49 / 96
求めてもらう方法なら知っている
くー子の話
しおりを挟む
望んでた場所が手に入った。
望んでた景色を手に入れた。
なのに、何で?
美春姉の中には、まだ咲子さんがいるの?
どうして?
キスだって、抱き合う事だってしてない。
ただの友達の咲子さんが、美春姉の中にずっといるのよ!
醜く、汚い、感情の渦に引き込まれていくのを随分前から気づいていた。
終わる約束をした朝。
私は、美春姉を見つめていた。
「こんなに、綺麗なのにね。どうして、男がいいのかな?美春姉…。私は貴女の未来にいれますか?」
髪の毛を優しく撫でる。
起きる気配はなくて、何度も何度もキスを繰り返した。
お別れしたくない。
友達に戻りたくない。
「愛してるよ、美春姉」
何度も、何度も、そう言った。
「全部、忘れないから…。美春姉と過ごした日々」
涙が流れるのを拭いながら、メモを書き上げた。
家を出て、鍵を閉めた。
小さな封筒にそれをいれて、バッグにしまった。
また、会うまでの約束に取っておくと決めた。
泣きながら、家に帰った。
リリリーン
「はい」
『くみちん、泊めて』
「わかった!」
一時間程してやってきたのは、松村加奈子。同じ大学の友人だった。彼女は、バイセクシャルだ。
「今日は、どっちと喧嘩したの?」
「すぎだよ」
「あー、そっちね」
「くみちん、美春さんと終わったの?」
「あっ、うん」
「私が、もらってやろうか?」
「いらないよ」
「だよね」
加奈子は、プシュっとビールを開けた。
グビグビと飲んで、ぷはーと言った。
「スッキリしてないんだね」
「友達に戻るって言われたから…」
「それは、キツいね」
「そうなの…」
「でも、愛してるんでしょ?」
「そうなの」
「じゃあ、またぶつかりなよ」
「加奈子、何言ってんの?」
「だって、好きならもっかいぶつかるべきだよ」
「いいのかな?」
「いいにきまってんじゃん」
そう言って、加奈子はビールを私に差し出した。
「今日は、飲んでスッキリしな」
「おう!」
「頑張れ、友よ!乾杯」
「乾杯」
グビグビとお酒を飲む。
加奈子と二人、あーでもない、こーでもないを繰り返した。
気づけば、朝まで飲んでいた。
「くみちん、来週会いに行きなさい」
「早すぎだよ」
「あのね、早く行かないと他の人にとられちゃうのわかる?」
「弱肉強食論でしょ?」
「そうだよ!向こうが、引っ越したらどうするのよ!だから、行くんだーー」
「わかったから、シッー」
加奈子と話したら、何だかスッキリしていた。
私は、放そうと決めた美春姉の手を、もう一度握りしめにいくことを、この日決めたんだ!
もう一度だけ、ぶつかってくるよ!
望んでた景色を手に入れた。
なのに、何で?
美春姉の中には、まだ咲子さんがいるの?
どうして?
キスだって、抱き合う事だってしてない。
ただの友達の咲子さんが、美春姉の中にずっといるのよ!
醜く、汚い、感情の渦に引き込まれていくのを随分前から気づいていた。
終わる約束をした朝。
私は、美春姉を見つめていた。
「こんなに、綺麗なのにね。どうして、男がいいのかな?美春姉…。私は貴女の未来にいれますか?」
髪の毛を優しく撫でる。
起きる気配はなくて、何度も何度もキスを繰り返した。
お別れしたくない。
友達に戻りたくない。
「愛してるよ、美春姉」
何度も、何度も、そう言った。
「全部、忘れないから…。美春姉と過ごした日々」
涙が流れるのを拭いながら、メモを書き上げた。
家を出て、鍵を閉めた。
小さな封筒にそれをいれて、バッグにしまった。
また、会うまでの約束に取っておくと決めた。
泣きながら、家に帰った。
リリリーン
「はい」
『くみちん、泊めて』
「わかった!」
一時間程してやってきたのは、松村加奈子。同じ大学の友人だった。彼女は、バイセクシャルだ。
「今日は、どっちと喧嘩したの?」
「すぎだよ」
「あー、そっちね」
「くみちん、美春さんと終わったの?」
「あっ、うん」
「私が、もらってやろうか?」
「いらないよ」
「だよね」
加奈子は、プシュっとビールを開けた。
グビグビと飲んで、ぷはーと言った。
「スッキリしてないんだね」
「友達に戻るって言われたから…」
「それは、キツいね」
「そうなの…」
「でも、愛してるんでしょ?」
「そうなの」
「じゃあ、またぶつかりなよ」
「加奈子、何言ってんの?」
「だって、好きならもっかいぶつかるべきだよ」
「いいのかな?」
「いいにきまってんじゃん」
そう言って、加奈子はビールを私に差し出した。
「今日は、飲んでスッキリしな」
「おう!」
「頑張れ、友よ!乾杯」
「乾杯」
グビグビとお酒を飲む。
加奈子と二人、あーでもない、こーでもないを繰り返した。
気づけば、朝まで飲んでいた。
「くみちん、来週会いに行きなさい」
「早すぎだよ」
「あのね、早く行かないと他の人にとられちゃうのわかる?」
「弱肉強食論でしょ?」
「そうだよ!向こうが、引っ越したらどうするのよ!だから、行くんだーー」
「わかったから、シッー」
加奈子と話したら、何だかスッキリしていた。
私は、放そうと決めた美春姉の手を、もう一度握りしめにいくことを、この日決めたんだ!
もう一度だけ、ぶつかってくるよ!
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる