秘密のdiary【恋と嘘】

三愛 紫月 (さんあい しづき)

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若龍臣の秘密

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嘘や、嘘やって、いい続ける俺の肩をおばちゃんは掴んだ。

「嘘やない。だって、たっちゃんゆうたで。三(さん)には、最後の瞬間見せたないって。それとな、おかん、俺、人生で一番愛してる人見つけてしもたから死にたくないねんけどなって」

「そんなん嘘や。だって、八(はち)さんが好きやってゆうてた。愛してるって」

「信じられへんやろ?口でゆわんかったあの子が悪いな。せやけど、八(はち)より愛してるゆうてたで。三(さん)がこんなにいっぱいなん。朝起きてから気づいたゆうてたわ。もう、死ぬんわかってて素直になったんやないの?」

おばちゃんは、そう言って俺を抱き締めてくれた。

「ごめんな。もっと素直な子に育ててたらよかったな。たっちゃんも、三ちゃんとは小さな頃からおったし。九你臣(くにおみ)と歳が同じやから、なかなか気づかんかったんやと思うで。はい、これ」

おばちゃんが、折り紙を渡してきた。

あいしてる、さん。

「きったない字やろ?せやけど、苦しい中で、頑張って書いたんやで、認めたってや。あの子の気持ち」

「あーあーぁぁぁぁぁぁ」

栓が、外れたみたいに泣き崩れた。

「三ちゃん、たくさん泣き」

「ごめんなさい。ごめんなさい。寿命を短くしてごめんなさい」

「そんなわけないわ。むしろ、三ちゃんのお陰で、余命よりなごう生きたやん」

「男やのにごめんなさい。女やったら子供残せたのに」

「アホな事いいなや。」

おばちゃんは、俺の頭をポンポンと叩いた。

「あんな、三ちゃん。男を好きになろうが、女を好きになろうが何でもかまへん。大事なんは、一生で親以上に愛する人が出来たかどうかやっておばちゃん思ってる。」

そうゆうと、涙がとまらへん俺の手を握りしめた。

「龍臣(たつおみ)の親以上に愛する人になってくれてありがとうね。三ちゃんは、龍臣(たつおみ)がなれたかな?」

「当たり前やん。俺、16歳で気持ちに気づいた時からたつくんは誰よりも一番やったよ。」

「こんな嬉しい事はないわ。ありがとうな」

おばちゃんは、頭を撫でてくれた。

「一人で、しばらく泣いとき」

そう言われて、部屋を出ていった。

おばちゃんから、もろた紙を広げた。

【三(さん)にお願いがあります。日記帳の最後のページに詳しい事は書いてますが、竹を支えてあげてほしいです。】

もう一枚を捲る。

【俺、三(さん)をちゃんと好きやったよ。だから、三(さん)には最後はおうたらへん。だって、最後を思い出したら三(さん)は、もう恋なんてしないってゆうやろ?俺だけを愛して生きてくには、三(さん)の人生は長すぎるで。三(さん)には、幸せでいて欲しい。】

「ぁぁぁぁぁぁあ。たつくん。たつくん。何で死んだんや。何でや。癌なんてなんであるねん。俺が、たつくんの体のがん細胞消してやりたかった。ぁぁぁぁぁぁあ。ぁぁぁぁぁぁあ。いやや、いやや、一人にせんといて。いやや、生きてかれへん。生きてかれへんよ。」

俺は、たつくんの部屋で一人叫んで泣いて、疲れて寝た。

コンコン

「おはよう、三ちゃん。」

「おばちゃん」

「よう、叫んでたな。ハハハ。何ゆうてるかわからんかったけど。はい、お水」


「ありがとう」

俺は、水を飲んだ。

「通夜の時、寝ずの番するか?」

「はい」

「じゃあ、九你臣(くにおみ)の次やな。最後は、ゆっくりたっちゃんと過ごしいな」

「はい」

俺は、一旦喪服に着替える為に家に帰った。

たつくんに渡されていた、日記の最後を読んでいた。

竹君の話が、かかれていた。

すごい内容やったけど…。

俺に出来るかわからへんけど、やってみるしかない。

喪服に着替えた。

通夜の寝ずの番が始まり、俺は九(きゅう)の次にやった。

色の抜けた肌、昨日まで暖かかったキスをした唇、弱々しいながらも抱き締めてくれた腕、暖かかった頭。

全部、全部、作り物の世界やった。

俺って、生きてるんかな?

それぐらい静止画で、動いてない。

たつくんの手を繋いだら、氷みたいに冷たい。

もう、血が通った人間の皮膚ではなく。

触(さわ)り続けるのは躊躇われる程の神聖な肉体に感じた。

もうこの体は、若龍臣(わかたつおみ)のものではない。

神聖なものにかわった気がして。

気安く触(さわ)る事は、もう二度と出来ない。

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