桜髪の乙女は元兄上様、魔女で絶対な悪役令嬢へと堕落す。弟を奪うために

書くこと大好きな水銀党員

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極悪令嬢に堕ちる

知るべきではない世界

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 暴露話は私にっとって思いがけない所から始まる。

「『聖女』に関して女神は嫌ってます。これに関して本当に申し訳ない」

「……はいぃ?」

 私は紅茶を用意してくださり、それを啜るのをやめて変な返事を溢した。大司教の暴露話に驚かされてばかりだが。非常に疑わしい話だと考える。ならば何故、彼女に弱い者を救える力があるのかと。

「大司教様。何を迷った言葉を溢すのですか……」

「ボケてはいませんよ。『聖女』は古い術の弊害で生まれた転生者です。何処からか魂だけを呼び寄せる問題を先送りした女神の罪の傷痕です。ただ、利用はしてます。可哀想ですし、真面目な方々もいます」

「女神様が『聖女』様を生み出し。宗教を広めるためにではないのですか?」

「私達がいるので女神様が宗教を広める必要はありません。それに……祈りを捧げるのは自由です。異教徒だろうと排除はしません。露骨な敵対行為をしなければですが」

「えっと、転生者と言う言葉があったのですが……何ですか?」

「あなたが生まれる時。前世の記憶を持ったまま生まれ、力をそのままか。新たに傷を癒す事の出来る力を持って誕生することでしょうか。それに近い事です。女神様はそれを非常に嫌いますが、すでに世界のルールでもあるので諦めている感じです」

「そんな事があるんですね……面白いですね。輪廻転生と言う概念が大司教様の口から。魔法使いとしては面白い題材ですね」

「秘密ですよ。『老人会』で話すのもやめてください。転生者によって不幸を被った方もいますので露骨に嫌悪感を示し、喧嘩するので」

「しかし、そんな女神様が自身で行った事を嫌うなんて」

「女神様も言われているほど、完璧ではないのですよ。だからこそ身近に感じれるのです。ただ、そこら辺に女神様が遊びに来ているなんて信じれませんでしょう。そういう事です」

「……それもそうですね」

 紅茶を啜りながら、世界の根底を聞く。非常に魔法使いとしてなら面白い話であるが今の表の世界に広めるには毒性が強く。多方面から怒られるだろう。意見の違いは異教徒と言われる世界でもある。だから、魔法使いは隠れて調べものをする。

「大分、落ち着いて居られるのですね。人によっては怒り、罵声さえ向けて来ます。自分の信じる世界が違うと言うだけで」

「大司教様の言葉です。それに……私は『老人会』でもあり。非常識は往々にしてございます。陸に海賊が居たんですよ? 変な事は経験済みです」

「ああ、彼女ですか……」

「釘を刺されてしまいました。目的を達せずに」

「目的は弟を取り戻す事ですね」

「はい……」

「それは叶うでしょう。女神様の加護がございます」

「…………このペンダントはその証拠でしょうか?」

 私は胸から剣のペンダントを取り出して見せる。大司教様は頷き。これについても答えてくれる。

「そうです。女神が触れた方に配っています。剣をモチーフとするのは女神様は『武神』も兼ねているためです」

「私はてっきり絶縁を言い渡されたかと思いましたが……女神様はおやさしい」

「いえいえ女神様は全く優しくございません。エルヴィス嬢がやって来た事を評価した結果です。弟のためにここまで出来る方が他に居ませんでしょう。努力し、悩み、愛し。そして、素晴らしい方なので女神様も顔を出したのです」

 私はペンダントと紋章を見比べる。神の気まぐれでいただいた力だったのだろう。そう、応援されていると信じれる。今なら……弟を奪えと。

「『聖女』に敵対してもよろしいですか大司教様」

「関わらないです。もしも私が『聖女』に与した瞬間それは女神への造反です。聖剣を手渡された私には絶対に裏切ることはしません」

「騎士みたいな忠誠心ですね」

「私は大司教であり、騎士でもございますよ。悪を斬る。断罪するために。なのでエルヴィス嬢。自己防衛以外の殺しは控えてくださいね。抜きますよ」

「はい、また釘を刺されてしまいました」

 私は初めて大司教様を理解出来た気がした。演説など多くの姿は表向き。裏では正真正銘の姫から剣を託された者なのだ。鋭く、そして……芯の強さを感じる。

「ありがとうございました。もう帰ります。ごちそうさまでした」

「悩みはなくなりましたか?」

「はい、皆が隠す事を知り……落ち着きました。墓まで持っていきます。旦那になる方にお話をするのは?」

「家族に理解を得るのはよろしいと思います。なお、それで殺される場合が生まれますが」

「秘密主義って大変ですね」

「大変です。ただ、まだ世界に伝えるには歴史が浅いのが原因なだけです。いつか……皆が知る日が来るそれまでより良い世界を頑張って築きましょう。断罪しながら」

「恐ろしい事を仰いますね。大司教様は」

「ふふ、ええ。そうです」

 大司教様に私はついていき教会の正門まで連れてきてくれる。それが噂されるようになるのは数日後になるのだった。





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