18 / 18
八の痛みと九(きゅう)の気持ち
しおりを挟む
朝、職場に行くのに家を出た。
「八角(はっかく)、おはよー」
「酒臭いんやけど」
出ていこうとする腕を掴まえられた。
「また、男にふられたんか?」
俺は、水を差し出した。
「冷たいなぁ、おかんの事、また捨てんの?」
「仕事やから」
ネクタイを引っ張られた。
「キスしようとすんなよ」
「嫌」
俺は、この人の言いなりの玩具は嫌だ。
「八角(はっかく)、あんたに色気を教えたんはうちやで。わかるか?」
「離せ。金が欲しいだけやろ」
「ネクタイはずせ。」
「嫌じゃ、もう俺は、30やぞ。あんたの玩具やない」
「八角(はっかく)。会社に働かれんくまたしたろか?」
俺は、ネクタイを外す。
「こっち座って」
ソファーに座らされた。
「八角(はっかく)は、女性はお母さんだけよね?」
カッターシャツのボタンをはずされていく。
「そんなわけあるか。俺は、あんたのせいで、クソビッチになったんや」
「へー。ビッチになったん。色んな女抱いて。色んなやつ味わって。八角(はっかく)、なにしてんの?」
「やめろ」
「八角(はっかく)」
深いキスを無理やりされた。
「やめてくれ、せっかく綺麗になれるんや。だから、もうやめてくれ」
母親は、立ち上がった。
九(きゅう)にキスしたい。
舌を切り落としたい。
「八角(はっかく)死のう」
「えっ?」
母親は、包丁を持ってる。
「やめてくれや」
突進してきた母親の包丁を左手で受け止めた。
「痛い。やめろや」
俺は、母親を突き飛ばした。
「八角(はっかく)、またあんたうちを捨てんのか」
財布の中から、全財産を投げつけた。
「殺人犯になりたないんやったら帰れ」
母親は、俺の言葉に金を拾い集めて出ていった。
はあー。
九(きゅう)に指輪買いたいからお金おろしたのにな。
30万、渡してもうた。
俺は、腕を押さえ続ける。
血が止まらなくて病院に行った。
縫わずにいけてよかった。
俺は、九(きゅう)のアパートに座っていた。
九(きゅう)が、包帯をかえてくれる。
「なあ?九(きゅう)」
「うん」
消毒をしてくれる。
「痛ない?」
「痛い」
「ごめん」
「そこやない。」
あの女に触(さわ)られた。
「えっ?」
俺は、九(きゅう)の手を胸に持ってくる。
「胸?」
「九(きゅう)、俺ね。家出たんわ。性の対象にされてたからやねん。」
「性の対象?」
「母は、男に捨てられて酔っぱらったら、俺を求めた。父に似てるから。やっと、綺麗になれるって思ったのに。九(きゅう)、やっぱり、汚(きたな)いままやわ。俺」
「八(はち)は、汚(きたな)くないよ」
「九(きゅう)。帰るね」
そう言った俺の手を引き寄せた。
「綺麗にして欲しくてきたんやろ?」
「九(きゅう)、俺の事気持ち悪いって思わんの?みんな、話すと放れていったよ。親とそんな事する奴は気持ち悪いって」
「気持ち悪(わる)ないよ。座って」
俺は、ソファーに座らされた。
「八(はち)、泣かんでよ」
「ごめん。もう、こんな人生嫌や」
俺は、九(きゅう)の前で泣いていた。
.
.
.
.
.
八(はち)は、僕の前で泣いていた。
もっと先に進めば、兄が竹君に感じたように僕にも八(はち)の気持ちが…
「八(はち)、キスしてもいい?」
「うん」
僕は、八(はち)にキスをした。
「舌食べてくれん?」
「えっ?」
八(はち)は、そう言って泣いていた。
涙を拭って、キスをした。
僕が、八(はち)を守るから…。
そう思いながら、深く優しくキスをした。
「八角(はっかく)、おはよー」
「酒臭いんやけど」
出ていこうとする腕を掴まえられた。
「また、男にふられたんか?」
俺は、水を差し出した。
「冷たいなぁ、おかんの事、また捨てんの?」
「仕事やから」
ネクタイを引っ張られた。
「キスしようとすんなよ」
「嫌」
俺は、この人の言いなりの玩具は嫌だ。
「八角(はっかく)、あんたに色気を教えたんはうちやで。わかるか?」
「離せ。金が欲しいだけやろ」
「ネクタイはずせ。」
「嫌じゃ、もう俺は、30やぞ。あんたの玩具やない」
「八角(はっかく)。会社に働かれんくまたしたろか?」
俺は、ネクタイを外す。
「こっち座って」
ソファーに座らされた。
「八角(はっかく)は、女性はお母さんだけよね?」
カッターシャツのボタンをはずされていく。
「そんなわけあるか。俺は、あんたのせいで、クソビッチになったんや」
「へー。ビッチになったん。色んな女抱いて。色んなやつ味わって。八角(はっかく)、なにしてんの?」
「やめろ」
「八角(はっかく)」
深いキスを無理やりされた。
「やめてくれ、せっかく綺麗になれるんや。だから、もうやめてくれ」
母親は、立ち上がった。
九(きゅう)にキスしたい。
舌を切り落としたい。
「八角(はっかく)死のう」
「えっ?」
母親は、包丁を持ってる。
「やめてくれや」
突進してきた母親の包丁を左手で受け止めた。
「痛い。やめろや」
俺は、母親を突き飛ばした。
「八角(はっかく)、またあんたうちを捨てんのか」
財布の中から、全財産を投げつけた。
「殺人犯になりたないんやったら帰れ」
母親は、俺の言葉に金を拾い集めて出ていった。
はあー。
九(きゅう)に指輪買いたいからお金おろしたのにな。
30万、渡してもうた。
俺は、腕を押さえ続ける。
血が止まらなくて病院に行った。
縫わずにいけてよかった。
俺は、九(きゅう)のアパートに座っていた。
九(きゅう)が、包帯をかえてくれる。
「なあ?九(きゅう)」
「うん」
消毒をしてくれる。
「痛ない?」
「痛い」
「ごめん」
「そこやない。」
あの女に触(さわ)られた。
「えっ?」
俺は、九(きゅう)の手を胸に持ってくる。
「胸?」
「九(きゅう)、俺ね。家出たんわ。性の対象にされてたからやねん。」
「性の対象?」
「母は、男に捨てられて酔っぱらったら、俺を求めた。父に似てるから。やっと、綺麗になれるって思ったのに。九(きゅう)、やっぱり、汚(きたな)いままやわ。俺」
「八(はち)は、汚(きたな)くないよ」
「九(きゅう)。帰るね」
そう言った俺の手を引き寄せた。
「綺麗にして欲しくてきたんやろ?」
「九(きゅう)、俺の事気持ち悪いって思わんの?みんな、話すと放れていったよ。親とそんな事する奴は気持ち悪いって」
「気持ち悪(わる)ないよ。座って」
俺は、ソファーに座らされた。
「八(はち)、泣かんでよ」
「ごめん。もう、こんな人生嫌や」
俺は、九(きゅう)の前で泣いていた。
.
.
.
.
.
八(はち)は、僕の前で泣いていた。
もっと先に進めば、兄が竹君に感じたように僕にも八(はち)の気持ちが…
「八(はち)、キスしてもいい?」
「うん」
僕は、八(はち)にキスをした。
「舌食べてくれん?」
「えっ?」
八(はち)は、そう言って泣いていた。
涙を拭って、キスをした。
僕が、八(はち)を守るから…。
そう思いながら、深く優しくキスをした。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる
cheeery
BL
告白23連敗中の高校二年生・浅海凪。失恋のショックと友人たちの悪ノリから、クラス一のモテ男で親友、久遠碧斗に勢いで「付き合うか」と言ってしまう。冗談で済むと思いきや、碧斗は「いいよ」とあっさり承諾し本気で付き合うことになってしまった。
「付き合おうって言ったのは凪だよね」
あの流れで本気だとは思わないだろおおお。
凪はなんとか碧斗に愛想を尽かされようと、嫌われよう大作戦を実行するが……?
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
前世が教師だった少年は辺境で愛される
結衣可
BL
雪深い帝国北端の地で、傷つき行き倒れていた少年ミカを拾ったのは、寡黙な辺境伯ダリウスだった。妻を亡くし、幼い息子リアムと静かに暮らしていた彼は、ミカの知識と優しさに驚きつつも、次第にその穏やかな笑顔に心を癒されていく。
ミカは実は異世界からの転生者。前世の記憶を抱え、この世界でどう生きるべきか迷っていたが、リアムの教育係として過ごすうちに、“誰かに必要とされる”温もりを思い出していく。
雪の館で共に過ごす日々は、やがてお互いにとってかけがえのない時間となり、新しい日々へと続いていく――。
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
【完結】毎日きみに恋してる
藤吉めぐみ
BL
青春BLカップ1次選考通過しておりました!
応援ありがとうございました!
*******************
その日、澤下壱月は王子様に恋をした――
高校の頃、王子と異名をとっていた楽(がく)に恋した壱月(いづき)。
見ているだけでいいと思っていたのに、ちょっとしたきっかけから友人になり、大学進学と同時にルームメイトになる。
けれど、恋愛模様が派手な楽の傍で暮らすのは、あまりにも辛い。
けれど離れられない。傍にいたい。特別でありたい。たくさんの行きずりの一人にはなりたくない。けれど――
このまま親友でいるか、勇気を持つかで揺れる壱月の切ない同居ライフ。
何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか
風
BL
平凡な学生だったはずの俺が転生したのは、恋愛ゲーム世界の“王子”という役割。
……けれど、攻略対象の女の子たちは次々に幸せを見つけて旅立ち、
気づけば残されたのは――幼馴染みであり、忠誠を誓った騎士アレスだけだった。
「僕は、あなたを守ると決めたのです」
いつも優しく、忠実で、完璧すぎるその親友。
けれど次第に、その視線が“友人”のそれではないことに気づき始め――?
身分差? 常識? そんなものは、もうどうでもいい。
“王子”である俺は、彼に恋をした。
だからこそ、全部受け止める。たとえ、世界がどう言おうとも。
これは転生者としての使命を終え、“ただの一人の少年”として生きると決めた王子と、
彼だけを見つめ続けた騎士の、
世界でいちばん優しくて、少しだけ不器用な、じれじれ純愛ファンタジー。
青龍将軍の新婚生活
蒼井あざらし
BL
犬猿の仲だった青辰国と涼白国は長年の争いに終止符を打ち、友好を結ぶこととなった。その友好の証として、それぞれの国を代表する二人の将軍――青龍将軍と白虎将軍の婚姻話が持ち上がる。
武勇名高い二人の将軍の婚姻は政略結婚であることが火を見るより明らかで、国民の誰もが「国境沿いで睨み合いをしていた将軍同士の結婚など上手くいくはずがない」と心の中では思っていた。
そんな国民たちの心配と期待を背負い、青辰の青龍将軍・星燐は家族に高らかに宣言し母国を旅立った。
「私は……良き伴侶となり幸せな家庭を築いて参ります!」
幼少期から伴侶となる人に尽くしたいという願望を持っていた星燐の願いは叶うのか。
中華風政略結婚ラブコメ。
※他のサイトにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる