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【心だけが、繋がらない。】
【心だけが繋がらない】⑥
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目が覚めて、ベッドから起き上がった。
身体だけは、もう違う未来に進んでいた。
冬は、夏の髪を撫でる。
「おはよう」
「おはよう」
夏は、裸のまま起き上がって、トイレに行った。
そのまま、顔を洗ってうがいをして戻ってきた。
俺も入れ違いで行く。
「もうすぐ、行くんやろ?」
「ああ、ごめん。今日は…。」
「気にせんでええよ!今日は、秋さんにたっぷり使いーや!お墓しか行けてないんやから!」
「うん。わかっとるよ」
目の前で、飛び降りた秋を助けられなくて俺は、秋の家族に責められた。
唯一、許されたのはお墓参りだけだった。
「夏、もうでるわ!朝御飯食べへん?」
「食べる!サンドウィッチ食べたいな」
「駅前にあるから、行こか?」
「うん」
駅前について、夏と一緒にカフェに入った。
「ベーコンの入ってるサンドウィッチください。後、ホットコーヒー」
夏は、そう言っていた。
店員さんに、サンドウィッチとコーヒーを注文していた。
俺は、それを見つめていた。
「ご注文は?」
「ベーグルとホットコーヒーで。お会計一緒で」
「かしこまりました。」
俺は、夏の分もお金を払った。
「ベーグルって」
夏は、クスクス笑いながら席に持っていく。
俺は、お金を払ってついていく。
「はい、ベーグル」
「ありがとう」
俺は、ベーグルを食べる。
夏は、サンドウィッチを食べている。
「朝御飯、付き合ってくれてありがとうな!」
「なんやねん!突然気持ち悪いんやけど…」
「いや、朝から秋さん一色がよかったやろなーって思ったんやで!」
「気にするな!明日は、不動産屋さん忘れんなよ」
「わかっとるよ。ちゃんと、家見つけよな」
「うん」
夏と一緒にいるだけで、楽しい。
夏が笑ってくれるだけで、嬉しい
それなのに、何でこんなに心がうまく繋がってくれんのかな…。
「冬、どないしたん?」
「ううん。何もないよ。」
「ほんなら、よかった」
夏は、ニコッと笑った。
コーヒーを飲みながら、夏を見つめる冬。
出会った日から、ずっと越えられないものがあるのを感じていた。
美味しそうにサンドウィッチを食べる夏。
夏もまた越えられないものを感じていた。
夏が終わってすぐに冬にならないように…。
どれだけ身体を重ねても、辿り着けないものがあるのをお互いに痛い程感じていた。
「はぁー。うまかった!やっぱり、ここのサンドウィッチは絶品やな!」
「せやろ!夏、ここのベーコンのサンドウィッチ好きやもんな」
「うん、めっちゃ好き」
「好きなもん、いっぱい知ってんのにな。俺等…。」
「なんやねん!どないしたん?」
「いや、何もないよ」
「ほんなら、行こや」
夏は、そう言って笑った。
俺も、立ち上がった。
トレーを返した。
「ありがとうございました。」
店員さんに、そう言われて二人は店を出る。
「ほんなら、電車気をつけて行きや!ホームから離れて立つんやで!帰ってきたら、連絡するんやで!」
「俺の親みたいやな!」
冬は、夏の頭を優しく撫でる。
「ちゃんと、連絡する。バイト頑張れよ!」
「うん」
そう言って、冬は手を上げて去っていく。
夏は、それをずっと見つめていた。
冬が、自分を愛してくれたら秋さんのお墓に月に一回行く事はないのに…。
その度に、駅前でさよならをする必要はないのに…。
そう思っても、無理な事は自分自身もわかっていた。
冬が、駅に入っていくのを見届けてからくるりと回れ右をした。
【ヤバい!遅刻するわ!】
心の中で、叫んで夏は、走り出した。
身体だけは、もう違う未来に進んでいた。
冬は、夏の髪を撫でる。
「おはよう」
「おはよう」
夏は、裸のまま起き上がって、トイレに行った。
そのまま、顔を洗ってうがいをして戻ってきた。
俺も入れ違いで行く。
「もうすぐ、行くんやろ?」
「ああ、ごめん。今日は…。」
「気にせんでええよ!今日は、秋さんにたっぷり使いーや!お墓しか行けてないんやから!」
「うん。わかっとるよ」
目の前で、飛び降りた秋を助けられなくて俺は、秋の家族に責められた。
唯一、許されたのはお墓参りだけだった。
「夏、もうでるわ!朝御飯食べへん?」
「食べる!サンドウィッチ食べたいな」
「駅前にあるから、行こか?」
「うん」
駅前について、夏と一緒にカフェに入った。
「ベーコンの入ってるサンドウィッチください。後、ホットコーヒー」
夏は、そう言っていた。
店員さんに、サンドウィッチとコーヒーを注文していた。
俺は、それを見つめていた。
「ご注文は?」
「ベーグルとホットコーヒーで。お会計一緒で」
「かしこまりました。」
俺は、夏の分もお金を払った。
「ベーグルって」
夏は、クスクス笑いながら席に持っていく。
俺は、お金を払ってついていく。
「はい、ベーグル」
「ありがとう」
俺は、ベーグルを食べる。
夏は、サンドウィッチを食べている。
「朝御飯、付き合ってくれてありがとうな!」
「なんやねん!突然気持ち悪いんやけど…」
「いや、朝から秋さん一色がよかったやろなーって思ったんやで!」
「気にするな!明日は、不動産屋さん忘れんなよ」
「わかっとるよ。ちゃんと、家見つけよな」
「うん」
夏と一緒にいるだけで、楽しい。
夏が笑ってくれるだけで、嬉しい
それなのに、何でこんなに心がうまく繋がってくれんのかな…。
「冬、どないしたん?」
「ううん。何もないよ。」
「ほんなら、よかった」
夏は、ニコッと笑った。
コーヒーを飲みながら、夏を見つめる冬。
出会った日から、ずっと越えられないものがあるのを感じていた。
美味しそうにサンドウィッチを食べる夏。
夏もまた越えられないものを感じていた。
夏が終わってすぐに冬にならないように…。
どれだけ身体を重ねても、辿り着けないものがあるのをお互いに痛い程感じていた。
「はぁー。うまかった!やっぱり、ここのサンドウィッチは絶品やな!」
「せやろ!夏、ここのベーコンのサンドウィッチ好きやもんな」
「うん、めっちゃ好き」
「好きなもん、いっぱい知ってんのにな。俺等…。」
「なんやねん!どないしたん?」
「いや、何もないよ」
「ほんなら、行こや」
夏は、そう言って笑った。
俺も、立ち上がった。
トレーを返した。
「ありがとうございました。」
店員さんに、そう言われて二人は店を出る。
「ほんなら、電車気をつけて行きや!ホームから離れて立つんやで!帰ってきたら、連絡するんやで!」
「俺の親みたいやな!」
冬は、夏の頭を優しく撫でる。
「ちゃんと、連絡する。バイト頑張れよ!」
「うん」
そう言って、冬は手を上げて去っていく。
夏は、それをずっと見つめていた。
冬が、自分を愛してくれたら秋さんのお墓に月に一回行く事はないのに…。
その度に、駅前でさよならをする必要はないのに…。
そう思っても、無理な事は自分自身もわかっていた。
冬が、駅に入っていくのを見届けてからくるりと回れ右をした。
【ヤバい!遅刻するわ!】
心の中で、叫んで夏は、走り出した。
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