彩られる作品【仮】

三愛 紫月 (さんあい しづき)

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感想と次回作の考え

凛、はやて、雄大、実

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終わったのを見て、四人は泣いていた。

「会えてよかったよね」

「確かに」

「ただ、離婚できたかと孝輔と桜はどうなったのかが気になるよね」

「それについて、しんがblogに書いたの読んだ?」

そう言って、はやてはパソコンを開く。

「えっと、これだね」

開いたページを凛が読んだ。

「見ている方に最後を委ねる作品にしています。ただ、孝輔と桜が結婚をしたかと言うと私の中ではしてないと言う結論です。何故なら、最後に花香に話した介護が関係しているという事です。花香が、介護をするはずだった孝輔の母親。しかし、花香は家を出ます。だから、孝輔が自分で見るしかなくなった。そういう結論です。私とRINさんと共同に描(えが)いた作品なので、主人公達がどこに着地するかはわかりませんでした。しかし、最終的には四人を再会させたかったので、こちらでよかったと思っています。だって!」

「ってことは、桜は一輝の子供として育てたって事だよね!結局、愛していたのか、嘘なのか…。そこも、本心はわからないよね」

「まあ、でも。見た限りでは、手放したくなかっただけって感じだよね」

「わかる!完全に執着って感じだった。」

「本当に、花香と一輝の絶望が伝わってくる作品だったよね」

「わかる、何かずっと悲しかったもん」

はやては、しんのblogに目を通す。

「これ、凛読んでよ」

「どれどれ?」

そう言って、はやては凛にパソコンを見せる。

「温度をご覧いただきありがとうございました。RINさんと、話し合って、まず花香と一輝を作りました。花香には、RINさん自身が抱えてる言葉を一輝には私が抱えていた言葉を与えました。それから、私達はやりとりを重ねながら、二人で一緒に考えていきました。どこかで、花香や一輝のように苦しんでいる人がいる。そう思いながら、孝輔と桜も作り上げました。孝輔と桜には、悪役でいてもらいたかったのです。テーマで【温度】を決めた時から、夫婦の温度差を作りたかったのです。花香や一輝にとっては、自分の身体に裏切られていく行為の一つであるものが、孝輔や桜にとっては違う。少しずつ【温度】を意識して物語を作りました。この物語も、どこかの誰かの日常を照らす作品でありたいと思いました。花香や一輝のように、色んな思いに押し潰されて泣いている人が減ることを願っています。最後に、泉と彪伍に再会させたのは、ただの愛で終わらせたかったからです。期待されて、望まれて、窮屈な愛の中をさ迷っていた花香と一輝に…。愛とは、もっと自由で優しいものだよと思わせたかったのです。きっと、私の作品を愛してくれる方が色んな角度から見て!物語を違う角度で捉えてくれる事でしょう!私とRINさんが描(えが)いた答えでなくても、皆さんが思った答えも正解だと思います。最後まで、見ていただきありがとうございました。」

凛の言葉に、全員泣いていた。

「しんの中の答えが正解じゃなくて、みんなが選んだ答えが正解っていいよね。何かさ!俺も、歌、歌ってるからわかる。自分が届けたいまま届く事もあれば、相手が別の解釈する事もある」

「確かに、そうだよな!孝輔役と桜役の人、ファン減っちゃったって話だよ。」

「ナリミも待てを言われた僕達は…。で減ったらしいよ。」

「だろうね。」

「でも、逆にそんだけ誰かの心を揺さぶれたなら、誰かを助けてもいたって事だろ?」

「そうだよね」

「しんの作品がしっかり誰かに届いたって事だよな」

「その通りだよ」

四人は、笑い合った。

「でも、孝輔と桜のハッピーエンドをここで見せられてたら、ちょっと辛かったわ」

「確かに、こんだけ花香と一輝を傷つけてるくせに、ハッピーエンドはないよな」

「ないない」

「バッドエンドっぽくてよかったよ。」

「確かに、桜は介護何てしなさそうだしな」

「妊娠した時に、母親倒れたって聞いたのかもな」

「あり得る!だから、一輝の子供にしたって話」

「あのまま、残る選択を選びそうだったけど!一緒に逃げる約束してたから逃げたんだよな」

「バス停で会わなかったら、二人ともそのまま居たんだよな!優しいから…。」

「わかる。そう考えたら、このエンドでよかった」

そう言いながら、四人は笑い合って、色んな角度から【温度】を分析していた。

 
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