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第1章 異世界転生
第13話 教会と洗礼の儀式②
家の中に入ると綺麗に片付けられていて、いつも掃除をしてくれていることが目に見えてわかった。
俺はちゃぶ台の前に座ると懐かしの雰囲気を味わう。
「飲み物は緑茶でいいの?」
「あぁ、頼む。向こうの世界じゃまだ緑茶に出会えてないからな」
お茶を入れたソフィが隣へ座り、緑茶を差し出してくる。
「粗茶ですが」
「ははっ、懐かしいな。随分と前のような気がする」
「数年は経ってるからね。月日が経つのは早いわ。以前は、毎日同じことの繰り返しで月日が経つのを遅く感じていたのに。健に会ってからよ? 日々が変化したのは」
「俺もそうだな。日本にいた頃は毎日を漫然と過ごしていた。ソフィが俺の人生を変えてくれたんだ。今はとても楽しく生きてるよ」
「そう言って貰えるなら転生させた甲斐があったわね」
「そうだな。それで今回は何でこんなことになってるんだ? 予想はついてると言っていたが」
「多分、原初の神様よ。今回の出来事の発端は」
「原初の神様? あの、休みを作ってゴロゴロとしているという神か?」
「そうね。でも、その覚え方はどうかと思うわよ? 一応、1番偉い神様なのよ?」
「いやいや、ソフィだって“一応”とか付けてるじゃん。それに、“ゴロゴロしている”って聞くと親近感が持てるしな。働いていた頃の俺と同じだ。で、その神様が今回のサプライズプレゼントを用意してくれたのか?」
「そうなるわね。多分、洗礼の儀式に合わせて実行したんだと思うわ。神に祈りを捧げるから、その時は繋がりが強くなって呼びやすくなるのよ」
「へぇ……でも、それだと今頃あっちの世界じゃ大騒ぎになってないか? 俺、いなくなってるし」
「そこは大丈夫よ。あの世界の時間が止まっているはずだから。それに、肉体はあっちに残ったままで精神体だけをこっちに呼んでいるのよ。分かりやすく言えば幽体離脱してきたってところね」
「神様って凄いことできるんだな。世界自体の時間を止めるとか」
「原初の神様は伊達じゃないわ。私にはとてもじゃないけど無理だもの」
「お礼とかって言えるのか?」
「それは帰ってから祈りを捧げれば届くはずよ」
「そっか。じゃあそうするよ」
そうこう話しているうちにお茶がなくなってしまった。やはり美味いなここのお茶は。
「おかわりをどうぞ」
「ありがとう。このお茶って日本の何処の産地?」
「違うわよ。私が趣味で作ってるの。仕事の合間に飲むお茶が格別なのよ」
えっ!? 作ってるの? 茶葉を? 万能空間にはそれらしい茶畑なんかないんだが。
「ここにはないわよ? 専用の別空間で栽培しているから。家庭菜園が趣味だから他にもいろいろと作ってるわ」
いやいや、流石に茶畑は家庭菜園の域を出ていると思う。野菜とかならわかるが……ってことは、前に出された食事も手作りの野菜ということか。女子力高すぎだな、おい。
しかしながら、家庭菜園が果たして女子力に含まれるかどうかはわからんが、何はともあれいいお嫁さんを貰ったものだ。一生大事にしよう。
「そろそろ時間ね」
「時間?」
「肉体が存在している以上、あまり精神体を離しておけないのよ。繋がりが途切れて元に戻れなくなっちゃうから」
「そうなのか。もっと一緒に居たかったが時間が経つのは早いな」
「私だってそうよ。片時も離れたくないくらいずっと一緒に居たいんだから」
「原初の神様にお礼を言うのは確定として、他に何かやる事はあるか? 洗礼の説明はただ祈ってればいいとしか聞いてないんだよな」
「何もないわ。本当にただ祈るだけよ。たまに気まぐれで加護を与える神がいるけど、基本神々も暇じゃないから何もないのが常よ」
そういった話を聞いていると、俺の体がぼんやりと光に包まれ始める。
「本当に時間が来たみたいね。今日は逢えて本当に嬉しかったわ」
「俺もだ。また逢えたらいいな」
全身が光に包まれると次第に視界が歪んでいく。そのような中で見計らったかのようにソフィが最後に言葉を伝えてきた。
「プレゼントを渡しておいたから、あちらに帰ったら確認しといてね」
一気に光が収束すると元いた教会で跪いた状態だった。本当に精神体だけであちらに行っていたようだ。
「ケビン君! 大丈夫かね!?」
慌ててガイル司教が駆けてくるが、何をそんなに慌てているんだ?
「『大丈夫かね』とは、どういった意味合いなのでしょうか? 状況がよく飲み込めていないのですが」
「ケビン君がお祈りを捧げ始めてから体が光に包まれたところまでは良かったのだが、その後に御神体でもある神像が光り始めて辺り一面が真っ白になったんだよ。眩しくて目も開けていられないほどに」
そこで思い出す。そういえば原初の神様にお礼を言わないといけなかったな。祈りの円から動いてなかったので再度祈りのポーズを取る。一応、ガイル司教にも伝えておかないとな。
「司教様、祈りが途中の際に話しかけられたので、続きを行ってもよろしいでしょうか?」
「あ、あぁ、済まない。何分初めての出来事だったので、ケビン君の安否確認を優先させてしまった。祈りを邪魔して悪かったね。続けてもらって構わないよ」
ガイル司教からのお許しも出たことだし、俺は再度祈り始めた。
俺はちゃぶ台の前に座ると懐かしの雰囲気を味わう。
「飲み物は緑茶でいいの?」
「あぁ、頼む。向こうの世界じゃまだ緑茶に出会えてないからな」
お茶を入れたソフィが隣へ座り、緑茶を差し出してくる。
「粗茶ですが」
「ははっ、懐かしいな。随分と前のような気がする」
「数年は経ってるからね。月日が経つのは早いわ。以前は、毎日同じことの繰り返しで月日が経つのを遅く感じていたのに。健に会ってからよ? 日々が変化したのは」
「俺もそうだな。日本にいた頃は毎日を漫然と過ごしていた。ソフィが俺の人生を変えてくれたんだ。今はとても楽しく生きてるよ」
「そう言って貰えるなら転生させた甲斐があったわね」
「そうだな。それで今回は何でこんなことになってるんだ? 予想はついてると言っていたが」
「多分、原初の神様よ。今回の出来事の発端は」
「原初の神様? あの、休みを作ってゴロゴロとしているという神か?」
「そうね。でも、その覚え方はどうかと思うわよ? 一応、1番偉い神様なのよ?」
「いやいや、ソフィだって“一応”とか付けてるじゃん。それに、“ゴロゴロしている”って聞くと親近感が持てるしな。働いていた頃の俺と同じだ。で、その神様が今回のサプライズプレゼントを用意してくれたのか?」
「そうなるわね。多分、洗礼の儀式に合わせて実行したんだと思うわ。神に祈りを捧げるから、その時は繋がりが強くなって呼びやすくなるのよ」
「へぇ……でも、それだと今頃あっちの世界じゃ大騒ぎになってないか? 俺、いなくなってるし」
「そこは大丈夫よ。あの世界の時間が止まっているはずだから。それに、肉体はあっちに残ったままで精神体だけをこっちに呼んでいるのよ。分かりやすく言えば幽体離脱してきたってところね」
「神様って凄いことできるんだな。世界自体の時間を止めるとか」
「原初の神様は伊達じゃないわ。私にはとてもじゃないけど無理だもの」
「お礼とかって言えるのか?」
「それは帰ってから祈りを捧げれば届くはずよ」
「そっか。じゃあそうするよ」
そうこう話しているうちにお茶がなくなってしまった。やはり美味いなここのお茶は。
「おかわりをどうぞ」
「ありがとう。このお茶って日本の何処の産地?」
「違うわよ。私が趣味で作ってるの。仕事の合間に飲むお茶が格別なのよ」
えっ!? 作ってるの? 茶葉を? 万能空間にはそれらしい茶畑なんかないんだが。
「ここにはないわよ? 専用の別空間で栽培しているから。家庭菜園が趣味だから他にもいろいろと作ってるわ」
いやいや、流石に茶畑は家庭菜園の域を出ていると思う。野菜とかならわかるが……ってことは、前に出された食事も手作りの野菜ということか。女子力高すぎだな、おい。
しかしながら、家庭菜園が果たして女子力に含まれるかどうかはわからんが、何はともあれいいお嫁さんを貰ったものだ。一生大事にしよう。
「そろそろ時間ね」
「時間?」
「肉体が存在している以上、あまり精神体を離しておけないのよ。繋がりが途切れて元に戻れなくなっちゃうから」
「そうなのか。もっと一緒に居たかったが時間が経つのは早いな」
「私だってそうよ。片時も離れたくないくらいずっと一緒に居たいんだから」
「原初の神様にお礼を言うのは確定として、他に何かやる事はあるか? 洗礼の説明はただ祈ってればいいとしか聞いてないんだよな」
「何もないわ。本当にただ祈るだけよ。たまに気まぐれで加護を与える神がいるけど、基本神々も暇じゃないから何もないのが常よ」
そういった話を聞いていると、俺の体がぼんやりと光に包まれ始める。
「本当に時間が来たみたいね。今日は逢えて本当に嬉しかったわ」
「俺もだ。また逢えたらいいな」
全身が光に包まれると次第に視界が歪んでいく。そのような中で見計らったかのようにソフィが最後に言葉を伝えてきた。
「プレゼントを渡しておいたから、あちらに帰ったら確認しといてね」
一気に光が収束すると元いた教会で跪いた状態だった。本当に精神体だけであちらに行っていたようだ。
「ケビン君! 大丈夫かね!?」
慌ててガイル司教が駆けてくるが、何をそんなに慌てているんだ?
「『大丈夫かね』とは、どういった意味合いなのでしょうか? 状況がよく飲み込めていないのですが」
「ケビン君がお祈りを捧げ始めてから体が光に包まれたところまでは良かったのだが、その後に御神体でもある神像が光り始めて辺り一面が真っ白になったんだよ。眩しくて目も開けていられないほどに」
そこで思い出す。そういえば原初の神様にお礼を言わないといけなかったな。祈りの円から動いてなかったので再度祈りのポーズを取る。一応、ガイル司教にも伝えておかないとな。
「司教様、祈りが途中の際に話しかけられたので、続きを行ってもよろしいでしょうか?」
「あ、あぁ、済まない。何分初めての出来事だったので、ケビン君の安否確認を優先させてしまった。祈りを邪魔して悪かったね。続けてもらって構わないよ」
ガイル司教からのお許しも出たことだし、俺は再度祈り始めた。
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