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結末なら知っている

美春の話①

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くー子との関係が、終わってから三日目の今日、私は彼女に呼び出されていた。

「ごめんね。家まで来てもらって」

「ううん」

「本当は、そっちに行きたかったんだけど…。崇さんが、心配しちゃうから」

「オレンジでよかった?」

風邪でもひいたのだろうか?

心配とは、何なのだろうか?

「ありがとう、助かる。今、コーヒーいれるね」

「ありがとう」

私は、さっこの家のダイニングに座っていた。

「どうぞ」

さっこは、私が持ってきたオレンジを食べている。

「ありがとう」

私は、出されたコーヒーに砂糖をいれようとしていた。

「あのね、みーちゃん」

「なに?」

「私ね、赤ちゃん出来たの」

カチャン…

「大丈夫」

「あっ、ごめん」

私は、スプーンを拾った。

「新しいの」

「いいよ、いいよ」

私は、さっこを止めた。

「みーちゃん、喜んでくれる?」

「うん、おめでとう。よかったね」

ちゃんと笑えていますように…。

「ありがとう」

「これ、飲んだら帰るね」

「うん、ごめんね。オレンジ買ってきてもらって。崇さんが、安静にしててって煩くて」

「いいの、いいの」

私は、コーヒーをゆっくり確実に胃袋におさめた。

苦くて、堪らなかった。

「また、何かあったら連絡して」

「うん、じゃあね。気をつけてね」

「さっこも、気をつけて」

「うん、バイバイ」

そう言って、私はさっこの家を出た。

何でこんなに、眩しいかな。

青空を睨み付けて、歩いた。

帰宅途中で、ビールを買って飲みながら歩いた。

帰る頃には、3本も飲んでいた。

鍵をあけて、家に入ったら…。

玄関で、眠っていた。

どれくらい眠っていたかな?

目が覚めたら、泣いた。

くー子が、来てないじゃん。

泣いて、泣いて、起き上がった。

洗面所で、顔を洗って歯を磨いて、ベッドにダイブした。

天井を見つめながら、何度も手をあげてはおろした。

「この角度で、くー子を見るのが気に入ってたの」

空中のある場所で、手を止めて頬に当てる仕草をした。

「くー子、さっこがね。赤ちゃん出来たんだよ。私、もう勝てないよね」

私がいるじゃないとか、愛してるって言ってよ。

「くー子、何で来ないの?いつなら、来るの?」

スマホのメッセージアプリを開いて、メッセージを書いては消した。

自分から、友達に戻ろうと言っておきながら、軽々しく【今、どこ?】などと、送れるはずがなかった。

スタンプを眺めながら、こんばんはとか元気?とか押そうかと見つめる。

「駄目だ!無理」

出来るわけがない。

私は、くー子を道路に突き落としたのだ。

なのに、【すみませんね、はいはい】と言った感情で後部座席に乗せれるわけないのだ。

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