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プロローグ
三年後ー
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封印の時に、私はいったん人に戻され私は全ての記憶をなくした。
あれから、三年の年月が経っていた。
私は、喜与恵(きよえ)と共に生活を続けた。
三年目の夏、突然能力が復活したのだった。
また、喜与恵と結ばれなくなってしまった。
「宝珠、三年も楽しんだではありませんか、もう私はそれでいいのですよ」
喜与恵は、私の頭を優しく撫でる。
「たった、三年だ。まだ、何百年とあるのだ。喜与恵、わかっておるのか?」
「はい、はい。わかっていますから…。」
いったん喜与恵も人間になったと言うのに、私を戻すために、半年前にまたあの方の血をもらい化け物となった。
あの後、父が豊澄と共に封印の鍵になったのを聞いた。
そして、二条さんは、魂の器になった。
肉体はないけれど、神社内の特別な空間で死者と生者(せいしゃ)が会えるようになったのだ。
私は、人形でいなくてよくなった為、あの方の血は喜与恵と同じ量を飲んだ。
私は、二度とこの愛を手放したくなかった。
「宮部さん、お久しぶりです。」
「こんにちは」
「こんにちは、宮部さん」
宮部さんは、驚いて私を見た。
「思い出したのですね。三日月さん」
「はい、全て。思い出しました。」
「良かったです。」
「良かったですね、宝珠」
宮部さんの隣には、三津木光珠(みつきこうじゅ)が、微笑んでいた。
「お似合いですね。お二人は…」
「ありがとうございます。」
「結婚とかは?」
喜与恵が、聞きづらそうな顔をした。
「しませんよ。私も宝珠と同じですから、希海さんを苦しめたくはありません。」
「私も同じ意見です。恋人は必要ですが、伴侶はいりません。この意味を理解していただけますか?」
私は、宮部さんに笑った。
「とても、よくわかりますよ。自分の形の幸せと愛を見つけた事をよくわかりました。」
私の言葉に、宮部さんはニコニコ笑って光珠を見つめている。
「お守り買いたいです。」
「わかりました。光珠さん。こちらへ」
喜与恵は、光珠と一緒にいなくなった。
「三日月さんに、似てるからでした。」
「はい?」
「光珠さんに、惹かれた理由です。」
「ああ!!髪の色ですか?目の形ですか?肌の色とか」
「フフフっ。違いますよ。何か、三日月さんだって思ったんです。初めてお会いした時に…。」
「そうですか、私は知っていましたよ。光珠と宮部さんがこうなる未来を…。光珠なら、安心して宮部さんを任せられると思いました。」
私の笑顔に、宮部さんが笑った。
「三日月さんが、全ての記憶をなくして10日目に三日月家(みかづきけ)の人に取材に行った日に会いました。糸埜(いとの)さんと一緒にいました。」
「出会いを説明していますか?」
「あっ、はい。」
「いいんですよ。気にしなくて。運命とは、そういうものです。なにもしなくても引き寄せられる。
しかし、切れてしまえばどれだけ会っていても引き寄せられる事はけっしてありません。宮部さんは、もう私に何の感情もありませんね。」
「わかっていますか?」
「はい、もう切れている。だから、宮部さんは私に何の気持ちもないのをきちんと感じています。」
宮部さんは、私の右手を掴む。
「三日月さん、私の気持ちを貴方にお返しします。」
右手の手袋を取られた。
ドクン……
私は、宮部さんの愛を全て受け取った。
「三日月宝珠さん、愛していましたよ。短い間でしたが、凄く愛していました」
「宮部さん、とても嬉しい言葉をありがとうございます。」
「それで、幽体の取材ですが?」
「ああ!明日からでもよろしいですか?」
「はい、宜しくお願いします」
宮部さんは、キリッと仕事の顔をした。
「希海さん、お守り買ってきましたよ」
「はい、ありがとうございます。」
「じゃあ、明日から宜しくお願いします。」
「こちらこそ、宜しくお願いします。」
これから、私は、宮部さんに私の出会った愛しき幽体の物語を話すのだった。
それを、宮部さんが記事にしてくれるのだ。
それは、宮部さんと私が、交わした約束だったから…。
あれから、三年の年月が経っていた。
私は、喜与恵(きよえ)と共に生活を続けた。
三年目の夏、突然能力が復活したのだった。
また、喜与恵と結ばれなくなってしまった。
「宝珠、三年も楽しんだではありませんか、もう私はそれでいいのですよ」
喜与恵は、私の頭を優しく撫でる。
「たった、三年だ。まだ、何百年とあるのだ。喜与恵、わかっておるのか?」
「はい、はい。わかっていますから…。」
いったん喜与恵も人間になったと言うのに、私を戻すために、半年前にまたあの方の血をもらい化け物となった。
あの後、父が豊澄と共に封印の鍵になったのを聞いた。
そして、二条さんは、魂の器になった。
肉体はないけれど、神社内の特別な空間で死者と生者(せいしゃ)が会えるようになったのだ。
私は、人形でいなくてよくなった為、あの方の血は喜与恵と同じ量を飲んだ。
私は、二度とこの愛を手放したくなかった。
「宮部さん、お久しぶりです。」
「こんにちは」
「こんにちは、宮部さん」
宮部さんは、驚いて私を見た。
「思い出したのですね。三日月さん」
「はい、全て。思い出しました。」
「良かったです。」
「良かったですね、宝珠」
宮部さんの隣には、三津木光珠(みつきこうじゅ)が、微笑んでいた。
「お似合いですね。お二人は…」
「ありがとうございます。」
「結婚とかは?」
喜与恵が、聞きづらそうな顔をした。
「しませんよ。私も宝珠と同じですから、希海さんを苦しめたくはありません。」
「私も同じ意見です。恋人は必要ですが、伴侶はいりません。この意味を理解していただけますか?」
私は、宮部さんに笑った。
「とても、よくわかりますよ。自分の形の幸せと愛を見つけた事をよくわかりました。」
私の言葉に、宮部さんはニコニコ笑って光珠を見つめている。
「お守り買いたいです。」
「わかりました。光珠さん。こちらへ」
喜与恵は、光珠と一緒にいなくなった。
「三日月さんに、似てるからでした。」
「はい?」
「光珠さんに、惹かれた理由です。」
「ああ!!髪の色ですか?目の形ですか?肌の色とか」
「フフフっ。違いますよ。何か、三日月さんだって思ったんです。初めてお会いした時に…。」
「そうですか、私は知っていましたよ。光珠と宮部さんがこうなる未来を…。光珠なら、安心して宮部さんを任せられると思いました。」
私の笑顔に、宮部さんが笑った。
「三日月さんが、全ての記憶をなくして10日目に三日月家(みかづきけ)の人に取材に行った日に会いました。糸埜(いとの)さんと一緒にいました。」
「出会いを説明していますか?」
「あっ、はい。」
「いいんですよ。気にしなくて。運命とは、そういうものです。なにもしなくても引き寄せられる。
しかし、切れてしまえばどれだけ会っていても引き寄せられる事はけっしてありません。宮部さんは、もう私に何の感情もありませんね。」
「わかっていますか?」
「はい、もう切れている。だから、宮部さんは私に何の気持ちもないのをきちんと感じています。」
宮部さんは、私の右手を掴む。
「三日月さん、私の気持ちを貴方にお返しします。」
右手の手袋を取られた。
ドクン……
私は、宮部さんの愛を全て受け取った。
「三日月宝珠さん、愛していましたよ。短い間でしたが、凄く愛していました」
「宮部さん、とても嬉しい言葉をありがとうございます。」
「それで、幽体の取材ですが?」
「ああ!明日からでもよろしいですか?」
「はい、宜しくお願いします」
宮部さんは、キリッと仕事の顔をした。
「希海さん、お守り買ってきましたよ」
「はい、ありがとうございます。」
「じゃあ、明日から宜しくお願いします。」
「こちらこそ、宜しくお願いします。」
これから、私は、宮部さんに私の出会った愛しき幽体の物語を話すのだった。
それを、宮部さんが記事にしてくれるのだ。
それは、宮部さんと私が、交わした約束だったから…。
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