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エピローグ
しんの作品への気持ち
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優依が、隣でドーナッツをまた食べていた。
「オールドファッション好きなの、わかる?」
「わかるよ」
俺は、それを見ながら、blogを書いていた。
優依は、食べながら画面を見つめて口に出す。
「蛹は、蝶の夢を見る。心だけが繋がらない、それが、運命ならば…。身体だけが繋がらない、待てを言われた僕達は…。欠けたピースは、戻らない。温度、全ての作品を見て頂きありがとうございました。私が、思い描いた作品を作っていただけた事に感謝しかありません。蛹は、蝶の夢を見る。のお陰で、今の私がいます。あの作品を苦しみながら産み落とせた事が、私の中で素晴らしい一歩になりました。私は、これから先も、不妊をテーマにした作品を描(えが)いていきたいと思っています。その中で、りあの先生やRIN先生に出会って、共同で物語をつくれた事がとてもよかったです。私だけじゃ、産まれなかった悲しみや苦しみを…。味わう事が出来たのが嬉しかったです。誰か、一人だけでも救えるなら…。その気持ちだけで描いてきました。RIN先生と最後に話したのは、【温度】の続きを作りたいねって話しました。もしかしたら、花香や一輝のような思いをしている人が、この広い空の下でいるかもしれない。そう思うと、もっと素晴らしいハッピーエンドにしてもよかったね。何て、話しました。でも、私は思うのです。目に見えてわかるハッピーエンド、物語は必ずハッピーエンドでなければいけない。それは、なんだか違うのかな?って…。だから、私は、物語の一部分だけはハッピーエンドにはならない物語をこれからも書き続けます。それが、大勢の人の心を動かせなかったとしても…。誰か一人が、私の思いを受け取って、泣いてくれる、笑ってくれる、怒ってくれる、それだけでいいと思っています。私の作品は、とても片寄っています。何故、ここまで注目され人気が出たのかは、私の実力ではないのをわかっています。今、ブレイクしている吉宮凛さん、鴨池はやてさん、美麗(みれ)さん、ナリミさん、ARISAさん、笹森梓さん、南沢雄大さん、早川実さん、MITSUKIさん、私の作品を演じてくれた俳優さんや作り手の皆さんのお陰です。(ここに書いていない俳優さんやその他の皆さんのお名前は、別の記事に書いています。)そして、花を添える音楽のお陰です。私だけの力だと、10数人しか見てくれなかったと思います。それだけ、私は片寄った愛を描き、小さなハッピーエンドを描き、絶対にハッピーエンドにならない部分を切り取り続けているからです。そんな私の作品を有名にしてくれた皆さんに感謝しています。ありがとうございます。今、私は大きく頭を悩ませながら執筆をしなければいけない題材と向き合っています。いつか、その作品を書けたらまた皆さんの元に届けられますように…。ありがとうございました。しん」
優依は、私の長い文章を口に出して読んでいた。
「読まなくていいよ」
「これって、暫くblogは休むって事だよね?」
「そうだね。暫くは、ツブヤイターもblogも休むよ。3ヶ月間、きっちり作品に向き合いたいから」
「そっか、いいと思うよ」
「うん」
「僕の話を書くんだよ」
「わかったよ、マッシュルーム君」
「やめてよ、マッシュルーム君は、嫌」
「じゃあ、その髪の毛やめる?」
「これはね、気に入ってるから嫌だ」
「よく似合ってるよ、優依に。」
「しん、僕は子供は産めないよ」
「急にどうしたの?」
「ハッピーエンドには、ならない部分が一部分だけあるのは子供でしょ?僕といたらよけいに望めないわけだし。」
「前にも話したけど、俺はそこは絶対に描きたいんだ。みんなが、手に入れられるなんてありはしないんだよ。現に、RINさんだって無理だったって話してただろう?そのバットエンドを入れたら、嫌がるのかな?それとも、すぐに出来ちゃう話が喜ばれる?それとも、諦めたら出来ましたって話がいい?」
優依は、俺の頬に手を当てる。
「嫌だよ!僕は、出来ないもん。欲しくても出来ないもん。なのに、安易に出来る話は嫌だよ。僕は、嫌。だって、頑張ったって努力したって、蛹や蝶の夢を見るの二人みたいに無理なんだよ。僕は、無理なんだよ。だから、やめてよ。そんな話をしんは書かないでよ。大多数に喜ばれる物語なんて書かないでよ」
「でも、それなら叩かれるよ。いつもだけどね、しんさんは不妊の人や同性を好きな人に対する作品として冷た過ぎます。ってね」
しんは、苦笑いを浮かべてツブヤイターのコメントを優依に見せた。
「オールドファッション好きなの、わかる?」
「わかるよ」
俺は、それを見ながら、blogを書いていた。
優依は、食べながら画面を見つめて口に出す。
「蛹は、蝶の夢を見る。心だけが繋がらない、それが、運命ならば…。身体だけが繋がらない、待てを言われた僕達は…。欠けたピースは、戻らない。温度、全ての作品を見て頂きありがとうございました。私が、思い描いた作品を作っていただけた事に感謝しかありません。蛹は、蝶の夢を見る。のお陰で、今の私がいます。あの作品を苦しみながら産み落とせた事が、私の中で素晴らしい一歩になりました。私は、これから先も、不妊をテーマにした作品を描(えが)いていきたいと思っています。その中で、りあの先生やRIN先生に出会って、共同で物語をつくれた事がとてもよかったです。私だけじゃ、産まれなかった悲しみや苦しみを…。味わう事が出来たのが嬉しかったです。誰か、一人だけでも救えるなら…。その気持ちだけで描いてきました。RIN先生と最後に話したのは、【温度】の続きを作りたいねって話しました。もしかしたら、花香や一輝のような思いをしている人が、この広い空の下でいるかもしれない。そう思うと、もっと素晴らしいハッピーエンドにしてもよかったね。何て、話しました。でも、私は思うのです。目に見えてわかるハッピーエンド、物語は必ずハッピーエンドでなければいけない。それは、なんだか違うのかな?って…。だから、私は、物語の一部分だけはハッピーエンドにはならない物語をこれからも書き続けます。それが、大勢の人の心を動かせなかったとしても…。誰か一人が、私の思いを受け取って、泣いてくれる、笑ってくれる、怒ってくれる、それだけでいいと思っています。私の作品は、とても片寄っています。何故、ここまで注目され人気が出たのかは、私の実力ではないのをわかっています。今、ブレイクしている吉宮凛さん、鴨池はやてさん、美麗(みれ)さん、ナリミさん、ARISAさん、笹森梓さん、南沢雄大さん、早川実さん、MITSUKIさん、私の作品を演じてくれた俳優さんや作り手の皆さんのお陰です。(ここに書いていない俳優さんやその他の皆さんのお名前は、別の記事に書いています。)そして、花を添える音楽のお陰です。私だけの力だと、10数人しか見てくれなかったと思います。それだけ、私は片寄った愛を描き、小さなハッピーエンドを描き、絶対にハッピーエンドにならない部分を切り取り続けているからです。そんな私の作品を有名にしてくれた皆さんに感謝しています。ありがとうございます。今、私は大きく頭を悩ませながら執筆をしなければいけない題材と向き合っています。いつか、その作品を書けたらまた皆さんの元に届けられますように…。ありがとうございました。しん」
優依は、私の長い文章を口に出して読んでいた。
「読まなくていいよ」
「これって、暫くblogは休むって事だよね?」
「そうだね。暫くは、ツブヤイターもblogも休むよ。3ヶ月間、きっちり作品に向き合いたいから」
「そっか、いいと思うよ」
「うん」
「僕の話を書くんだよ」
「わかったよ、マッシュルーム君」
「やめてよ、マッシュルーム君は、嫌」
「じゃあ、その髪の毛やめる?」
「これはね、気に入ってるから嫌だ」
「よく似合ってるよ、優依に。」
「しん、僕は子供は産めないよ」
「急にどうしたの?」
「ハッピーエンドには、ならない部分が一部分だけあるのは子供でしょ?僕といたらよけいに望めないわけだし。」
「前にも話したけど、俺はそこは絶対に描きたいんだ。みんなが、手に入れられるなんてありはしないんだよ。現に、RINさんだって無理だったって話してただろう?そのバットエンドを入れたら、嫌がるのかな?それとも、すぐに出来ちゃう話が喜ばれる?それとも、諦めたら出来ましたって話がいい?」
優依は、俺の頬に手を当てる。
「嫌だよ!僕は、出来ないもん。欲しくても出来ないもん。なのに、安易に出来る話は嫌だよ。僕は、嫌。だって、頑張ったって努力したって、蛹や蝶の夢を見るの二人みたいに無理なんだよ。僕は、無理なんだよ。だから、やめてよ。そんな話をしんは書かないでよ。大多数に喜ばれる物語なんて書かないでよ」
「でも、それなら叩かれるよ。いつもだけどね、しんさんは不妊の人や同性を好きな人に対する作品として冷た過ぎます。ってね」
しんは、苦笑いを浮かべてツブヤイターのコメントを優依に見せた。
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