不思議な関係

元通りだよね？

何か、何してても辛くて、昨日は早く寝た。

巽君との不思議な関係は、終わった。

今までの日常に戻るだけだよ。

そう言い聞かせた。

朝、勇作が起きてきた。

「おはよ」

「おはよう」

TVをつける。

「まだ、やってるんだね。」

朝御飯を持ってきた私に言う。

「本当だ。他にNEWSないんじゃない？」

「そうだね。」

そう言って、勇作はチャンネルをかえた。

毎日、毎日、流されるんだ。

昨日、彼に言われた不倫してるってなったらjewel終わるからの意味がわかった気がする。

勇作は、いつも通りシャワーを浴びる。

あがってきてから

「りーちゃん、俺、来週火曜日から5日間主張だけど大丈夫？いれる？」

胸が、ざわざわする。

「大丈夫だよ。前よりましだから」

「そう。ダメならお義母さんとこにすぐ行ってよ。頼んでおくから」

「わかってる。」

「じゃあ、行ってくるね。」

「行ってらっしゃい。」

なんだろう。

静止画みたいな世界にいるみたい。

全部の音も遠くに感じる。

出会わなかった日にもどれないのかな？

今まで、出会った事のない存在だった。

巽君と私、元は一人の人間だったのかな？って思うぐらい。

何か言葉にするのは、難しい。

たぶん、誰にも理解されない。

前世があるなら、一人の人間だったんじゃない？って思うぐらい。

魂が、二つに分裂したんじゃないって思うぐらい。

巽君と、話してるの楽しくて幸せで

勇作に思う気持ちじゃなくて

って、いうより誰とも味わった事がないぐらいの気持ち。

なんだろう。

本当にうまく説明できないよ。

スマホで、jewelのライブ日程を探す。

東京…東京…東京

行けない。

新幹線乗れない。

終わった。

しかも、勇作がいない時はないではないか

行けたとしても、終わってたわ。

もう、会うなって事だね。

お皿洗おう。

洗いながら、考える。

勇作が、出張行くけど一人で、いれるかな？

ここ最近、動悸と不安感なかったのに。

何か、剥がれたかな。

はぁー。

お皿洗い終わって、掃除機かけたら、何か全てがダルくなって

ベッドに横になった。

ダルいなぁ。

何か、全身が…

ムギ姫が、近くにきた。

「ちゃんとお母さんしてるじゃん」って巽君の声が頭に響く。

涙がポロポロこぼれてきた。

何で、嘘ついたんだろう。

会わなかったらよかっただけだよね。

出会わなかったらよかった。

次の日行かなかったら、もう一生会わなかったよね。

何で、行ったのかな？

何で、契約したのかな？

何で？

何で？

何でが、溢れてとまらない。

連絡したい。

メッセージ送りたい。

ダメだ。

ダメだ。


スマホを消した。

見ると連絡したくなる。

「ムギ姫」にゃー

「ダメだよね」にゃー

「なんだろうね」ニャー

ムギ姫をギューって抱き締めた。

はぁー。

元通りになると思ってたのに。