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待てを言われた僕達は…。
【待てを言われた僕達は…】⑩
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凛音が目覚めると安藤はいなかった。
【好きにしてくれ。冷蔵庫にご飯あるから、温めて食べて。鍵は、いつか返しにきてくれたらいい】
そう書いたメモと鍵が置かれていた。
凛音は、スマホを開いた。
海斗からの連絡はなかった。
凛音は、海斗に電話をする。
コール音は、鳴り響くけれど電話にでない。
【解毒剤はあるには、あるけれど…。女性としなければならない。それ以外に方法はない。すまない。】
昨日、頭を下げられたのを思い出した。
【君といると海斗君は、三年以内に死ぬ。】
そうハッキリと言われたのだった。
海斗が生きてるなら、女性としたって構わない。
そう思ったのに…。
海斗の初めては、自分であって欲しかった。
嫌、自分の初めてを海斗にあげよう。
嫌、自分とすると海斗は死ぬのだ。
凛音は、海斗にメッセージを作っては消すを繰り返していた。
死んで欲しくない。
【男同士で、性行為をすると。その体液を感じとりウイルスはいっきに増殖します。5分以内に解毒剤と性行為しなければ死にます。ならば、いっその事三人でしてはいかがですか?】
卑猥な事を淡々と話したあの関口が、堪らなく憎たらしかった。
【耐えられますか?海斗君が、誰かの中で、果ててるのを見て。君は、耐えられますか?】
そう言われた問いかけに、凛音は答えられなかった。
海斗と同じような傷を凛音も持っていたのだ。
.
.
.
.
.
凛音、7歳ー
「ねー。凄いわ」
「お父さん?何見てるの?」
「あー。凛音、起きちゃったか?一緒に見るか?」
「何を?」
「綺麗な映像だよ。凛音が好きなやつ」
「戦隊のオンレンジャー?」
「そんな感じで、戦うやつ」
「見るーー」
当時、凛音はオンレンジャーにはまっていた。
父親は、母親の不倫を許せなかったんだと大人になったらわかった。
「じゃあ、行くよ」
「うん」
満面の笑みで笑った無垢な少年の凛音の前で、父親はそれを再生した。
「もっと、もっと…いいわ」
「聖子、気持ちいい?」
「うん…凄い。しょう、ぁあ」
凛音は、固まった。
隣の父親は、ニタニタと笑ってる。
「凛音、凄いだろ?母さんがね。悪党を倒してるんだよ」
どう見たってそんな風には見えなかった。
「父さんね、興奮するんだよ。怒りと絶望をね。100周ぐらい通りすぎたらね。興奮にかわったんだ。ほら、だから凛音も100回は見ないとな!」
母親は、画面の中で複数の男としていた。
「あの人よりいいわ」
「これ、お兄ちゃんの…」
家庭教師の正宗君がうつった。
「そうだよ。」
兄は、凛音より8つ上だった。
「正宗君は、激しいんだ。複数対戦が好きなんだ。」
「何?それ」
「凛音も、見るんだよ。ちゃんと、見るんだよ」
それから、7年間。凛音は、母親のそれを見せられた。
そして、父親はとんでもない事を凛音に言った。
「凛音、父さんとしよう。な?いいだろ?」
「はあ?ふざけんな。気色悪いんだよ」
「凛音、お願いだよ」
「金やるから、外でしろよ」
「嫌だよ!凛音が、いいんだよ。手だけでもいいから。ほら、凛音」
「やめろよ」
「母さんに似てるからいいんだよ。凛音が!わかるだろ?」
「やめろよ」
15歳の凛音は、父親のものを…
.
.
.
.
.
「はぁ、はぁ、はぁ。僕、汚(きたな)かった。海斗。ごめん。」
凛音は、泣きながら起き上がった。
一瞬、眠っていたようだった。
【不倫した恨みから、父さんは凛音にいったんだ!悪いのは、あの人だろ?相手してやれよ。手ぐらい減るもんじゃねーじゃん。】
兄に相談した凛音は、そう言われた。
【俺じゃ駄目なんだよ。あの人に似てねーから!てかさ、凛音。ゲイだろ?三井が凛音にコクられてどうしようって言ってたから!だったら、父さんの咥えてやれや!いっその事、父さんとし続けて童貞終わらせろ!な?凛音】
兄は、凛音が大嫌いだった。
世界の中心が、自分から凛音にうつった日に、兄は凛音を殺してやりたいぐらい嫌いになったと凛音が10歳の時に話したのだ。
凛音は、そんな兄や父をもっていながら、何故自分が男を好きなのか理解できなかった。
それは、今も凛音の中の謎でしかなかった。
「海斗…」
凛音は、海斗に繰り返しかける。
海斗といたら、幸せだった。
あの日、父親にそれをいれられそうになって凛音は家を飛び出した。
あれから、凛音は海斗といた。
一ヶ月に一度、母親から電話がくるだけになった。
本当は、怯えながら海斗のを触(さわ)っていた。
でも、終わった瞬間に、恐怖よりも愛しさが込み上げた自分に驚いた。だから、凛音は、海斗のそれを胃袋に流し込めたのだ。
【好きにしてくれ。冷蔵庫にご飯あるから、温めて食べて。鍵は、いつか返しにきてくれたらいい】
そう書いたメモと鍵が置かれていた。
凛音は、スマホを開いた。
海斗からの連絡はなかった。
凛音は、海斗に電話をする。
コール音は、鳴り響くけれど電話にでない。
【解毒剤はあるには、あるけれど…。女性としなければならない。それ以外に方法はない。すまない。】
昨日、頭を下げられたのを思い出した。
【君といると海斗君は、三年以内に死ぬ。】
そうハッキリと言われたのだった。
海斗が生きてるなら、女性としたって構わない。
そう思ったのに…。
海斗の初めては、自分であって欲しかった。
嫌、自分の初めてを海斗にあげよう。
嫌、自分とすると海斗は死ぬのだ。
凛音は、海斗にメッセージを作っては消すを繰り返していた。
死んで欲しくない。
【男同士で、性行為をすると。その体液を感じとりウイルスはいっきに増殖します。5分以内に解毒剤と性行為しなければ死にます。ならば、いっその事三人でしてはいかがですか?】
卑猥な事を淡々と話したあの関口が、堪らなく憎たらしかった。
【耐えられますか?海斗君が、誰かの中で、果ててるのを見て。君は、耐えられますか?】
そう言われた問いかけに、凛音は答えられなかった。
海斗と同じような傷を凛音も持っていたのだ。
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凛音、7歳ー
「ねー。凄いわ」
「お父さん?何見てるの?」
「あー。凛音、起きちゃったか?一緒に見るか?」
「何を?」
「綺麗な映像だよ。凛音が好きなやつ」
「戦隊のオンレンジャー?」
「そんな感じで、戦うやつ」
「見るーー」
当時、凛音はオンレンジャーにはまっていた。
父親は、母親の不倫を許せなかったんだと大人になったらわかった。
「じゃあ、行くよ」
「うん」
満面の笑みで笑った無垢な少年の凛音の前で、父親はそれを再生した。
「もっと、もっと…いいわ」
「聖子、気持ちいい?」
「うん…凄い。しょう、ぁあ」
凛音は、固まった。
隣の父親は、ニタニタと笑ってる。
「凛音、凄いだろ?母さんがね。悪党を倒してるんだよ」
どう見たってそんな風には見えなかった。
「父さんね、興奮するんだよ。怒りと絶望をね。100周ぐらい通りすぎたらね。興奮にかわったんだ。ほら、だから凛音も100回は見ないとな!」
母親は、画面の中で複数の男としていた。
「あの人よりいいわ」
「これ、お兄ちゃんの…」
家庭教師の正宗君がうつった。
「そうだよ。」
兄は、凛音より8つ上だった。
「正宗君は、激しいんだ。複数対戦が好きなんだ。」
「何?それ」
「凛音も、見るんだよ。ちゃんと、見るんだよ」
それから、7年間。凛音は、母親のそれを見せられた。
そして、父親はとんでもない事を凛音に言った。
「凛音、父さんとしよう。な?いいだろ?」
「はあ?ふざけんな。気色悪いんだよ」
「凛音、お願いだよ」
「金やるから、外でしろよ」
「嫌だよ!凛音が、いいんだよ。手だけでもいいから。ほら、凛音」
「やめろよ」
「母さんに似てるからいいんだよ。凛音が!わかるだろ?」
「やめろよ」
15歳の凛音は、父親のものを…
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「はぁ、はぁ、はぁ。僕、汚(きたな)かった。海斗。ごめん。」
凛音は、泣きながら起き上がった。
一瞬、眠っていたようだった。
【不倫した恨みから、父さんは凛音にいったんだ!悪いのは、あの人だろ?相手してやれよ。手ぐらい減るもんじゃねーじゃん。】
兄に相談した凛音は、そう言われた。
【俺じゃ駄目なんだよ。あの人に似てねーから!てかさ、凛音。ゲイだろ?三井が凛音にコクられてどうしようって言ってたから!だったら、父さんの咥えてやれや!いっその事、父さんとし続けて童貞終わらせろ!な?凛音】
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凛音は、そんな兄や父をもっていながら、何故自分が男を好きなのか理解できなかった。
それは、今も凛音の中の謎でしかなかった。
「海斗…」
凛音は、海斗に繰り返しかける。
海斗といたら、幸せだった。
あの日、父親にそれをいれられそうになって凛音は家を飛び出した。
あれから、凛音は海斗といた。
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