三日間の恋人

三愛 紫月 (さんあい しづき)

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day2 待ち合わせ

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朝、目が覚めると晴兄は、朝御飯を用意していた。

「また、頑張って行ってみるんやで!わかったか?青(しょう)」

「わかった」

トーストをかじってる僕に、晴兄は牛乳を置いた。

「兄ちゃん、時間ないわ。ほな、行くわ。じゃあな」

「きいつけて」

晴兄は、バタバタと出ていった。

僕は、晴兄の人生を台無しにしている。

食べ終わったお皿をシンクに置いた。

もう、行かなくちゃ

家を出て、歩道橋にやってきた。

「君は、約束を守る人だね。」

「君も同じや」

「君って、言わないでよ」

「君がゆうからや」

「ハハハ、まあ、いいよね。じゃあ、君でいいじゃん。お互いに。行こうか」

「うん」

僕と柚は、歩き出す。

また、柚の家に来てしまった。

「先に上がってて、お茶持っていくから」

「わかった。」

柚の部屋に上がった。

明日になれば、この関係は終わる。

人を好きになるのには、長さが必要だと思っていた。

なのに、僕は柚にドキドキしている。

これは、恋なのだろうか?

「はい、お茶。」

「ありがとう」

「明日は、土曜日だからどこかに行かない?」

「うん、かまへんよ」

僕は、麦茶を飲みながら笑った。

「じゃあ、キスしていい?」

「なんで?」

怯んだ僕に、柚はキスをしてきた。

昨日とは、違って舌を絡ませてこられた。

「アカン。ごめん」

まただ。

下半身の違和感に吐き気がする。

「やっぱり、君は虐待を受けていたんだね」

僕の下半身に触(ふ)れてくる。

「やめてくれ、怖い」

「昨日も言ったけど、怖くはないんだよ。君の恐怖を私が取り除いてあげるよ」

優しく頬を撫でられる。

「アカン、気持ち悪い」

「吐きそう?」

「うん」

「待って」

柚は、僕にゴミ箱を渡してくれた。

「君が嫌がっても、今日は最後までするって決めた。時間は、まだまだあるから」

彼女の目にも吐き気がした。

「ごめん、僕、怖い。アカン」

涙が流れて、止められない。

「話して、全部。どうせ、死ぬなら話してよ。私は、君の事が知りたい」

そう言って、髪を撫でられる。

「一家心中の真相を話すよ。ホンマのこと。週刊紙は、しらん真実」

僕も、頭の中で、必死で塗り替えようとしていた真実を…

僕の言葉に、柚はまたキスをしてきた。


「アカン。やっぱり」

「この違和感が、気持ち悪いの?」

「うん」

「何で?男は、みんなそうなるよ。」

「なんで?そんなん柚にわかるんや」

僕の言葉に、柚がビクッとした。

「私、お兄ちゃんがいるの。」

「えっ?」

「10歳離れてるから、去年結婚した。」

「うん」

「日曜日に、お兄ちゃんを殺そうと思ってるの」

「冗談、ゆわんといて」

「大丈夫、君もちゃんと連れていってあげるから」

そう言って、僕の頭を撫でる。

「柚も死ぬつもりなんか?」

「そうだよ。お兄ちゃんが、そう望んでいたから」

「両親は、悲しむやろ?」

「大丈夫、お姉ちゃんがいるから。日曜日は、両親とお姉ちゃんとお兄ちゃん家族とご飯を食べに行く事になってるの。7時からなんだけどね。悩みがあるって、6時から一時間。お兄ちゃんと家で二人で話す事になってるの。君もおいでよ。私が、ちゃんと君も救ってあげるから」


晴兄には、悪いけど、僕を救ってくれるのは柚だ。

「君も、性的虐待の被害者だよね?」

柚は、僕の手を握りしめる。

「私も同じ。お兄ちゃんから、性的虐待を受けていた。去年結婚して、出ていくまでずっと…。10年間。」

「5歳から?」

「そうだよ。初めはここを触(さわ)らされた。お医者さんごっこって話。馬鹿馬鹿しいよね。家族は、何も知らない。絵に描(か)いたように幸せだと思ってる。これを、君が預かっていてくれない?」

「本?」

「違うよ、私の日記。これを、私が死んだら世間に突きつけてよ。友人Aとして」

「僕も死ぬのに?」

「なら、君の家族に頼んでくれない?真実をねじ曲げられるのは、嫌。それと、お兄ちゃんしか知らずに逝くのも嫌。」

そう言って、柚は僕にまたキスをしてくる。

嫌なのに、頭の奥がジンジンと痺れてくる。


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