三日間の恋人

三愛 紫月 (さんあい しづき)

文字の大きさ
7 / 17

day2 真実

しおりを挟む
僕から、唇を離した柚は僕の髪を撫でる。

「話して、真実を…」

僕は、ゆっくり頷いた。

「あの日、お金を借りに行ったんやない。母さんを施設にいれるかどうするかの話し合いをしに行ったんや。」

僕は、柚の目を見れずに俯く。

「11歳だった僕は、体調がすぐれんくて家(うち)に帰った。おとんも、おかんも連絡がつかんくて。先生が、家(うち)まで送ってくれた。一人でおれるか?ってゆわれて頷いたのは、兄がすぐに帰宅するとゆうたからやった。」

思い出すだけで、吐き気が襲ってくる。

「外は、どしゃ降りで。先生は、ほな帰るなと行ってしもうた。風邪のひきはじめやったんやと思う。僕は、家の鍵を開けてはいる。誰もおらへんと思っていたのに、おとんとおかんの寝る部屋から変な声が響いた。泣いてるような、怒ってるような。僕は、ゆっくりとその部屋に近づいた。」

胃酸が大量に上がってきた。

泣きそうになるのを堪えた。

「おかんが、知らん人に首を締められてるんやと思った。やめろや。知らん男を押した。「なんや、クソガキ。ええとこやったんやぞ。もう萎えたわ。帰る。」男は、真っ裸でめちゃくちゃ怒った。おかんも裸やった。「待ってよ。いかんとって。こんなんでおかれたら困るわ」おかんは、男の下半身にしがみついて口の中に…ウェッ…」

僕は、ゴミ箱に胃酸を吐いた。

「大丈夫。いくらでも、吐いていいから」

柚は、僕の背中を擦ってくれる。

「男は、「ガキの前で、できるか。もうお前とは会わん」ってゆっておかんを蹴飛ばした。おかんは、泣きながら床に崩れ落ちた。僕は、下半身に走る違和感に気づいていた。「青(しょう)ちゃん、しっー。ゆうたら、アカンよ」ってゆわれた。おかんは、下半身の違和感に気づいた。やり方が、わからへん僕に教えてあげるとゆって、僕の手を重ねてそうした。ウッ…オェッ」

思い出したら、吐き気が襲う。

「手に出た、それを美味しそうに舐めた。今まで、兄しか誉められなかったのに…。初めて、その日おかんに誉められた。「ようできたね。えらいよ。また、やろな」またってどうゆう意味やろって思った」

涙が溢(あふ)れて、止まらなくなった。

「それから、君はお母さんの玩具になったの?」

僕は、頷いた。

「それで、あの事件が起きたの?」

「うん。おとんが、兄に聞くなと言って友達の家に行かせた。僕とおかんとおとんと祖父母で話し合った。「もうやりたくない。気持ち悪い」僕の言葉に、おとんはわかったと言った。祖父母は、暫くおかんをこっちで預かると言った。「青(しょう)ちゃんと放れるぐらいなら死んだ方がましや」そうゆって包丁を掴んだ。揉み合いになったけど、なんとか大丈夫やった。話し合いに疲れたみんなは、21時過ぎには、寝てしまった。おかんが、僕の布団に入ってきた。「青(しょう)ちゃん、お母ちゃんと来世で一緒になろうな。」キスをされて、触(さわ)られて、「やめてくれ」って突き飛ばしたら首を締められた。「やめろー」って叫んだけど誰も起きんくて、視界は真っ暗なっていって、ダンッてものすごい音がして。僕は、意識を失ってた。目覚めたら、真っ赤な炎に包まれていた。遠くで、おかんが、おとんを引きずってるのが見えた。」

身体中が、カタカタと震え出す。

「青(しょう)ちゃん、お母ちゃんと行くんやで。何かを振り上げて走ってくるおかんから祖父母が庇って、僕を放り投げた。その瞬間、激しい痛みとワァーってゆう叫び声とやめろーって声が響いた。一瞬で、炎が全てを包み込み。青(しょう)って声が響いた。それは、野太い化け物みたいな声で、僕を恨んでいる声だった。」

もう、思い出したくなかった。

「話してくれて、ありがとう。辛い思いをさせて、ごめんね。君のその記憶をなくせないから、私がちゃんと君を連れていってあげるから」

「約束してや」

「約束」

死ぬ事でしか救われない事を、ずっと感じている。

あの日の映像が、脳にこびりついて離れない。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

~春の国~片足の不自由な王妃様

クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。 春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。 街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。 それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。 しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。 花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??

すべてはあなたの為だった~狂愛~

矢野りと
恋愛
膨大な魔力を有する魔術師アレクサンダーは政略結婚で娶った妻をいつしか愛するようになっていた。だが三年経っても子に恵まれない夫妻に周りは離縁するようにと圧力を掛けてくる。 愛しているのは君だけ…。 大切なのも君だけ…。 『何があってもどんなことをしても君だけは離さない』 ※設定はゆるいです。 ※お話が合わないときは、そっと閉じてくださいませ。

靴屋の娘と三人のお兄様

こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!? ※小説家になろうにも投稿しています。

愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました

由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。 尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。 けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。 そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。 再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。 一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。 “尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。 静かに離婚しただけなのに、 なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。

橘若頭と怖がり姫

真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。 その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。 高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。

いちばん好きな人…

麻実
恋愛
夫の裏切りを知った妻は 自分もまた・・・。

根暗令嬢の華麗なる転身

しろねこ。
恋愛
「来なきゃよかったな」 ミューズは茶会が嫌いだった。 茶会デビューを果たしたものの、人から不細工と言われたショックから笑顔になれず、しまいには根暗令嬢と陰で呼ばれるようになった。 公爵家の次女に産まれ、キレイな母と実直な父、優しい姉に囲まれ幸せに暮らしていた。 何不自由なく、暮らしていた。 家族からも愛されて育った。 それを壊したのは悪意ある言葉。 「あんな不細工な令嬢見たことない」 それなのに今回の茶会だけは断れなかった。 父から絶対に参加してほしいという言われた茶会は特別で、第一王子と第二王子が来るものだ。 婚約者選びのものとして。 国王直々の声掛けに娘思いの父も断れず… 応援して頂けると嬉しいです(*´ω`*) ハピエン大好き、完全自己満、ご都合主義の作者による作品です。 同名主人公にてアナザーワールド的に別な作品も書いています。 立場や環境が違えども、幸せになって欲しいという思いで作品を書いています。 一部リンクしてるところもあり、他作品を見て頂ければよりキャラへの理解が深まって楽しいかと思います。 描写的なものに不安があるため、お気をつけ下さい。 ゆるりとお楽しみください。 こちら小説家になろうさん、カクヨムさんにも投稿させてもらっています。

処理中です...