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シークレット作品①
【欠けたピースは戻らない】①
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11歳の冬、父と母は離婚した。
母は、父が悪いと言った。
でも、俺には貴方達二人共が悪いんだよ。
どうして、わかってくれないの?
どうして、平然と貴方は、新しい父を連れてくるのでしょうか?
嫌なら、捨てればよかったんだよ。
俺も一緒に…。
毎日、毎日、幼い俺は、繰り返しこの言葉を思っていた。
昔、テレビのコメンテーターが話していた。
「離婚はね。本当に、子供の心を傷つけるんですよ。だから、本当によく考えてしてもらいたいですね」
よく考えた結果、離婚するなら俺にきちんと話してくれればよかったじゃないか…。
何の為に、あなたは俺を産んだの?
愛してるから、愛しかったから、だったら何故、あなたは離婚したの?
あの時は、愛していた。
だから、何なのだ…。
小さな俺の頭じゃ理解出来ないんだよ。
それぐらい、母親ならわかれよ。
あんたが選ぶ選択は、ここからいなくなる事じゃなかった。
あんたが選ぶ選択は、どうやったら父親と生きて行けるかだったんだよ。
酷いと言う人がいるなら、不倫された子供の立場でこう答えるよ。
だったら、子供なんて産むんじゃねーよってな!
たくさんの人間に、叩かれたって俺は、声を大にして叫ぶよ。
不倫は、悪だって…。
あんたが、どんな思いを抱えていたとしても…
子供の俺には、関係なかった。
あんたが、父親に対して何を思っていても、何をされていても…。
あんたを庇うほどの年齢には、達していなかったよ。
あんたを応援する程の年齢には、達していなかったよ。
小さな俺に、あんたが出来る事は、嘘でも父親と仲良くしておく事しか方法はなかったんだよ。
あんたにわかるか?
俺の気持ちが…。
「死んでくれてよかったよ」
吐き捨てるように、母親の墓に俺は呟いた。
「息子には、愛されていたかっただろ?」
線香をつけながら、話す。
「でもね、許さないよ。俺は、一生あんた達を許さない。」
そう言って、線香を置く。
その煙が、目に染みたのか僕の目から涙がこぼれてくる。
「周りの人が、あんたが正しいと言ったって、俺は許さないから!あんたは、俺にとって悪だったんだよ。わからないだろ?生きていく中で、俺は自分に嫌悪感しかないんだ。もっと、自分を好きになりたかった。それも、全部。あんたのせいだ」
俺は、線香が消えたのを確認して歩きだす。
母の月命日にやってきては、俺は吐き捨てるように文句をぶつけるんだ。
生きて、文句を散々言っていれば気が紛れたかもしれない。
少しは、許せていたかもしれない。
もう二度と、許すことは出来ない。
死んだからだ。
これは、一生しこりのように残ってく。
絶対に許さない。
俺は、そう決めたんだ。
あんたは、俺にそれだけの傷をつくったんだ。
あの世で、後悔すればいい
息子には、許されないと思っておけばいい。
不倫が許されるのは、誰にもバレなかった場合だけだと思っていた方がよかったんじゃないか?
あんたは、俺にバレたんだよ。
だから、許される事は二度とないんだよ。
愛とか恋とか情とか、そんなのどうでもいいんだよ。
あんたは、女をとったんだよ。
俺よりも、女をとったんだ。
口では、俺の為だといいながらも女をとって生きて行こうとしたんだ。
昔、働いていた人がこう言った。
「結婚してからどっちをとる?母親になるか女になるか…」
その言葉の意味が理解出来なかった。
ほとんどの人は、「母親になるわ」と答えた。
若い女の子は、「女でいたいわ」っと答えた。
その言葉に、「女でいたいなら結婚はするべきじゃないわ」と答えた人がいた。
「なぜ?」って聞かれた問いかけに、その人はこう答えた。
「男は、手に入れたら所有物だと思うのよ。女として、見ないし、丁寧に愛されなくなるのよ。だから、女として見られたいなら!結婚は、やめるべきよ。籍をいれた時点で、あなたは所有物になるのだから…。」
「極論よ」
その人は、そう言われた。
でも、確かにお互いに魅力がなくなっていくのは事実なんだろう…
そして、俺はあの人にも思ったんだ。
女を選びたかったなら、結婚なんかするなよって…。
母は、父が悪いと言った。
でも、俺には貴方達二人共が悪いんだよ。
どうして、わかってくれないの?
どうして、平然と貴方は、新しい父を連れてくるのでしょうか?
嫌なら、捨てればよかったんだよ。
俺も一緒に…。
毎日、毎日、幼い俺は、繰り返しこの言葉を思っていた。
昔、テレビのコメンテーターが話していた。
「離婚はね。本当に、子供の心を傷つけるんですよ。だから、本当によく考えてしてもらいたいですね」
よく考えた結果、離婚するなら俺にきちんと話してくれればよかったじゃないか…。
何の為に、あなたは俺を産んだの?
愛してるから、愛しかったから、だったら何故、あなたは離婚したの?
あの時は、愛していた。
だから、何なのだ…。
小さな俺の頭じゃ理解出来ないんだよ。
それぐらい、母親ならわかれよ。
あんたが選ぶ選択は、ここからいなくなる事じゃなかった。
あんたが選ぶ選択は、どうやったら父親と生きて行けるかだったんだよ。
酷いと言う人がいるなら、不倫された子供の立場でこう答えるよ。
だったら、子供なんて産むんじゃねーよってな!
たくさんの人間に、叩かれたって俺は、声を大にして叫ぶよ。
不倫は、悪だって…。
あんたが、どんな思いを抱えていたとしても…
子供の俺には、関係なかった。
あんたが、父親に対して何を思っていても、何をされていても…。
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あんたを応援する程の年齢には、達していなかったよ。
小さな俺に、あんたが出来る事は、嘘でも父親と仲良くしておく事しか方法はなかったんだよ。
あんたにわかるか?
俺の気持ちが…。
「死んでくれてよかったよ」
吐き捨てるように、母親の墓に俺は呟いた。
「息子には、愛されていたかっただろ?」
線香をつけながら、話す。
「でもね、許さないよ。俺は、一生あんた達を許さない。」
そう言って、線香を置く。
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「周りの人が、あんたが正しいと言ったって、俺は許さないから!あんたは、俺にとって悪だったんだよ。わからないだろ?生きていく中で、俺は自分に嫌悪感しかないんだ。もっと、自分を好きになりたかった。それも、全部。あんたのせいだ」
俺は、線香が消えたのを確認して歩きだす。
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少しは、許せていたかもしれない。
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死んだからだ。
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絶対に許さない。
俺は、そう決めたんだ。
あんたは、俺にそれだけの傷をつくったんだ。
あの世で、後悔すればいい
息子には、許されないと思っておけばいい。
不倫が許されるのは、誰にもバレなかった場合だけだと思っていた方がよかったんじゃないか?
あんたは、俺にバレたんだよ。
だから、許される事は二度とないんだよ。
愛とか恋とか情とか、そんなのどうでもいいんだよ。
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