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本部の客人と氷の貴公子
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光陽と薔薇の香りがして咲夜が目を覚ますと、枕元に大きなピンクの薔薇の花束とカードが置いてあり、カードに光陽の直筆と思われるメッセージが残されていた。
「Missing you 」
光陽が咲夜に会いにここに来てくれたのだ。
ベッドには彼の残り香が濃厚に残っており、つい先ほどまで彼がここにいたことを連想させる。
(どうせなら、朝までいてくれたら良いのに。)
と思ったが、朝、彼と一緒にベッドにいたら、とても仕事に行けそうもない。
咲夜はなんとなく彼が帰っていった意味がわかったような気がした。
その日のシフトを終え職場を出る前に今から向かうとメッセージを送り、ホテルまで歩いていくと、光陽がホテルの入り口の外で待っていてくれた。
光陽の金緑の瞳に囚われると咲夜の胸は嬉しさで高まる。
「光陽!」
「咲夜。」
そのまま抱きつきたいのを我慢して近づいていくと、片手を強く握られ、そのまま足早にホテルの奥のリネン室に連れられて行かれる。
光陽は扉を閉めて、鍵をかけると、彼の金緑の瞳の瞳孔が金に光って、
「5分だけだ!」
と結界を張り、咲夜を強く抱きしめて激しく口づけられる。
咲夜もとっさに結界を同じようにリネン室一杯に張り、そのまま光陽に壁に押し付けられて、咲夜のワンピースの背中のジッパーを下ろされると、ワンピースが咲夜の足元にフワリと落ちた。彼の片手が降りてきて、咲夜のショーツに潜り込むと、咲夜は彼の口づけですでに濡れていて、クチュクチュと指が動く度に濡れた音がリネン室に響く。
「咲夜、もう濡れている。可愛いな。」
と光陽は耳元で囁くと、そのまま屈んでショーツを脱がせ、咲夜の足を開かせて蜜口に舌を挿し入れた。
「あんっ・・・」
思わず艶かしい嬌声をあげてしまい、咲夜が慌てて片手で口を防ぐと、彼はあろうことか唇を花びらにつけたまま、かすれた低い声で
「声を聞かせて。大丈夫、結界がある。」
と咲夜にねだる。金色に染まった彼の髪を手で探り、感じるまま咲夜は濡れた声をあげだし、彼の舌が蜜口に侵入し中を熱くかき回す。光陽は咲夜がほぐれていることを知ると、熱い舌を膨らんだ突起に移し、長い指を溢れる蜜口に差し込み、優しく抜き差しを繰り返すと指が2本に増やされる。敏感な突起を強く吸われながら中に入った指の先を曲げて咲夜の感じるスポットをグッと押されると、咲夜は快感に震えてビクンビクンと腰が震える。
「光陽、こう・・よう・・あぁ・・イィ」
尖った敏感な突起を光陽の鋭い牙の先でつつかれ、咲夜が快感に痺れて身体に力が入らず、崩れ落ちそうになると、光陽は素早く立ち上がり、咲夜の背中を片手で支え、太腿をもう一方の手で持ち上げると、躊躇いなく硬く熱い屹立を咲夜の蜜口に当てて、一気に突き入れた。
「咲夜・・・会いたかった。」
そのまま咲夜の唇を嬲りながら何度も甘く深く口づけて、力強く思いの丈を打つけるように咲夜の奥まで突き上げる。
「あっ・あっ・あん」
二人の身体から花の香りとスパイシーな香りが立ち込め、二つの香りが混ざり合い、そこは二人だけの楽園となる。
光陽はまだ足りないと、咲夜の背中に回していた手を下ろしてもう一つの太ももを持ち上げて、咲夜の身体を軽々持ち上げると、手を咲夜の腰とお尻に回しギリギリまで屹立を引いて思い切り突き上げてくる。咲夜は彼の首に手を回し、足を彼の腰に巻き付けて重力によって身体が彼の上に落とされる度、子宮口まで彼の屹立が届いて、何度もそこにキスされる。
「もう・だめ・・こ・う・よう」
身体が甘い快感で震え何度も中で彼を熱く締め付け、光陽も咲夜もあっという間に頂点まで登りつめた。
「咲夜・・」
彼が咲夜に熱く口づけながらどく、どく、と咲夜の中に彼の情熱の証を注ぎ込む。
何度も腰を揺らしては最後まで注ぎ込み、そのまま咲夜をリネンの山の上に乗せてやっと、口づけをほどき、腰を引いて荒い息をしながら、自分と咲夜の下半身をリネンで拭う。咲夜も荒い息を吐きながらも、集中して力を身体中に回し、ランチを済ましていたせいか、身体はすぐに回復した。
光陽は咲夜の身体を拭きながらも、彼女の力での回復を感じ取り、ニヤリと野性味のある顔で笑って、
「きっかり5分だ。」
と告げた。光陽の髪は普段の漆黒に戻り、二人して素早く衣服の乱れを直し、咲夜は結界を元に戻して、光陽は咲夜に自分の結界をかける。それは一瞬青く光りすぐに見えなくなった。共犯者の二人はリネン室を出ると隣の洗面所で、手を洗い、最終身だしなみチェックをして、しっかり指と指を絡め恋人繋ぎで従業人専用エレベーターに向かって行った。
光陽に連れられて、ノックした後支配人室に入るとそこには5人の男女が椅子に座って談笑して二人を待っていた。二人はこの間連盟の施設で会った見覚えのある顔で、あとの3人は明らかに日本人ではない。
光陽に手を引かれながら入ってきた咲夜の、先ほどの短いが激しい逢瀬でまだ上気して桃色に染まった頬を見て、咲夜が恥ずかしがっていると勘違いした、ソファーの向かいに座っていた見知らぬ男性が、にっこり笑って立ち上がり、側に寄ってきて手を差し出し挨拶をする。
『やあ、可愛いお嬢さんだなあ、恥ずかしがり屋なの? 今時珍しい可憐な人だね。僕はクリス、初めまして、英語わかるかな?』
『初めまして、咲夜です。英語は話せます。』
咲夜は立派な英国訛りの英語で挨拶を返す。
すると、咲夜の様子を伺っていた残りの女性二人も立ち上がって、手を差し出し、挨拶を始める。
『はじめまして、シャーロットです。』
『はじめまして、私はニーナよ。よろしくね。』
咲夜の特殊な目はこの美男美女の集団の正体が朧げながらも透けて見えて、最初の30歳ぐらいの男性はダンピールらしい牙と頭の金髪に薄い光の輪が見える、次が耳が尖っていて背中に羽?フェアリー?かしら、そして最後の女性は下半身がなんと蛇のように見えた。咲夜が、
『はじめまして、シャーロット、ニーナ。』
と言うと、初めて咲夜が英語に堪能な事を知った光陽が英語で、話しかけてくる、
『咲夜、英語が話せるんだ。知らなかった。』
『これでも、英語は学校でトップだったのよ。それにいまの職場では必須だし。』
『そうだったな、咲夜はホテルに勤めているんだったな。』
『なんだエリック、訓練つけてるって言うから、よっぽど親しいのかと思ったら、彼女の事あんまり知らないんだね』
にこにことクリスが笑っている。
『まあまあ、まだ桐ヶ谷さんとお知り合いになれて一週間程ですし、桐ヶ谷さんも我々連盟のことをご存知なかったのですから。』
と日本支部の人が仲介に入ると、
『一週間か、じゃあ、まだ僕も出遅れてないよね?』
『クリスさん、先ほども述べたように、いくらあなたが連盟理事からの使者の一人でも、前回の二の舞にならぬよう、無理強いはご遠慮下さい。』
『もちろんだよ、だけどエリックだけに咲夜ちゃんと親しくなれる機会があるのはずるいじゃないか。彼の報告と君たちの話を聞くに、とても力の強いお嬢さんなんだろう?だったら連盟トップの独身である彼と僕、両方に平等に機会があってもいいだろう。連盟は数少ない仲間と知り合える出会いの場でもあるんだから。』
これを聞いてなんとなく光陽が紹介するのを渋っていた意味がわかりだし、と同時に咲夜の両親が連盟の事を咲夜に詳しく話さなかった理由も推測できた。女性のダンピールは極めて稀だと聞いている、連盟に連れて行けばお見合いの嵐になることが分かっていたのだろう。
『そうよ。咲夜さんは女性慣れしている、クリスに任せて、エリック、私とデートしましょう。』
『エリック様、その方を花嫁候補にされるのでしたら、私にも機会を頂けないでしょうか?』
2人の美しい女性の明らかなアピールに、光陽はこめかみを押さえながらすげなく告げる。
『クリス、お前、わざと僕を牽制するためにこいつら連れてきたな。ロッティ、無理だ君は身内だ、女性に見えない。せいぜい妹止まりだ、諦めろ。ニーナ、君の24番目の夫になる気は僕は無い。クリスも、咲夜は君の8番目の奥さんになる気は無いと思うぞ。みんな仕事の邪魔だ、さっさと帰れ。』
身も蓋も無い、光陽のそっけない言葉に咲夜は驚いて目を見開いた。
『ひどいなあ、僕はニーナと違って、結婚するのはいつも一人だよ。だけど人間の女性ってすぐに容姿が衰えてくるし、この頃は整形やお化粧で誤魔化されて、なかなか自然に美しい人に会えないんだよ。この間デートした女優なんて、お化粧とったら、肌荒れがすごくてもうガッカリで、2度とデートする気になれなかった。』
そう言う彼は確かに光陽とタイプは違うが、確かに美男子だ、きらきらひかるプラチナ色の長い金髪を後ろでくくって白いコットンの長袖シャツにジーンズを履いているすらっとした姿はどこぞの貴族のお坊ちゃん、と言う感じだ。ハープでも持たせたらさぞや似合うだろう。
『その点、咲夜ちゃんはどこから見ても素晴らしい美人だ、化粧気もないのにこの自然美、まして僕達同じ種族なんだから相性もいいだろうし、寿命も近いしね。今時珍しい恥ずかしがり屋さんみたいだし、このスレてない感じ、良いよね。今まで付き合ったことのないタイプだ。』
クリスは美人を前にして上機嫌、にこやかに語る。
『咲夜ちゃん、僕は女性には優しいし、エリックほど冷たくないし、一度デートして見ない?』
『冷たい?』
『そうだよ、こいつの訓練厳しいだろ?女性にも手加減しないからなぁ。態度は冷たいし、愛想はないし、誰が誘ってもなびかないし「氷の貴公子」って呼ばれてるんだぜ。』
光陽が冷たい?愛想がない?確かに訓練は厳しいが、咲夜に熱心に教えてくれるし、いつも優しい。
まあ確かにちょっぴり意地悪だけど、’氷の貴公子’とは違うような気がする。
先ほど情熱的に咲夜と愛を交わした光陽は氷とは正反対の人だ。本当に同一人物の事を話しているのだろうか?
『何言ってんの、わかってないわね。誰にもなびかないところがいいんじゃないの。おまけにいい男で、強くて、お金持ち。浮気もしそうにないし。男はやっぱり甲斐性よ。私、エリックが夫になってくれるなら、愛人いらないわ。』
ニーナの言葉にシャーロットも頷く。
『エリック様をそんな目で見ないでください。エリック様がお強いのは日頃の訓練の賜物なのですよ。おまけに大変仕事熱心でいらっしゃる。』
(シャーロットさんは光陽が身内だと言うだけあって真面目に彼が好きなんだわ。)
『それに態度が冷たいのと愛想がないのがエリック様の良いところです。あの凍りつくような冷たい、見下したような目で、’ロッティ、バカなこと言うな’とか言われたらゾクゾクものです。もう足蹴にしてくださいって感じです。』
(あ、これはダメかも・・・・)
光陽は3人をガン無視して日本支社の人たちと話し出した。
「大島さん、あの3バカトリオは無視して良いですから、今日は何か報告があるんでしたよね。富士の樹海の方で異常が報告されたとか。」
日本支社の人たちは、本部の客のやり取りをあっけに取られて聴いていたが、光陽の言葉にハッとなり、姿勢を正して、報告を始める。
「ええ、そうです、今朝入った報告では富士の裾野にある青木ヶ原樹海で異常な力の磁場が観測されたとの事です。この何ヶ月か比較的平和だったので、これは反動で、何か異常事態が起こるのでは、と今は臨時警戒体制に入っています。」
「今、異常事態が起こったときに動かせる人数はどれくらいですか?」
「そうですね、700人ぐらいでしょうか。」
光陽は少し考えて、
「それでは、その700人を1日8時間3交代で昼200人ずつ、夜300人で警戒に当たってもらえますか。何かあった時は全員出動できるように警戒時間外は休ませてあげて下さい。富士のエリアは霊気の高い場所で滅多に異常がないところです。何か異常があれば大きな力の働きかけが予想されます。自然界への影響も小さく無いはずです。それにクリスが昨日、西の方角に気の乱れを感じると言っていた。アレは見かけはああですが神託力は確かです。何か近々ある先触れでしょうから。」
自分の名前を呼ばれクリスが光陽の方を見る。
『エリック、僕の悪口は堂々と言いたまえ。日本語で言うのはずるいぞ。』
『今日、富士のエリアで異常が感知された。昨日お前が言っていた方角と一致する。何か起こるかも知れないから心づもりをしておいてくれ』
『えー、なんだって、僕はお前と違ってデスクワーク専門なのに。そんなのお前一人でどうとでもなるだろ。』
『楽をしようとするな、たまには前線で戦うのもいいぞ。』
『好きで前線で指揮を取りたがるような命知らずはお前だけだよ。お嬢さん方もそう思うだろ。』
『エリック様、戦いでしたらぜひ私も参加させて頂きたく。久々にエリック様の勇姿が拝めます。』
『はーい、私も参加希望、魔物の生気吸い放題。楽しみだわー。』
『・・・君たち、エリックにお似合いだよ。』
呆れた様子のクリスと、闘志満々の女性二人を尻目に、光陽は咲夜を気遣う。
『咲夜は、何かあってもここで待っててくれ。貴女の家にいれば安全なはずだ。』
『お断りよ。貴方が戦うのに黙って待っているのは性に合わないわ。私も行きます。』
『しかし、貴女に何かあったら・・・』
『貴方の側にいれば何も起こらないわよ。』
光陽は渋い顔をしていたが、しょうがない、と渋々承知した。
『その代わり僕から離れない事。』
『分かったわ。』
咲夜の訓練を見た事がある日本支社の人たちは、
『支配人、桐ヶ谷さんの実力なら、何もご心配なさらなくても大丈夫だと思います。』
と保証してくれた。
光陽たちは、補給や連絡手段など細かい打ち合わせをした後、とりあえず今日はこれで解散ということになった。
『咲夜ちゃん、僕とデートしよう、チャイナタウンで美味しいもの食べようよ。』
『エリック様、アルフの収支報告の追加如何いたしましょう?』
『エリック、素敵な夜景の見えるレストランでディナーをご馳走して。』
熱い視線とアピールにも動じず、光陽は殊更素気無く、
『悪いが僕と咲夜は訓練の約束があるから。君たちの送迎で昨日は訓練が出来なかったんだ。遅れを取り戻す為にもこれで失礼する。』
と咲夜の手を引いてあっさり支配人室を出て行く。
『咲夜ちゃん、残念だけど頑張ってね。』
『あの素っ気無さ、最っ高です』
『もう、相変わらずつれないんだから。』
という声が聞こえ、咲夜は慌てて、手を引かれながら肩越しに振り返って、
『お会いできて楽しかったです。ではまた。』
と手を振った。
「Missing you 」
光陽が咲夜に会いにここに来てくれたのだ。
ベッドには彼の残り香が濃厚に残っており、つい先ほどまで彼がここにいたことを連想させる。
(どうせなら、朝までいてくれたら良いのに。)
と思ったが、朝、彼と一緒にベッドにいたら、とても仕事に行けそうもない。
咲夜はなんとなく彼が帰っていった意味がわかったような気がした。
その日のシフトを終え職場を出る前に今から向かうとメッセージを送り、ホテルまで歩いていくと、光陽がホテルの入り口の外で待っていてくれた。
光陽の金緑の瞳に囚われると咲夜の胸は嬉しさで高まる。
「光陽!」
「咲夜。」
そのまま抱きつきたいのを我慢して近づいていくと、片手を強く握られ、そのまま足早にホテルの奥のリネン室に連れられて行かれる。
光陽は扉を閉めて、鍵をかけると、彼の金緑の瞳の瞳孔が金に光って、
「5分だけだ!」
と結界を張り、咲夜を強く抱きしめて激しく口づけられる。
咲夜もとっさに結界を同じようにリネン室一杯に張り、そのまま光陽に壁に押し付けられて、咲夜のワンピースの背中のジッパーを下ろされると、ワンピースが咲夜の足元にフワリと落ちた。彼の片手が降りてきて、咲夜のショーツに潜り込むと、咲夜は彼の口づけですでに濡れていて、クチュクチュと指が動く度に濡れた音がリネン室に響く。
「咲夜、もう濡れている。可愛いな。」
と光陽は耳元で囁くと、そのまま屈んでショーツを脱がせ、咲夜の足を開かせて蜜口に舌を挿し入れた。
「あんっ・・・」
思わず艶かしい嬌声をあげてしまい、咲夜が慌てて片手で口を防ぐと、彼はあろうことか唇を花びらにつけたまま、かすれた低い声で
「声を聞かせて。大丈夫、結界がある。」
と咲夜にねだる。金色に染まった彼の髪を手で探り、感じるまま咲夜は濡れた声をあげだし、彼の舌が蜜口に侵入し中を熱くかき回す。光陽は咲夜がほぐれていることを知ると、熱い舌を膨らんだ突起に移し、長い指を溢れる蜜口に差し込み、優しく抜き差しを繰り返すと指が2本に増やされる。敏感な突起を強く吸われながら中に入った指の先を曲げて咲夜の感じるスポットをグッと押されると、咲夜は快感に震えてビクンビクンと腰が震える。
「光陽、こう・・よう・・あぁ・・イィ」
尖った敏感な突起を光陽の鋭い牙の先でつつかれ、咲夜が快感に痺れて身体に力が入らず、崩れ落ちそうになると、光陽は素早く立ち上がり、咲夜の背中を片手で支え、太腿をもう一方の手で持ち上げると、躊躇いなく硬く熱い屹立を咲夜の蜜口に当てて、一気に突き入れた。
「咲夜・・・会いたかった。」
そのまま咲夜の唇を嬲りながら何度も甘く深く口づけて、力強く思いの丈を打つけるように咲夜の奥まで突き上げる。
「あっ・あっ・あん」
二人の身体から花の香りとスパイシーな香りが立ち込め、二つの香りが混ざり合い、そこは二人だけの楽園となる。
光陽はまだ足りないと、咲夜の背中に回していた手を下ろしてもう一つの太ももを持ち上げて、咲夜の身体を軽々持ち上げると、手を咲夜の腰とお尻に回しギリギリまで屹立を引いて思い切り突き上げてくる。咲夜は彼の首に手を回し、足を彼の腰に巻き付けて重力によって身体が彼の上に落とされる度、子宮口まで彼の屹立が届いて、何度もそこにキスされる。
「もう・だめ・・こ・う・よう」
身体が甘い快感で震え何度も中で彼を熱く締め付け、光陽も咲夜もあっという間に頂点まで登りつめた。
「咲夜・・」
彼が咲夜に熱く口づけながらどく、どく、と咲夜の中に彼の情熱の証を注ぎ込む。
何度も腰を揺らしては最後まで注ぎ込み、そのまま咲夜をリネンの山の上に乗せてやっと、口づけをほどき、腰を引いて荒い息をしながら、自分と咲夜の下半身をリネンで拭う。咲夜も荒い息を吐きながらも、集中して力を身体中に回し、ランチを済ましていたせいか、身体はすぐに回復した。
光陽は咲夜の身体を拭きながらも、彼女の力での回復を感じ取り、ニヤリと野性味のある顔で笑って、
「きっかり5分だ。」
と告げた。光陽の髪は普段の漆黒に戻り、二人して素早く衣服の乱れを直し、咲夜は結界を元に戻して、光陽は咲夜に自分の結界をかける。それは一瞬青く光りすぐに見えなくなった。共犯者の二人はリネン室を出ると隣の洗面所で、手を洗い、最終身だしなみチェックをして、しっかり指と指を絡め恋人繋ぎで従業人専用エレベーターに向かって行った。
光陽に連れられて、ノックした後支配人室に入るとそこには5人の男女が椅子に座って談笑して二人を待っていた。二人はこの間連盟の施設で会った見覚えのある顔で、あとの3人は明らかに日本人ではない。
光陽に手を引かれながら入ってきた咲夜の、先ほどの短いが激しい逢瀬でまだ上気して桃色に染まった頬を見て、咲夜が恥ずかしがっていると勘違いした、ソファーの向かいに座っていた見知らぬ男性が、にっこり笑って立ち上がり、側に寄ってきて手を差し出し挨拶をする。
『やあ、可愛いお嬢さんだなあ、恥ずかしがり屋なの? 今時珍しい可憐な人だね。僕はクリス、初めまして、英語わかるかな?』
『初めまして、咲夜です。英語は話せます。』
咲夜は立派な英国訛りの英語で挨拶を返す。
すると、咲夜の様子を伺っていた残りの女性二人も立ち上がって、手を差し出し、挨拶を始める。
『はじめまして、シャーロットです。』
『はじめまして、私はニーナよ。よろしくね。』
咲夜の特殊な目はこの美男美女の集団の正体が朧げながらも透けて見えて、最初の30歳ぐらいの男性はダンピールらしい牙と頭の金髪に薄い光の輪が見える、次が耳が尖っていて背中に羽?フェアリー?かしら、そして最後の女性は下半身がなんと蛇のように見えた。咲夜が、
『はじめまして、シャーロット、ニーナ。』
と言うと、初めて咲夜が英語に堪能な事を知った光陽が英語で、話しかけてくる、
『咲夜、英語が話せるんだ。知らなかった。』
『これでも、英語は学校でトップだったのよ。それにいまの職場では必須だし。』
『そうだったな、咲夜はホテルに勤めているんだったな。』
『なんだエリック、訓練つけてるって言うから、よっぽど親しいのかと思ったら、彼女の事あんまり知らないんだね』
にこにことクリスが笑っている。
『まあまあ、まだ桐ヶ谷さんとお知り合いになれて一週間程ですし、桐ヶ谷さんも我々連盟のことをご存知なかったのですから。』
と日本支部の人が仲介に入ると、
『一週間か、じゃあ、まだ僕も出遅れてないよね?』
『クリスさん、先ほども述べたように、いくらあなたが連盟理事からの使者の一人でも、前回の二の舞にならぬよう、無理強いはご遠慮下さい。』
『もちろんだよ、だけどエリックだけに咲夜ちゃんと親しくなれる機会があるのはずるいじゃないか。彼の報告と君たちの話を聞くに、とても力の強いお嬢さんなんだろう?だったら連盟トップの独身である彼と僕、両方に平等に機会があってもいいだろう。連盟は数少ない仲間と知り合える出会いの場でもあるんだから。』
これを聞いてなんとなく光陽が紹介するのを渋っていた意味がわかりだし、と同時に咲夜の両親が連盟の事を咲夜に詳しく話さなかった理由も推測できた。女性のダンピールは極めて稀だと聞いている、連盟に連れて行けばお見合いの嵐になることが分かっていたのだろう。
『そうよ。咲夜さんは女性慣れしている、クリスに任せて、エリック、私とデートしましょう。』
『エリック様、その方を花嫁候補にされるのでしたら、私にも機会を頂けないでしょうか?』
2人の美しい女性の明らかなアピールに、光陽はこめかみを押さえながらすげなく告げる。
『クリス、お前、わざと僕を牽制するためにこいつら連れてきたな。ロッティ、無理だ君は身内だ、女性に見えない。せいぜい妹止まりだ、諦めろ。ニーナ、君の24番目の夫になる気は僕は無い。クリスも、咲夜は君の8番目の奥さんになる気は無いと思うぞ。みんな仕事の邪魔だ、さっさと帰れ。』
身も蓋も無い、光陽のそっけない言葉に咲夜は驚いて目を見開いた。
『ひどいなあ、僕はニーナと違って、結婚するのはいつも一人だよ。だけど人間の女性ってすぐに容姿が衰えてくるし、この頃は整形やお化粧で誤魔化されて、なかなか自然に美しい人に会えないんだよ。この間デートした女優なんて、お化粧とったら、肌荒れがすごくてもうガッカリで、2度とデートする気になれなかった。』
そう言う彼は確かに光陽とタイプは違うが、確かに美男子だ、きらきらひかるプラチナ色の長い金髪を後ろでくくって白いコットンの長袖シャツにジーンズを履いているすらっとした姿はどこぞの貴族のお坊ちゃん、と言う感じだ。ハープでも持たせたらさぞや似合うだろう。
『その点、咲夜ちゃんはどこから見ても素晴らしい美人だ、化粧気もないのにこの自然美、まして僕達同じ種族なんだから相性もいいだろうし、寿命も近いしね。今時珍しい恥ずかしがり屋さんみたいだし、このスレてない感じ、良いよね。今まで付き合ったことのないタイプだ。』
クリスは美人を前にして上機嫌、にこやかに語る。
『咲夜ちゃん、僕は女性には優しいし、エリックほど冷たくないし、一度デートして見ない?』
『冷たい?』
『そうだよ、こいつの訓練厳しいだろ?女性にも手加減しないからなぁ。態度は冷たいし、愛想はないし、誰が誘ってもなびかないし「氷の貴公子」って呼ばれてるんだぜ。』
光陽が冷たい?愛想がない?確かに訓練は厳しいが、咲夜に熱心に教えてくれるし、いつも優しい。
まあ確かにちょっぴり意地悪だけど、’氷の貴公子’とは違うような気がする。
先ほど情熱的に咲夜と愛を交わした光陽は氷とは正反対の人だ。本当に同一人物の事を話しているのだろうか?
『何言ってんの、わかってないわね。誰にもなびかないところがいいんじゃないの。おまけにいい男で、強くて、お金持ち。浮気もしそうにないし。男はやっぱり甲斐性よ。私、エリックが夫になってくれるなら、愛人いらないわ。』
ニーナの言葉にシャーロットも頷く。
『エリック様をそんな目で見ないでください。エリック様がお強いのは日頃の訓練の賜物なのですよ。おまけに大変仕事熱心でいらっしゃる。』
(シャーロットさんは光陽が身内だと言うだけあって真面目に彼が好きなんだわ。)
『それに態度が冷たいのと愛想がないのがエリック様の良いところです。あの凍りつくような冷たい、見下したような目で、’ロッティ、バカなこと言うな’とか言われたらゾクゾクものです。もう足蹴にしてくださいって感じです。』
(あ、これはダメかも・・・・)
光陽は3人をガン無視して日本支社の人たちと話し出した。
「大島さん、あの3バカトリオは無視して良いですから、今日は何か報告があるんでしたよね。富士の樹海の方で異常が報告されたとか。」
日本支社の人たちは、本部の客のやり取りをあっけに取られて聴いていたが、光陽の言葉にハッとなり、姿勢を正して、報告を始める。
「ええ、そうです、今朝入った報告では富士の裾野にある青木ヶ原樹海で異常な力の磁場が観測されたとの事です。この何ヶ月か比較的平和だったので、これは反動で、何か異常事態が起こるのでは、と今は臨時警戒体制に入っています。」
「今、異常事態が起こったときに動かせる人数はどれくらいですか?」
「そうですね、700人ぐらいでしょうか。」
光陽は少し考えて、
「それでは、その700人を1日8時間3交代で昼200人ずつ、夜300人で警戒に当たってもらえますか。何かあった時は全員出動できるように警戒時間外は休ませてあげて下さい。富士のエリアは霊気の高い場所で滅多に異常がないところです。何か異常があれば大きな力の働きかけが予想されます。自然界への影響も小さく無いはずです。それにクリスが昨日、西の方角に気の乱れを感じると言っていた。アレは見かけはああですが神託力は確かです。何か近々ある先触れでしょうから。」
自分の名前を呼ばれクリスが光陽の方を見る。
『エリック、僕の悪口は堂々と言いたまえ。日本語で言うのはずるいぞ。』
『今日、富士のエリアで異常が感知された。昨日お前が言っていた方角と一致する。何か起こるかも知れないから心づもりをしておいてくれ』
『えー、なんだって、僕はお前と違ってデスクワーク専門なのに。そんなのお前一人でどうとでもなるだろ。』
『楽をしようとするな、たまには前線で戦うのもいいぞ。』
『好きで前線で指揮を取りたがるような命知らずはお前だけだよ。お嬢さん方もそう思うだろ。』
『エリック様、戦いでしたらぜひ私も参加させて頂きたく。久々にエリック様の勇姿が拝めます。』
『はーい、私も参加希望、魔物の生気吸い放題。楽しみだわー。』
『・・・君たち、エリックにお似合いだよ。』
呆れた様子のクリスと、闘志満々の女性二人を尻目に、光陽は咲夜を気遣う。
『咲夜は、何かあってもここで待っててくれ。貴女の家にいれば安全なはずだ。』
『お断りよ。貴方が戦うのに黙って待っているのは性に合わないわ。私も行きます。』
『しかし、貴女に何かあったら・・・』
『貴方の側にいれば何も起こらないわよ。』
光陽は渋い顔をしていたが、しょうがない、と渋々承知した。
『その代わり僕から離れない事。』
『分かったわ。』
咲夜の訓練を見た事がある日本支社の人たちは、
『支配人、桐ヶ谷さんの実力なら、何もご心配なさらなくても大丈夫だと思います。』
と保証してくれた。
光陽たちは、補給や連絡手段など細かい打ち合わせをした後、とりあえず今日はこれで解散ということになった。
『咲夜ちゃん、僕とデートしよう、チャイナタウンで美味しいもの食べようよ。』
『エリック様、アルフの収支報告の追加如何いたしましょう?』
『エリック、素敵な夜景の見えるレストランでディナーをご馳走して。』
熱い視線とアピールにも動じず、光陽は殊更素気無く、
『悪いが僕と咲夜は訓練の約束があるから。君たちの送迎で昨日は訓練が出来なかったんだ。遅れを取り戻す為にもこれで失礼する。』
と咲夜の手を引いてあっさり支配人室を出て行く。
『咲夜ちゃん、残念だけど頑張ってね。』
『あの素っ気無さ、最っ高です』
『もう、相変わらずつれないんだから。』
という声が聞こえ、咲夜は慌てて、手を引かれながら肩越しに振り返って、
『お会いできて楽しかったです。ではまた。』
と手を振った。
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