131 / 136
感想と次回作の考え
凛、はやて、雄大、実
しおりを挟む終わったのを見て、四人は泣いていた。
「会えてよかったよね」
「確かに」
「ただ、離婚できたかと孝輔と桜はどうなったのかが気になるよね」
「それについて、しんがblogに書いたの読んだ?」
そう言って、はやてはパソコンを開く。
「えっと、これだね」
開いたページを凛が読んだ。
「見ている方に最後を委ねる作品にしています。ただ、孝輔と桜が結婚をしたかと言うと私の中ではしてないと言う結論です。何故なら、最後に花香に話した介護が関係しているという事です。花香が、介護をするはずだった孝輔の母親。しかし、花香は家を出ます。だから、孝輔が自分で見るしかなくなった。そういう結論です。私とRINさんと共同に描(えが)いた作品なので、主人公達がどこに着地するかはわかりませんでした。しかし、最終的には四人を再会させたかったので、こちらでよかったと思っています。だって!」
「ってことは、桜は一輝の子供として育てたって事だよね!結局、愛していたのか、嘘なのか…。そこも、本心はわからないよね」
「まあ、でも。見た限りでは、手放したくなかっただけって感じだよね」
「わかる!完全に執着って感じだった。」
「本当に、花香と一輝の絶望が伝わってくる作品だったよね」
「わかる、何かずっと悲しかったもん」
はやては、しんのblogに目を通す。
「これ、凛読んでよ」
「どれどれ?」
そう言って、はやては凛にパソコンを見せる。
「温度をご覧いただきありがとうございました。RINさんと、話し合って、まず花香と一輝を作りました。花香には、RINさん自身が抱えてる言葉を一輝には私が抱えていた言葉を与えました。それから、私達はやりとりを重ねながら、二人で一緒に考えていきました。どこかで、花香や一輝のように苦しんでいる人がいる。そう思いながら、孝輔と桜も作り上げました。孝輔と桜には、悪役でいてもらいたかったのです。テーマで【温度】を決めた時から、夫婦の温度差を作りたかったのです。花香や一輝にとっては、自分の身体に裏切られていく行為の一つであるものが、孝輔や桜にとっては違う。少しずつ【温度】を意識して物語を作りました。この物語も、どこかの誰かの日常を照らす作品でありたいと思いました。花香や一輝のように、色んな思いに押し潰されて泣いている人が減ることを願っています。最後に、泉と彪伍に再会させたのは、ただの愛で終わらせたかったからです。期待されて、望まれて、窮屈な愛の中をさ迷っていた花香と一輝に…。愛とは、もっと自由で優しいものだよと思わせたかったのです。きっと、私の作品を愛してくれる方が色んな角度から見て!物語を違う角度で捉えてくれる事でしょう!私とRINさんが描(えが)いた答えでなくても、皆さんが思った答えも正解だと思います。最後まで、見ていただきありがとうございました。」
凛の言葉に、全員泣いていた。
「しんの中の答えが正解じゃなくて、みんなが選んだ答えが正解っていいよね。何かさ!俺も、歌、歌ってるからわかる。自分が届けたいまま届く事もあれば、相手が別の解釈する事もある」
「確かに、そうだよな!孝輔役と桜役の人、ファン減っちゃったって話だよ。」
「ナリミも待てを言われた僕達は…。で減ったらしいよ。」
「だろうね。」
「でも、逆にそんだけ誰かの心を揺さぶれたなら、誰かを助けてもいたって事だろ?」
「そうだよね」
「しんの作品がしっかり誰かに届いたって事だよな」
「その通りだよ」
四人は、笑い合った。
「でも、孝輔と桜のハッピーエンドをここで見せられてたら、ちょっと辛かったわ」
「確かに、こんだけ花香と一輝を傷つけてるくせに、ハッピーエンドはないよな」
「ないない」
「バッドエンドっぽくてよかったよ。」
「確かに、桜は介護何てしなさそうだしな」
「妊娠した時に、母親倒れたって聞いたのかもな」
「あり得る!だから、一輝の子供にしたって話」
「あのまま、残る選択を選びそうだったけど!一緒に逃げる約束してたから逃げたんだよな」
「バス停で会わなかったら、二人ともそのまま居たんだよな!優しいから…。」
「わかる。そう考えたら、このエンドでよかった」
そう言いながら、四人は笑い合って、色んな角度から【温度】を分析していた。
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる