【完結】復讐に燃える帝国の悪役令嬢とそれに育てられた3人の王子と姫におまけ姫たちの恋愛物語<キャラ文芸筆休め自分用>

書くこと大好きな水銀党員

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悪役令嬢の母と4人の王子たち(ご紹介)

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 赤い帝国、多くの国を食い散らかした強大な敵とも言われる国。赤い国旗は血の色と言われる程に残虐な国として有名だった。しかし、それは諸外国の侮蔑や悪評である。

 昔に比べればマシになったと言うべき状態だとウリエルは思った。

「ふぅ……今日もいい休日の朝です」

 帝国の屋敷の一室でウリエルは起き上がり、いつものように畳んでおいてあった服を着る。休日だからこそしっかりと休もうと思い。いつもの騎士服ではなく私服に着替える。まだ20にも満たないがその姿はしっかりと王子らしい逞しくも美しい姿だった。きれいに手入れされている金髪の髪が彼を貴族と言う上級階級であることを示していた。

 柔らかい笑みは非常に令嬢に好評であり。今の誰よりも人気な王子となった。遠方の王国の学園への招待状も届いていたが……すでに騎士として帝国を支えている人物となる。

 遊ぶ事より騎士としての仕事の方が好きだと言う。

「ふむ。7時半。しっかりと起きてこれたのは僕だけですね」

 屋敷の作りは変わっている。寝室が2階、母親父親の寝室も2階にあり。皆が個室を持っている。そして……1階はリビングとなっており。そこまで大きい屋敷ではない。使用人も4人の交代と少なく。帝国の皇帝が住むには少しだけ狭い気もするが……広すぎてもつまらないものだと父は言う。

 ウリエルはソファーに座り。使用人の今日担当の一人に6人分の朝食をお願いする。

「……今日は休日。何をしましょうか?」

 ウリエルはいつもの仕事が趣味な人間のため。人に合わせるのが得意だが自分からこうしたいと言うのが昔から苦手だった。

「母さんに合わせるか」

 苦手だったと言うより。少しだけ……母親に依存している。

「ふぁー……おはよぉ。お兄ちゃん……あっ」(つい……お兄ちゃん言ってしまって……そんな歳じゃないのにな)

「……うん。おはよう。ラファエル」(はぁ。間違えたようだね。照れてから……いいよ。お兄ちゃん呼びは久しぶりですごく嬉しいね。やはり……兄である自分は素晴らしい)

 次男ラファエル。特徴的な海のように青い髪で眼鏡をかけた弟が現れる。本が読むことが好きであり。魔法使いとしての才能が色濃く。髪の色と合間って水の魔法使いといえば彼と言われる。そして母親とウリエルに混じって騎士として教えられたため、腕はそこそこの剣士でもあり。魔法使いだから接近すると思った以上に痛い目を見る。

「えっと……みんなはまだ? ウリエル?」

「ああ。まだ起きてきていない。今日は早いねラファエル」

「目が覚めたからだよ。じゃぁ……剣の稽古を予約しようかな?」

「君は魔法使いとして素晴らしい才能があるじゃないか?」

「魔法使いはおまけで僕もウリエルと同じ騎士だ。騎士として呼ばれたい。それに努力してると皆が誉めてくれるんだ。あとローブは着ない」(一番はウリエルお兄みたいになりたいからなんだけどね。騎士格好いい)

「まぁ。僕もそんな弟と剣を交わすのは好きだよ。剣だけならまだ勝てるがいつも内心はいつ追い越されるかわかったものじゃない」
「そんなことないよ」

 ソファーで座りながら褒め合いから、いつもの仕事の話になる。まだ若いラファエルに仕事について色々とウリエルは相談を受けるのだ。だが……1才しか変わらないので。ウリエルもそこまでしっかりはわからないが話をすれば見えてこなかった事もわかり有意義だと認めている。

 そう、ウリエルはラファエルにライバル意識もあった。ラファエルも兄の背を越したいと思っている。

「……にしても二人起きてこないね。ウリエル」

「……ラファエル。お兄ちゃんと呼んでいいですよ?」

「恥ずかしい。ウリエル。もういい歳です」

「……お兄さん寂しい」

「………」

 ウリエルはニヤニヤとイタズラっぽく笑い。ラファエルはそれに頭を抱えた。その時背後で大きな声が聞こえる。ドタドタと五月蝿い音が。

「だからああああああああ!! ガブ姉!!」

「何でよ!! お母様は毎朝お父様にキスしてるわ!! 家族としてるのよ!? ねっ? ミカエル」

「あれは夫婦!! 俺たち兄弟!!」

「大丈夫。あなたにはお父様とお母様の血。私は腹違いで父親の血しか入ってない。近親は半分アウトの半分セーフよ!! どっちでもいけるわ!!」

「ガブ姉さん!! 絶対にアウトだよそれ!!」

「つべこべ言わないの~」

 緑の長い艶のある髪を垂らしている美少女はガブリエルと言う長女。赤い燃えるような三男はミカエルだ。いつものように絡みあっている。外ではガブリエルは男装したり女性のままだったりと多芸にとみ。一定の支持を何故か女性から受けている。剣の腕も暗器の腕も一流で魔法さえも修練し……器用に何でも弟のためにとこなすのだ。

 男装の時はミカエルもまぁ近付くが。女の時は距離をとっている。まぁ……理由はもちろん。

「ミカエル~愛してる」

「お、おえ……」

 重度のブラコンであるからだ。ウリエル、ラファエルはそれを見ながらいつも末っ子でないことを嬉しく感じてた。ミカエルを憐れみながら。

「ミカエル~どうして? お姉さん綺麗でしょ?」

「……綺麗だけどさぁ……」

「なら、どうして? 昔はいっぱいいっぱい愛し合ったじゃない?」

「昔はガブリエル兄ちゃんを慕ってただけだよ‼ はぁ………俺の好きだったガブ兄はもう死んだんだよ」

「ふふ、お姉ちゃんになって復活よ!! いえ……ミカエルが私を女にしたの」

「誤解がある言い方やめてほしい」

「まぁ~あの一緒に寝た日々は嘘だって言うの!?」

「含みがあるような言い方もダメやぞ……ウリエルお兄ちゃん助けて」

「……はぁ。いつもいつも……ガブリエル!! 少しは落ち着きなさい。令嬢でしょう」(ミカエルが僕を頼ってくれている。勝ったなガブリエルに)

 ガブリエルが歯軋りをしながらも黙ってソファーに座った。ミカエルとは反対。ウリエルとラファエルを挟んで。

 四色の髪の王子が揃う。一人は間違いで王子として育てられたが……王子仲は良好だった。その4人に朝食が運ばれ。4人は4人で休日の過ごし方を考える。

「母さんたちは? ウリエル」

「まだですね。ラファエル」

「母さんもおやすみ? ウリエル」

「ウリエル兄ちゃん。母さん休み?」

「……お母様はお休みです。薔薇騎士団は今日はお休みです。直接聞いてください」

「お兄ちゃん頼りになるから……」

「悔しいですがミカエルちんの言う通り……敵わないのが歯がゆい」

「ウリエルだから」

「君たち………はぁ……」

 ウリエルは内心嬉しいがヤレヤレと言ったような仕草をする。大人しい大人を演じようと努力を怠らない。ウリエルは兄としての生き甲斐もある。

「ん……ふぁあ~。あら。あなたたち、おはよう早いわね」

「「「「お母様おはようございます」」」」

「母上……父上は?」

 4人が一斉に挨拶し、その四人とは反対のソファー。二人だけのソファーに座る。容姿はミカエルの髪などによく似た赤い髪の20代後半の女性であり、切れ長く鋭い目付きの綺麗な母親だった。1児の母親でありミカエルはこの母親の実子に当たる。それ以外は血縁はない。しかし……皆は母親と呼ぶ。

「もうすぐ来るわよ」

「……ふむ。お前ら早いな。おはよう」

「「「「父上、おはようございます」」」」

「うむ。うむ。仲良き事は良いことだ……良いことだ。でっ……おはよう言わないのかい? ミェースチ」

「一緒に寝て起きてるのに? あなた……2回も言わないといけないの?」

「二人きりで1回。息子たちの前で1回だ」

「はいはい……おはよう」

「おはよう!! ミェースチ!! 今日も君は若さが輝いている」

 赤髭赤髪の大分母とは歳が離れた父上は笑顔でミェースチと呼ばれた母と同じソファーに座り。母親を抱き締める。息子の前でも母親はワシのものアピールを忘れない行為に4人は心で呆れる。

(父上の気持ちはいたいほどわかりますが……羨ましいですね)

(やっぱいつもの父上だ)

(ミカエル!!)

(やらないよ、ガブリエル!!)

「朝から暑苦しいわ。あなた……」

「嫌がってないだろ?」

「まぁ。あなたですから」

「ミェースチ……」

「父上。落ち着きください。僕らの前でそういうのはお止めください。ミカエルの教育によくありません」

「えっ!? 俺!? ガブリエル姉ちゃんでしょ!!」

「まぁ!! ミカエル失礼ね!! そんなことしないわ……まだ自制が効いてる」

「え、ええ……ええ……………ええ……」

「まぁ……いい。でっ、息子たち。今日は仕事か?」

「父上、残念ながらラファエルからしゃべらせてもらいますと……休日です。喜んでください。全員です」

「ふむ。皇帝権限で仕事を作ってやろう」

「あっ……父ちゃん。母ちゃんと二人きりになりたいからって……公私混同を」

「あなたねぇ……昔はもっとまともだったのに。大人げない」

「…………」

(あっお父さんショック受けてる)

 なんとも穏やかなに空気が流れる。そしてふと……ミカエルは言葉を紡ぐ。

「そういえば……お母様の復讐どうな……もごぉ!?」

「ミカエル。禁句だ」

「ウリエルの言う通りです」

「……いいわよ。語ってあげる。昔話を話すのもいいでしょう? たまには……それを聞いて今を考えましょうか」

 ミェースチは目を細める。そう、目を細め……昔を懐かしみ。過去を話し出す。

 懐かしい過去を………

(((ミカエル……)))

(ごめん!! マジでごめん!! 好奇心が………)

 4人の王子は母親の執念を知っていた。だからこそ……禁句だった。何故なら復讐相手は隣国の女王様だから。
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