた。

「ごめん、俺ももう少しさせてくれんか?」

俺は、頷いた。

心春君は、さっきと違って背中にくっついていた。

秋帆君が、ゆっくり唇を重ねてきてさっきよりキスを深くする。

「ハァ…」また、息がもれてしまった。

心春君とは違う、強いキスに頭の中がジーンとする。

俺は、恥ずかしくてうつむく。

「にんにくが、勝ってるね。アハハハ」

そう言って心春君が、笑った。

「初めてのキスは、にんにく味やね。」

そう言って秋帆君が、笑ってる。

「嫌やったのに、ごめんな。」

「ううん、こんな気持ち初めてやから何かようわからへん」

「ゆっくり、気づいていけばいいよ」

そう言って、頭を撫でてくれる。

「ありがとう」

そう言って、笑った俺を二人は抱き締めてくれた。

トクン、トクンと自分の胸の音が聞こえていた。

この気持ちが、なんなのかわからなかった。

「俺、もっと美月君の事知りたなったわ。」

「僕もだよ」

そう言って二人が、笑ってくれた。

「あんな、俺も二人の事知りたいわ。後な、君読みはもうやめへん?なんか、そのな。」

言いづらく話す俺に心春君は、ジッーと顔を覗き込んでから

「付き合ってみたいの?」って聞いてきた。

「うん、やってみたいねん。男、女関係なしに、二人と生きてみたいねん」

「ハハハ、俺は、ええよ。美月が嫌やないなら」

「僕もいいよ。でも、付き合うならあの頃みたいに傍に居たい。もう、離れるのはいやだから」

そう言って、心春君が泣いてくれる。

「俺も、もう二人と離れるんはいやや。俺は、今、姉ちゃんが姫路におって、おかんとお隣さんに住んでる」

「お隣さんってなんや?」

「隣の市にいるって事じゃないの?」

「そや、お隣さんや!何でそう呼んでるかって言うと、おかんが姉ちゃんに住んでる場所言うてへんねん」

「何で、言わんのや?」

「近くに来んな言われてんのに、俺の為に引っ越してきたはずやから…。」

「そうなんだね。じゃあ、僕達もそのお隣さんに住めばいいんだね。」

「田舎やで、ここに比べたら…。ええの?」

「別にええで、ここより空気うまそうやし」

「僕もいいよ。ネオンのキラキラには飽きたから」

そう言って、二人は笑ってくれる。

あの、占い師のおばさんは当たっていた。

俺の人生は、これから幸せになる予感しかなかった。

「もし、このままおるならおかんも一緒に住もか?」

「それ、いいね」

「ホンマに、ええの?」

「このまま、ずっとおるならな」

そう言って、頭を撫でてくれる。

「僕と秋帆は、二人で歌うたってるの知ってる?」

「しらんかった。」

「22歳から、32歳までの10年間は、結構活躍してたんだよ。TVや映画やモデルとしても出てたんだけどね。」

「残念やったな。」

「なんで?」

「だって、心春は美月に見つけてもらうために俺と歌うたってたんやから」

「心春の話、聞かせてくれん?俺との出会いから」

そう言った俺に、心春が話し出した。

懐かしそうに思い出しながら…。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

番に見つからない街で、子供を育てている

はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。 異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。 現世の記憶は失われているが、 この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。 街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、 ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。 だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。 再会は望まない。 今はただ、この子との生活を守りたい。 これは、番から逃げたオメガが、 選び直すまでの物語。 *不定期連載です。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

僕の、しあわせ辺境暮らし

  *  ゆるゆ
BL
雪のなか僕を、ひろってくれたのは、やさしい男の子でした。 ふたりの、しあわせな辺境暮らし、はじまります! ふたりの動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵もあがります YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!

人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました

よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、 前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。 獣人が支配する貴族社会。 魔力こそが価値とされ、 「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、 レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。 そんな彼を拾ったのは、 辺境を治める獣人公爵アルト。 寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。 溺愛され、守られ、育てられる日々。 だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。 学院での出会い。 貴族社会に潜む差別と陰謀。 そして「番」という、深く重い絆。 レオンは学び、考え、 自分にしかできない魔法理論を武器に、 少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。 獣人と人族。 価値観も、立場も、すべてが違う二人が、 それでも選び合い、家族になるまでの物語。 溺愛×成長×異世界BL。 読後に残るのは、 「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。

過去のやらかしと野営飯

琉斗六
BL
◎あらすじ かつて「指導官ランスロット」は、冒険者見習いだった少年に言った。 「一級になったら、また一緒に冒険しような」 ──その約束を、九年後に本当に果たしに来るやつがいるとは思わなかった。 美形・高スペック・最強格の一級冒険者ユーリイは、かつて教えを受けたランスに執着し、今や完全に「推しのために人生を捧げるモード」突入済み。 それなのに、肝心のランスは四十目前のとほほおっさん。 昔より体力も腰もガタガタで、今は新人指導や野営飯を作る生活に満足していたのに──。 「討伐依頼? サポート指名? 俺、三級なんだが??」 寝床、飯、パンツ、ついでに心まで脱がされる、 執着わんこ攻め × おっさん受けの野営BLファンタジー! ◎その他 この物語は、複数のサイトに投稿されています。

青龍将軍の新婚生活

蒼井あざらし
BL
犬猿の仲だった青辰国と涼白国は長年の争いに終止符を打ち、友好を結ぶこととなった。その友好の証として、それぞれの国を代表する二人の将軍――青龍将軍と白虎将軍の婚姻話が持ち上がる。 武勇名高い二人の将軍の婚姻は政略結婚であることが火を見るより明らかで、国民の誰もが「国境沿いで睨み合いをしていた将軍同士の結婚など上手くいくはずがない」と心の中では思っていた。 そんな国民たちの心配と期待を背負い、青辰の青龍将軍・星燐は家族に高らかに宣言し母国を旅立った。 「私は……良き伴侶となり幸せな家庭を築いて参ります!」 幼少期から伴侶となる人に尽くしたいという願望を持っていた星燐の願いは叶うのか。 中華風政略結婚ラブコメ。 ※他のサイトにも投稿しています。

執着

紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

処理中です...