嘘つきの怪人は記憶泥棒(初恋)の始まり

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嘘つきは泥棒(初恋)の始まり⑭

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 最近、私たちと明確な敵対化した組織が活発に動き出している。その組織に対して私は全面攻撃を行った。総統がご立腹なために「絶滅抗争」を命令されたのだ。

 ドラゴンとマインドは部下を扱い、関係者の秘密暴露、公金流入の証拠を提示させて資金源や国民に周知させて弱体化させようとし、ファーフルは学校閉鎖に伴って部活動出来ない腹いせに本拠地を強襲している。

 では、オブリビオンと言われる私に関しては最悪最低で凶悪な事する。

 具体的には「記憶喰い」から「抜いた記憶に改竄記憶を与える」を行っている。補填された記憶を元に「化物によって攻撃を加えられた」「喉の奥に毒薬があり、毟らないといけない」と信じ込ませる。それを直近で行う。知らない傷が増え、致命傷に近い傷が生まれ、自害する者も増える。

 攻撃方法は総統の案で成された。「私を知る」と私は素直に記憶を喰って私を忘れさせる。それを私の潜伏方法とした。だが、これを利用する。

 「私を知る」と言うことが行われると私が認知出来て攻撃出来るようになる。私の能力を弱め、敵対組織に情報を流す。結果、「私を知る」被害者が増えていき。知れ渡れば壊滅まで出来るようになる。その結果、不審死がニュースになる。

 そして、また。泳がせている記憶保持者が私を伝聞する。そのまま、時間を決めて攻撃する。それを繰り返した。4時44分発動。しかし、それも嘘であり。12時に発動などして相手を困惑させる。「4時44分じゃないのか!?」とね。

「オブリビオン……こわ」

「ドラゴン、私たちはオブリビオンに生かされているんですね……」

「お前一人でよくね? 野球してきていい?」

 会議室、報告会で皆の報告後。私はドン引きされている空気感に「何がいけませんか?」と聞く。総統がピリついた空気を切るように話を進めた。

「オブリビオン、もう大丈夫だ。あとはドラゴンとマインドに任せていいだろう」

「わかりました。記憶喰い切ります」

 敵対組織から全ての私の情報を消す。勝利の味は非常に不味い。

「ドラゴン、マインドが流した情報で『不審死は口封じの暗殺』と世間は思っている。皆、よくやった。私は忙しい。すまないが他の怪人の元へ行く」

 総統が退室。残った私たちは緊張が溶けて大きいため息を吐いた。

「本当に最悪な怪人達でしたわね。これだから怪人の地位向上はないんですのよ。オブリビオンもそう思うでしょ?」

「思う。私が学校で彼氏とイチャイチャしてたの邪魔した」

 私の言葉にファーフルが近付き、そのまま指を差す。

「オブリビオン、お前!? 私怨なんか!!」

「10番、貴方もでしょ」

 10番と言われて驚かれながら、彼女は私の肩に手を回す。

「オブリビオン、なんで番号知ってるんだ?」

「あなたが10番の背番号のユニフォームを買ってるのを聞いたの。1番じゃないけど、投球制限だから2番手として頑張ってね」

「お、おう……素直に応援してくれてるから、滅茶苦茶文句も言いづらい。嘘でもいいから喧嘩腰で憎たらしい奴のがやりやすいぜ……」

「私の応援邪魔? 背番号10番のユニフォーム買ったの捨てればいい? 泣くよ?」

「ごめん。許してオブリビオン……」

「許すのは勝ってからにする。ヤジる」

「お前……○○ファンかよ……」

 ファーフルが手を合わせて「今度奢るから」と言いながら謝り、私は頷いて席を立つ。

「ドラゴンとマインドが頑張ってくれるから帰ります。消したい過去があれば記憶を喰うので連絡ください」

 私の話に二人はそのまま笑顔でパソコンから顔を上げてドラゴンはそのまま違和感を持っているのか、質問を投げ掛けた。

「わかったわ、オブリビオン。でも、あなた……能力使いたがらなかったのにどういう風の吹き回し? こんなに強い能力なら……天下を取れるわ」

「もう、隠蔽するには能力を使いすぎたの。今更、もう無理。『ふく水盆に返らず』です」

 私は会議室を後にし、真っ暗世界から一変、学校の屋上に戻ってくる。

 学校閉鎖された屋上の一角で座り、空を見つめる。

 最近ずっと空ばかり見ている。

 彼氏のメッセージに打ち込む。写真と共に。

「私は何処でしょうか?」

 彼は「ヒントは?」と返信し、それに1つ答える。

「私は悪い子です」

 これでわかれば彼は賢い。閉鎖した学校の鍵を開けて屋上にいるなんて導き出されるわけがない。難しいヒントだろう。彼からのメッセージが飛ぶ。

「学校じゃないだろうな?」

 鋭い。

「どう、思う?」

「悪い子だ」

 彼は賢い。なんでわかったのだろう。

「記憶、見ればいいか……」

 彼の記憶を覗こうとし、私は首を振ってやめる。この前、彼の記憶はハレンチでエッチで恥ずかしい物だった。見た瞬間に悶々とするようになるのでやめる。私から逢いたくなる。

「本当、大好きのばか野郎め」

 彼がここに来るまで私は嘘をつき続ける。










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