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雄大と実
ドラマ決定
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二時間もののドラマの決定をマネージャーさんから伝えられた。
相手役は、まさかの実だった。
「実、聞いた?」
「聞いたよ。しんの作品だって」
「そうなんだよ、嬉しいんだけど」
「わかるよ、すごく」
俺と実は、しんの作品が大好きだった。
「BLではないリアルだな。しんの作品は…。」
「わかる」
ボーイズラブというカテゴリーに納めてしまうのは、勿体ない気がする。
しんは、もっと人間臭い作品を書けるはずなのに…。
何故、ボーイズラブに拘るのかよくわからなかった。
1ヶ月後、しんの台本が届いた。
俺は、実の家でそれを見ていた。
「凄いな。この台詞を吉宮凛が話すなんて考えられないな」
実は、興奮しながら台本を見つめている。
「本当だね。」
あの綺麗な顔に、この台詞を話させるのは、やはりしんの凄さなのだ。
しんは、三作品目にガールズラブの話を作った。
その時に、あの八頭身美女のナリミにこんな台詞を喋らせた。
「ただ、綺麗ってだけで滑稽な人生だった。ロボットみたいに従順な人間でいたら、椿は私を愛してくれた?椿の愛を感じない人生など、ゴミクズ以下よ。私なんて、生きてる価値もないのよ」
ナリミのその台詞に、ネットは荒れた。
【しんの話しは、美人でもダメなやつに見えるのが凄い】
【ナリミにあんな台詞言わせるなんて、どうかしてるよ】
【これ書いてる人、最低】
しんは、かなり叩かれた。
「今回も叩かれるだろうね」
「それでも、しんは絶対に曲げないよ。その貫く信念、僕達も学ばないといけないよね」
「そうだね」
台本には、しんからの手紙が挟んであった。
【初めまして、出演者の皆様。しんです。吉宮凛さんと鴨池はやてさんのW出演と聞かされた時から、私はこの台詞を話して欲しいと思いました。南沢雄大さん、早川実さんにも、いい人を脱却されて欲しいと思いました。ここまでの台詞をと思われるかもしれませんが、私にとっての作品は、普通の日常を描きたい。だからこその台詞の数々です。二時間のこのドラマが、皆さんの力によって誰かの日常を救う作品に仕上がることを願っています。 しん】
俺が読み上げた手紙に、実は頬を叩いた。
「やるしかないな」
「誰かの日常を救いたいね」
「そうだな」
「頑張ろう」
二人で、笑い合った。
しんの作品に、美しさなどは関係なかった。
しんは、あるインタビュー記事にこう話していた。
【主人公達に、最初の設定を与えると、トコトコと歩きだし始めます。私は、その人格を頭の中で切り替えながら文字に起こします。ある時は泣きながら、ある時は怒りながら、ある時は、笑いながら、そうやって出来た物語を作る側の人達が想像して形にしてくれる。私の世界観を演じるもの達が、汲み取ってくれる。それは、とてつもない程の幸福です。そして、それが誰かの日常に灯りを点けてくれる存在になった日には、喜びもひとしおです。苦悩した先に、見つけた光を掴みたくて、私は書いています。】
俺は、しんのその記事を見て、この人の書く作品に関わりたいと思ったんだ。
例え、ちょい役でもいいから出たかった。
なのに、まさかこんなにもガッツリと台詞をいただけるとは思わなかった。
「今回の作品も、しんは苦しんで産み落としたんだよな」
実は、台本を見つめていた。
「そうだと思うよ」
「しんは、映像を見て初めてホッとするって言っていたよな」
「うん」
「しんの小説投稿サイトの作品も、かなり賑わってるって話だよ」
「あれは、しんの意志で消さないんだってね」
「そうみたいだね」
「凄いよ、しんは、やっぱり」
「絶対に、いい作品にしような」
「うん」
明日は、凛とはやてとはやての家で会う約束をしていた。
相手役は、まさかの実だった。
「実、聞いた?」
「聞いたよ。しんの作品だって」
「そうなんだよ、嬉しいんだけど」
「わかるよ、すごく」
俺と実は、しんの作品が大好きだった。
「BLではないリアルだな。しんの作品は…。」
「わかる」
ボーイズラブというカテゴリーに納めてしまうのは、勿体ない気がする。
しんは、もっと人間臭い作品を書けるはずなのに…。
何故、ボーイズラブに拘るのかよくわからなかった。
1ヶ月後、しんの台本が届いた。
俺は、実の家でそれを見ていた。
「凄いな。この台詞を吉宮凛が話すなんて考えられないな」
実は、興奮しながら台本を見つめている。
「本当だね。」
あの綺麗な顔に、この台詞を話させるのは、やはりしんの凄さなのだ。
しんは、三作品目にガールズラブの話を作った。
その時に、あの八頭身美女のナリミにこんな台詞を喋らせた。
「ただ、綺麗ってだけで滑稽な人生だった。ロボットみたいに従順な人間でいたら、椿は私を愛してくれた?椿の愛を感じない人生など、ゴミクズ以下よ。私なんて、生きてる価値もないのよ」
ナリミのその台詞に、ネットは荒れた。
【しんの話しは、美人でもダメなやつに見えるのが凄い】
【ナリミにあんな台詞言わせるなんて、どうかしてるよ】
【これ書いてる人、最低】
しんは、かなり叩かれた。
「今回も叩かれるだろうね」
「それでも、しんは絶対に曲げないよ。その貫く信念、僕達も学ばないといけないよね」
「そうだね」
台本には、しんからの手紙が挟んであった。
【初めまして、出演者の皆様。しんです。吉宮凛さんと鴨池はやてさんのW出演と聞かされた時から、私はこの台詞を話して欲しいと思いました。南沢雄大さん、早川実さんにも、いい人を脱却されて欲しいと思いました。ここまでの台詞をと思われるかもしれませんが、私にとっての作品は、普通の日常を描きたい。だからこその台詞の数々です。二時間のこのドラマが、皆さんの力によって誰かの日常を救う作品に仕上がることを願っています。 しん】
俺が読み上げた手紙に、実は頬を叩いた。
「やるしかないな」
「誰かの日常を救いたいね」
「そうだな」
「頑張ろう」
二人で、笑い合った。
しんの作品に、美しさなどは関係なかった。
しんは、あるインタビュー記事にこう話していた。
【主人公達に、最初の設定を与えると、トコトコと歩きだし始めます。私は、その人格を頭の中で切り替えながら文字に起こします。ある時は泣きながら、ある時は怒りながら、ある時は、笑いながら、そうやって出来た物語を作る側の人達が想像して形にしてくれる。私の世界観を演じるもの達が、汲み取ってくれる。それは、とてつもない程の幸福です。そして、それが誰かの日常に灯りを点けてくれる存在になった日には、喜びもひとしおです。苦悩した先に、見つけた光を掴みたくて、私は書いています。】
俺は、しんのその記事を見て、この人の書く作品に関わりたいと思ったんだ。
例え、ちょい役でもいいから出たかった。
なのに、まさかこんなにもガッツリと台詞をいただけるとは思わなかった。
「今回の作品も、しんは苦しんで産み落としたんだよな」
実は、台本を見つめていた。
「そうだと思うよ」
「しんは、映像を見て初めてホッとするって言っていたよな」
「うん」
「しんの小説投稿サイトの作品も、かなり賑わってるって話だよ」
「あれは、しんの意志で消さないんだってね」
「そうみたいだね」
「凄いよ、しんは、やっぱり」
「絶対に、いい作品にしような」
「うん」
明日は、凛とはやてとはやての家で会う約束をしていた。
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