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第14章 聖戦
第472話 総攻撃
セレスティア皇国軍が連合軍を押している状況で、戦場に変化が訪れる。
「う、うわぁぁぁぁっ!」
「ぎゃあぁぁぁぁっ!」
セレスティア皇国軍側の後方に送り込まれたブラッディパンブーのリンとシャン、バイコーンのセロ、ウノ、ドス、トレスがセレスティア皇国軍への攻撃を開始していた。
転移されてからすぐさま動き出したリンとシャンは、その巨体に似合わぬ俊敏さで兵士たちを追い詰め、鋭い爪でパンブーパンチ(ケビン命名)を繰り出していく。
「くぅー?」
「くぅーくぅー!」
「ブ、ブラッディパンブーだぁぁぁぁっ!」
「ブラッディパンブーが背後に現れたぞぉぉぉぉっ!」
前方の味方へ知らせるために後方の兵士たちが絶叫するが、喧騒の中の戦場では中々前方で剣を交えている味方には届かなかった。
「ヒヒーンッ!」
バイコーンたちは彼方此方に戦場を駆けては、頭部から生えている2本の角に魔力を込めて閃光を迸らせると、目標に向かって雷を降り注がせる。
「ぐあぁぁぁぁっ!」
「びゃあぁぁぁぁっ!」
「あばばばばばっ!」
「バ、バイコーンが何でこんな所にっ!?」
「魔王の騎馬が単独で攻めてきたぞ!」
セレスティア皇国軍はケビンから投入された魔獣によって、瞬く間に混乱へ陥った。彼方此方で可愛い鳴き声とともに鋭い爪でパンブーパンチを繰り出すリンとシャン、特に詠唱もなく雷を辺りに降り注がせるバイコーン4頭。
背後を取られたセレスティア皇国軍の後方に位置していた兵士たちは、縦横無尽に戦場を駆け抜ける6体の魔獣によって、為す術なく倒されていく。
「な、何ですかっ、アレは!?」
セレスティア皇国軍の本陣にて、ガブリエルはいきなり現れた魔獣に対して驚きを隠せなかった。それはタイラーとヒューゴも同様であり、予想外の展開に言葉を失っている。
「……そうくるか……」
「これは思っても見なかったことです。さすが魔王……やはり消えた兵士たちは召喚の生贄になったのかも知れません」
捕虜となっている兵士たちがエレフセリア帝国軍側の野営地にて、自由気ままに歓談していることなど露ほども知らないヒューゴは、いかにもそれっぽいことを深刻な表情で述べているが、それは致し方のないことだと言える。そしてヒューゴとしては意図していないのだが、ガブリエルはまんまとそれを鵜呑みにしてしまう。
「くっ……魔王……我が国の兵士たちを……」
戦場に現れた魔獣たちによってセレスティア皇国軍が混乱に陥ったため、連合軍側はその混乱に乗じて巻き返しを図り、奇しくも戦況は振り出しに戻ると言うよりセレスティア皇国軍側が押され始めた。
だが、後退しようにも魔獣たちがいるため後退できず、前に進もうにも連合軍がいるため前進できずで、前門の虎後門の狼となって立ち行かず指揮官たちもてんやわんやとなってしまう。
そして1番被害を被っているのは中央に位置された部隊である。左右のどちらかに立て直しを図るため移動しようにも、両翼の部隊がいるため袋小路となっており、両翼は味方であるはずなのに中央部隊にとっては四面楚歌の状態となる。
「じ、陣形を保て! 崩されるな!」
「無理です! 中に入り込まれています!」
「ええい、入り込んだブラッディパンブーを倒せ! 複数人で当たれば倒せるだろ! 相手はたかが魔獣だ!」
「ただのブラッディパンブーじゃありません! 取り囲もうにもこちらの動きが察知されています!」
「何故だ?! たかだか強いだけの魔獣だろう!?」
野生のブラッディパンブーと判断して指揮を出す指揮官や、その通りに動く兵士たちは知らない。魔獣は魔獣でもここにいるブラッディパンブーは野生ではなくケビンによって飼われている魔獣であり、ケビンの【スキル付与】によって【言語理解】を持っているブラッディパンブーだということを。
当然リンとシャンはセレスティア皇国軍の言葉を理解しており、指揮官が現場の兵士たちに作戦を叫んでもそれが筒抜けとなってしまい、兵士たちがお互いに声かけをしながら包囲しようとしても同じように筒抜けで、『今からこうしますよ』とわざわざ教えてから攻撃をしてくるようなものである。
バイコーンたちにしてもそうだ。元々知能が高い上に日頃から相手にしているのは帝城に住む人々だ。リンやシャンとは違いケビンによって【言語理解】は付与されていないものの、何年も人間社会で暮らせば人間の言葉を完全に理解するのは容易なことであった。
そのバイコーンもセレスティア皇国軍の動きを頭で理解しながら攻撃を躱したり、逆に追い詰めたりして戦場の混乱を更に煽っていた。
たかだか6体の魔獣と侮り、乱入当初は混乱したものの立て直せるだろうと考えていたセレスティア皇国軍は、予想外の事態に陥り収集がつかず立て直しも図れずで、被害をどんどんと増やしていく羽目となる。
「作戦成功だな」
モニター越しに現場の状況を観察していたケビンがそう呟くと、サラたちもリンたちの働きに感嘆としていた。
「リンちゃんたちは偉いわねぇ、セロちゃんたちも頑張ってるわ」
「言葉が通じてるなんて知らないだろうから、敵にとっては厄介な相手ね」
「リンたちは頭がいいもの!」
「しばらくはこれで様子を見よう。恐らく本陣が動き出すだろうから」
「そうしたら私の出番ね」
「もう、マリーったら。大人なんだから少しは落ち着きなさいよ」
「仕方がないじゃない。体が疼くのよ」
「王妃をしていた頃の方が落ち着きがあって良かったわよ」
「あれはそういうのを求められていたのよ。柵から外れたんだから少しくらいいいじゃない」
「お転婆マリーの再来ね」
サラから痛いところを突かれてしまったマリアンヌは、口をとがらせるとそっぽを向きつつお茶を口にして誤魔化すのであった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
セレスティア皇国軍がこのままでは瓦解して包囲殲滅されてしまう状況が濃くなってくる頃、本陣のタイラーはガブリエルやヒューゴとともに出陣する決意を決める。
「総団長は中央、俺は左翼、ヒューゴは右翼だ。だが、まずは中央のブラッディパンブーを何とかする。それが終わってから散開してバイコーンを各個撃破だ」
「わかりました。では、まずはブラッディパンブーから叩きましょう。そのあとに右翼へと向かいます」
「本陣はどうするのです?」
「俺たちが戦場に出るんだ。本陣に騎士を残す必要がねぇから総攻撃だ」
「わかりました。女神フィリア様の加護のもとに!」
「「導きを持って子羊を救わん!」」
とうとうセレスティア皇国軍側の総団長や団長が戦場へと出ることになると、本陣に残っていた騎士たちを連れて総攻撃を仕掛けるのだった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「ようやく出てきたか……」
「みんな出てきたわ」
「背水の陣ね」
「それじゃあ最後の仕上げといきますか」
「ふふっ、お母さん頑張るわね」
「私も頑張るわ」
サラとマリアンヌが意気込みを見せていると、ケビンは最後の仕上げとして2人を戦場へ送り出した。そして、ガブリエル対策としてアブリルに連絡を取ると同じように送り出すのだった。
「お姉ちゃんも行きたかった……」
「姉さんは近接戦が苦手だろ。ここで俺と一緒にお留守番だ」
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
戦場を駆けるガブリエルたちの前方に1人の女性が現れる。その女性は町娘みたいな衣装に身を包んでおり、それを目にしたタイラーは慌てて急停止をかけるのだった。
「と、止まれっ! 総団長!」
タイラーから止まるように言われたガブリエルも女性のことは目に入っていたため、それを無視するようなことはなく馬の手網を引くと駆けていた馬を止まらせた。
「何者です!」
ガブリエルが誰何すると、その女性は名乗りをあげる。
「主様にいただいた名を貴女方に名乗るのはもったいないですが、まぁ、今日は気分がいいので名乗りましょう。私はパレスのNo.2であるアブリルと申します。以後お見知りおきを……と思いましたが、それはしなくていいです」
アブリルの名乗りに気になる点を耳にしたタイラーが、それを問いただすべく質問をする。
「なぁ、パレスって何だ? 確かうちの馬鹿がやらかした時もそちらの大将が口にしてたよな?」
「ん……貴方は主様が認めている相手ですね。いいでしょう……質問にお答えします。パレスというのは、主様が治めている白種のドラゴンが住まう集落のことです」
「しゅ、集落だと……!?」
「ええ、主様は白種の王。我らの唯一無二である王なのです」
「ちょ、ちょっと待て……我らって……パレスは集落……そこのNo.2って……いや……そんなはずはない……それはありえねぇ……」
タイラーがアブリルから次々と与えられる情報を精査していき、ありえない答えを否定しようと頭から追いやろうとするが、自分たちを前に臆することもなく平然としている姿を見ては、その答えを否定しきれずにいた。
そのタイラーがブツブツと呟いている時に、横からヒューゴが口を挟んだ。
「貴女はNo.2ということですが、それならばNo.1は魔王と言うことですか?」
「貴方は……確か見掛け倒しの軍師でしたね。私が思うにそこの黄色の人の方が軍師に向いていると思うのですが……まぁ、些事ですね」
アブリルの物言いに対して、少なからずタイラーに負けているという部分を自覚しているのかヒューゴが歯噛みしていると、それを気にも止めずアブリルは話を続けた。
「主様はNo.1ではありません。私たちが測れるような存在ではないのですが、あえて不敬を承知で序列をつけるのであればNo.0でしょう。それより上はありませんしね」
「では、No.1は……?」
「貴方も見ているはずですが、わからないのですか? そちらの黄色の方は気づいているようですよ? やはり軍師を交代した方が良いのでは?」
「くっ……タイラーさん、わかるのですか?」
「嘘であって欲しかったんだけどな。アブリルさんがとある女性に対して“長”って何度も口にしていたからな。“集落”、そして“長”。つまりNo.1は着物の女性ってことだろ。総団長をぶっ飛ばした……」
「正解です。さすがは主様が敵で唯一認めている方ですね」
「そりゃどうも。あと、これは否定して欲しいんだが……その集落にドラゴン以外の生物で……人間って存在しているか?」
「変なことを聞きますね。ドラゴンの集落にドラゴン以外がいるわけないでしょう? あえていると答えるのなら、それは遊びに来た主様やそのご家族の方のみです」
その答えを聞いてしまったタイラーは体中から汗が噴き出して絶望感に包まれるが、そのようなやり取りを傍で見ていたガブリエルがタイラーへ声をかける。
「タイラー、さっきから何を聞いているのです? そこの人が誰であれ、倒すだけでしょう?」
ガブリエルがそうタイラーへ話すが、それを見ていたアブリルが嘲笑する。
「フッ……やはり貴女は噂に違わぬバカリエルですね」
「なっ!?」
アブリルから馬鹿にされたガブリエルは今にも飛びかからんとするが、タイラーがそれを阻止する。
「動くな!」
「何故です、タイラー!」
「目の前にいるのはただの人じゃねぇ……ドラゴンだ。しかも、白いドラゴンの集落でNo.2の強さだ。総団長をぶっ飛ばした着物の女性がそこのNo.1……つまり、あの女性もドラゴンだ」
「「――ッ!」」
タイラーの突拍子もない言葉に2人とも驚愕するが、ガブリエルはありえないこととしてそれを否定する。
「あの姿のどこをどう見たらドラゴンになるのです! どう見ても人の姿じゃないですか!」
「俺だって本当ならそんなことは信じたくねぇさ……常識が覆りすぎる……」
「人の姿をしたドラゴンなんてありえません!」
「だから貴女はバカリエルと言われるんですよ。己の固定観念を捨て切れず、醜い価値観で人を測る……自分の見ている世界だけがこの世の全てではないことを知りなさい。そして主様に謝罪するのです。自分が愚かだったと」
「ふざけないでください! 何で私が悪しき魔王に頭を下げないといけないんですか! あの魔王は私の部下たちを生贄にして魔物を召喚したんですよ!」
「……はい? 生贄……?」
「そうです! 人間を生贄にしてそこらで暴れている魔物を召喚したではないですか!」
「貴女……馬鹿?」
「なっ、何でですか!?」
心底残念な者でも見るかのような目付きでガブリエルを見るアブリルは、心のこもった溜息をついて間違いを指摘する。
「誰に唆されたのかは知りませんが、主様が使える魔法を忘れたのですか?」
「え……?」
「何だかあまりにも馬鹿すぎて、逆に可哀想に見えてきました。不憫です……あまりにも不憫でなりません。主様は転移魔法の使い手ですよ? 生贄など必要なく好きに転移させられるのに、何故生贄などという馬鹿な答えに行きついたのですか? ドラゴンですら転移させたのを見たでしょう?」
アブリルから哀れみの視線を向けられて教えられたガブリエルは、生贄の話をしていたヒューゴを自然と見てしまった。
「ああ、貴方が原因ですか……もう軍師ではなく愚師と名乗りなさい。バカリエルが不憫でなりません」
「お、俺は可能性の話として言っただけです! 総団長が勝手に勘違いしただけであって、俺のせいではない!」
「はぁぁ……仮にも総団長であるバカリエルのせいにして保身に走るとは……常日頃から総団長を下に見ているのがわかる発言ですね。バカリエルは馬鹿ですが、愚直なまでの真っ直ぐ通った芯を持っています。対して貴方は能力もないくせに自分を高く評価して、周りの者を見下すクズです。救いようがないですね」
「なっ!?」
「バカリエル、悪いことは言いません。そこのクズはクビにすべきです。軍師なら黄色の方がいるから、青の軍師はいらないでしょう? おっと、間違えました。青の愚師でしたね」
「き、貴様……言わしておけば……」
「貴方のことは聞いているのですよ? 行軍の遅れは貴方のせいらしいですね。でもそれを認めず、メリッサでしたか……彼女のせいにしたのでしょう? 失敗は周りの者のせいにして、成功だけは自分のものですか? よくいるクズの典型的な行動パターンです」
ズバズバと言い放ちグサグサと突き刺してくるアブリルに対して、ヒューゴは歯ぎしりをして憤怒の視線をアブリルへ向けるのを他所に、ガブリエルが生贄になっていない兵士たちのことを尋ねた。
「ほ、捕虜はどうしたのですか!? 生贄でないのならどうしたのですか!?」
「あの方たちなら我が主様の国に亡命するそうです。なんでも、このまま帰ると処刑されると言っているそうですよ?」
「そんなことはありません!」
「それなら捕まえた兵士たちの身代金を払ってもらえますか? 主様の悩みの種になっておりますので。連れ帰っても住む場所や職を探さないといけないって、ずっと悩んでおられますから」
「身代金を払えばいいのですね!?」
「それは無理だ、総団長……ウォード枢機卿猊下が払うとは思えねぇ」
タイラーの言葉にガブリエルが反応してその如何を問うと、タイラーはウォード枢機卿の采配を丁寧に教えていくが、フェリア教の汚い部分を知らないガブリエルはそれに反発して聞く耳を持たなかった。
何より仲間の団長や兵士たちの魔王の国へ亡命をするという行動自体が、ガブリエルには理解し難い内容であったからだ。あれほど魔王討伐を掲げて本国を出発したと言うのに、捕虜になったらその魔王の国へ亡命するという意味がわからなかった。
「やれやれ……まさか相手がこのような者たちとは……仲間内での情報の倒錯がありありと見て取れます」
ガブリエルたちのやり取りを見ているアブリルはほとほと呆れ果てて、そのような者たちのためにケビンが骨を折っていると思うと、許し難い所業であった。
だが、時間稼ぎをすればするほどセレスティア皇国軍の被害が増えるため、さっさとケリをつけるというわけにもいかず、内輪で言い争っているガブリエルたちのやり取りを見ているしかなかったのだ。
やがて納得のいかないガブリエルに対してタイラーが優先すべき事項を告げて、ようやく言い合いは収束を迎えることになる。
そしてタイラーの悩みの種は捕まった兵士たちよりも、目の前にいるアブリルである。ここから散開して各地へ応援に駆けつけるのをみすみす見逃してくれることはないだろうと、どうやってこの場を切り抜けるかを考えていた。
「兵士たちが気になりますか? 行くなら行っても構いませんよ? 私の役目はあくまでバカリエルの足止めですから」
「本当か……?」
「嘘を言ってどうするのです? 私が殺る気なら貴方たちはお喋りをする前に死んでいますよ?」
アブリルの言葉にそれをできるだけの実力があることは予想がついているので、タイラーはお言葉に甘えて散開することに決めたら、そのことをガブリエルたちに伝えて当初の予定通り各地へ応援に向かうことにする。
そしてタイラーとヒューゴがそれぞれの場所へ連れてきた騎士たちと向かったら、この場に残るはガブリエル1人だけとなった。
「ご覚悟を」
「戯言ですね。少し遊んであげましょう」
その瞬間、ガブリエルの姿が消えたと思ったらアブリルへ斬りかかっていた。
「遅い」
「くっ……」
ガブリエルの初撃を躱したアブリルは、そのまま続くガブリエルの連撃を容易く躱していく。ガブリエルの攻撃を特に拳で弾くわけでもなく、必要最低限の体捌きを持ってして躱し、それを捉えられないガブリエルは焦燥感を募らせていた。
「動きに雑念が多いですよ」
「うるさいです!」
斬りかかれど斬りかかれど躱されてしまうガブリエルは、クララにやられてしまった記憶が頭をよぎり、集中力を欠いてしまうのであった。
「う、うわぁぁぁぁっ!」
「ぎゃあぁぁぁぁっ!」
セレスティア皇国軍側の後方に送り込まれたブラッディパンブーのリンとシャン、バイコーンのセロ、ウノ、ドス、トレスがセレスティア皇国軍への攻撃を開始していた。
転移されてからすぐさま動き出したリンとシャンは、その巨体に似合わぬ俊敏さで兵士たちを追い詰め、鋭い爪でパンブーパンチ(ケビン命名)を繰り出していく。
「くぅー?」
「くぅーくぅー!」
「ブ、ブラッディパンブーだぁぁぁぁっ!」
「ブラッディパンブーが背後に現れたぞぉぉぉぉっ!」
前方の味方へ知らせるために後方の兵士たちが絶叫するが、喧騒の中の戦場では中々前方で剣を交えている味方には届かなかった。
「ヒヒーンッ!」
バイコーンたちは彼方此方に戦場を駆けては、頭部から生えている2本の角に魔力を込めて閃光を迸らせると、目標に向かって雷を降り注がせる。
「ぐあぁぁぁぁっ!」
「びゃあぁぁぁぁっ!」
「あばばばばばっ!」
「バ、バイコーンが何でこんな所にっ!?」
「魔王の騎馬が単独で攻めてきたぞ!」
セレスティア皇国軍はケビンから投入された魔獣によって、瞬く間に混乱へ陥った。彼方此方で可愛い鳴き声とともに鋭い爪でパンブーパンチを繰り出すリンとシャン、特に詠唱もなく雷を辺りに降り注がせるバイコーン4頭。
背後を取られたセレスティア皇国軍の後方に位置していた兵士たちは、縦横無尽に戦場を駆け抜ける6体の魔獣によって、為す術なく倒されていく。
「な、何ですかっ、アレは!?」
セレスティア皇国軍の本陣にて、ガブリエルはいきなり現れた魔獣に対して驚きを隠せなかった。それはタイラーとヒューゴも同様であり、予想外の展開に言葉を失っている。
「……そうくるか……」
「これは思っても見なかったことです。さすが魔王……やはり消えた兵士たちは召喚の生贄になったのかも知れません」
捕虜となっている兵士たちがエレフセリア帝国軍側の野営地にて、自由気ままに歓談していることなど露ほども知らないヒューゴは、いかにもそれっぽいことを深刻な表情で述べているが、それは致し方のないことだと言える。そしてヒューゴとしては意図していないのだが、ガブリエルはまんまとそれを鵜呑みにしてしまう。
「くっ……魔王……我が国の兵士たちを……」
戦場に現れた魔獣たちによってセレスティア皇国軍が混乱に陥ったため、連合軍側はその混乱に乗じて巻き返しを図り、奇しくも戦況は振り出しに戻ると言うよりセレスティア皇国軍側が押され始めた。
だが、後退しようにも魔獣たちがいるため後退できず、前に進もうにも連合軍がいるため前進できずで、前門の虎後門の狼となって立ち行かず指揮官たちもてんやわんやとなってしまう。
そして1番被害を被っているのは中央に位置された部隊である。左右のどちらかに立て直しを図るため移動しようにも、両翼の部隊がいるため袋小路となっており、両翼は味方であるはずなのに中央部隊にとっては四面楚歌の状態となる。
「じ、陣形を保て! 崩されるな!」
「無理です! 中に入り込まれています!」
「ええい、入り込んだブラッディパンブーを倒せ! 複数人で当たれば倒せるだろ! 相手はたかが魔獣だ!」
「ただのブラッディパンブーじゃありません! 取り囲もうにもこちらの動きが察知されています!」
「何故だ?! たかだか強いだけの魔獣だろう!?」
野生のブラッディパンブーと判断して指揮を出す指揮官や、その通りに動く兵士たちは知らない。魔獣は魔獣でもここにいるブラッディパンブーは野生ではなくケビンによって飼われている魔獣であり、ケビンの【スキル付与】によって【言語理解】を持っているブラッディパンブーだということを。
当然リンとシャンはセレスティア皇国軍の言葉を理解しており、指揮官が現場の兵士たちに作戦を叫んでもそれが筒抜けとなってしまい、兵士たちがお互いに声かけをしながら包囲しようとしても同じように筒抜けで、『今からこうしますよ』とわざわざ教えてから攻撃をしてくるようなものである。
バイコーンたちにしてもそうだ。元々知能が高い上に日頃から相手にしているのは帝城に住む人々だ。リンやシャンとは違いケビンによって【言語理解】は付与されていないものの、何年も人間社会で暮らせば人間の言葉を完全に理解するのは容易なことであった。
そのバイコーンもセレスティア皇国軍の動きを頭で理解しながら攻撃を躱したり、逆に追い詰めたりして戦場の混乱を更に煽っていた。
たかだか6体の魔獣と侮り、乱入当初は混乱したものの立て直せるだろうと考えていたセレスティア皇国軍は、予想外の事態に陥り収集がつかず立て直しも図れずで、被害をどんどんと増やしていく羽目となる。
「作戦成功だな」
モニター越しに現場の状況を観察していたケビンがそう呟くと、サラたちもリンたちの働きに感嘆としていた。
「リンちゃんたちは偉いわねぇ、セロちゃんたちも頑張ってるわ」
「言葉が通じてるなんて知らないだろうから、敵にとっては厄介な相手ね」
「リンたちは頭がいいもの!」
「しばらくはこれで様子を見よう。恐らく本陣が動き出すだろうから」
「そうしたら私の出番ね」
「もう、マリーったら。大人なんだから少しは落ち着きなさいよ」
「仕方がないじゃない。体が疼くのよ」
「王妃をしていた頃の方が落ち着きがあって良かったわよ」
「あれはそういうのを求められていたのよ。柵から外れたんだから少しくらいいいじゃない」
「お転婆マリーの再来ね」
サラから痛いところを突かれてしまったマリアンヌは、口をとがらせるとそっぽを向きつつお茶を口にして誤魔化すのであった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
セレスティア皇国軍がこのままでは瓦解して包囲殲滅されてしまう状況が濃くなってくる頃、本陣のタイラーはガブリエルやヒューゴとともに出陣する決意を決める。
「総団長は中央、俺は左翼、ヒューゴは右翼だ。だが、まずは中央のブラッディパンブーを何とかする。それが終わってから散開してバイコーンを各個撃破だ」
「わかりました。では、まずはブラッディパンブーから叩きましょう。そのあとに右翼へと向かいます」
「本陣はどうするのです?」
「俺たちが戦場に出るんだ。本陣に騎士を残す必要がねぇから総攻撃だ」
「わかりました。女神フィリア様の加護のもとに!」
「「導きを持って子羊を救わん!」」
とうとうセレスティア皇国軍側の総団長や団長が戦場へと出ることになると、本陣に残っていた騎士たちを連れて総攻撃を仕掛けるのだった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「ようやく出てきたか……」
「みんな出てきたわ」
「背水の陣ね」
「それじゃあ最後の仕上げといきますか」
「ふふっ、お母さん頑張るわね」
「私も頑張るわ」
サラとマリアンヌが意気込みを見せていると、ケビンは最後の仕上げとして2人を戦場へ送り出した。そして、ガブリエル対策としてアブリルに連絡を取ると同じように送り出すのだった。
「お姉ちゃんも行きたかった……」
「姉さんは近接戦が苦手だろ。ここで俺と一緒にお留守番だ」
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
戦場を駆けるガブリエルたちの前方に1人の女性が現れる。その女性は町娘みたいな衣装に身を包んでおり、それを目にしたタイラーは慌てて急停止をかけるのだった。
「と、止まれっ! 総団長!」
タイラーから止まるように言われたガブリエルも女性のことは目に入っていたため、それを無視するようなことはなく馬の手網を引くと駆けていた馬を止まらせた。
「何者です!」
ガブリエルが誰何すると、その女性は名乗りをあげる。
「主様にいただいた名を貴女方に名乗るのはもったいないですが、まぁ、今日は気分がいいので名乗りましょう。私はパレスのNo.2であるアブリルと申します。以後お見知りおきを……と思いましたが、それはしなくていいです」
アブリルの名乗りに気になる点を耳にしたタイラーが、それを問いただすべく質問をする。
「なぁ、パレスって何だ? 確かうちの馬鹿がやらかした時もそちらの大将が口にしてたよな?」
「ん……貴方は主様が認めている相手ですね。いいでしょう……質問にお答えします。パレスというのは、主様が治めている白種のドラゴンが住まう集落のことです」
「しゅ、集落だと……!?」
「ええ、主様は白種の王。我らの唯一無二である王なのです」
「ちょ、ちょっと待て……我らって……パレスは集落……そこのNo.2って……いや……そんなはずはない……それはありえねぇ……」
タイラーがアブリルから次々と与えられる情報を精査していき、ありえない答えを否定しようと頭から追いやろうとするが、自分たちを前に臆することもなく平然としている姿を見ては、その答えを否定しきれずにいた。
そのタイラーがブツブツと呟いている時に、横からヒューゴが口を挟んだ。
「貴女はNo.2ということですが、それならばNo.1は魔王と言うことですか?」
「貴方は……確か見掛け倒しの軍師でしたね。私が思うにそこの黄色の人の方が軍師に向いていると思うのですが……まぁ、些事ですね」
アブリルの物言いに対して、少なからずタイラーに負けているという部分を自覚しているのかヒューゴが歯噛みしていると、それを気にも止めずアブリルは話を続けた。
「主様はNo.1ではありません。私たちが測れるような存在ではないのですが、あえて不敬を承知で序列をつけるのであればNo.0でしょう。それより上はありませんしね」
「では、No.1は……?」
「貴方も見ているはずですが、わからないのですか? そちらの黄色の方は気づいているようですよ? やはり軍師を交代した方が良いのでは?」
「くっ……タイラーさん、わかるのですか?」
「嘘であって欲しかったんだけどな。アブリルさんがとある女性に対して“長”って何度も口にしていたからな。“集落”、そして“長”。つまりNo.1は着物の女性ってことだろ。総団長をぶっ飛ばした……」
「正解です。さすがは主様が敵で唯一認めている方ですね」
「そりゃどうも。あと、これは否定して欲しいんだが……その集落にドラゴン以外の生物で……人間って存在しているか?」
「変なことを聞きますね。ドラゴンの集落にドラゴン以外がいるわけないでしょう? あえていると答えるのなら、それは遊びに来た主様やそのご家族の方のみです」
その答えを聞いてしまったタイラーは体中から汗が噴き出して絶望感に包まれるが、そのようなやり取りを傍で見ていたガブリエルがタイラーへ声をかける。
「タイラー、さっきから何を聞いているのです? そこの人が誰であれ、倒すだけでしょう?」
ガブリエルがそうタイラーへ話すが、それを見ていたアブリルが嘲笑する。
「フッ……やはり貴女は噂に違わぬバカリエルですね」
「なっ!?」
アブリルから馬鹿にされたガブリエルは今にも飛びかからんとするが、タイラーがそれを阻止する。
「動くな!」
「何故です、タイラー!」
「目の前にいるのはただの人じゃねぇ……ドラゴンだ。しかも、白いドラゴンの集落でNo.2の強さだ。総団長をぶっ飛ばした着物の女性がそこのNo.1……つまり、あの女性もドラゴンだ」
「「――ッ!」」
タイラーの突拍子もない言葉に2人とも驚愕するが、ガブリエルはありえないこととしてそれを否定する。
「あの姿のどこをどう見たらドラゴンになるのです! どう見ても人の姿じゃないですか!」
「俺だって本当ならそんなことは信じたくねぇさ……常識が覆りすぎる……」
「人の姿をしたドラゴンなんてありえません!」
「だから貴女はバカリエルと言われるんですよ。己の固定観念を捨て切れず、醜い価値観で人を測る……自分の見ている世界だけがこの世の全てではないことを知りなさい。そして主様に謝罪するのです。自分が愚かだったと」
「ふざけないでください! 何で私が悪しき魔王に頭を下げないといけないんですか! あの魔王は私の部下たちを生贄にして魔物を召喚したんですよ!」
「……はい? 生贄……?」
「そうです! 人間を生贄にしてそこらで暴れている魔物を召喚したではないですか!」
「貴女……馬鹿?」
「なっ、何でですか!?」
心底残念な者でも見るかのような目付きでガブリエルを見るアブリルは、心のこもった溜息をついて間違いを指摘する。
「誰に唆されたのかは知りませんが、主様が使える魔法を忘れたのですか?」
「え……?」
「何だかあまりにも馬鹿すぎて、逆に可哀想に見えてきました。不憫です……あまりにも不憫でなりません。主様は転移魔法の使い手ですよ? 生贄など必要なく好きに転移させられるのに、何故生贄などという馬鹿な答えに行きついたのですか? ドラゴンですら転移させたのを見たでしょう?」
アブリルから哀れみの視線を向けられて教えられたガブリエルは、生贄の話をしていたヒューゴを自然と見てしまった。
「ああ、貴方が原因ですか……もう軍師ではなく愚師と名乗りなさい。バカリエルが不憫でなりません」
「お、俺は可能性の話として言っただけです! 総団長が勝手に勘違いしただけであって、俺のせいではない!」
「はぁぁ……仮にも総団長であるバカリエルのせいにして保身に走るとは……常日頃から総団長を下に見ているのがわかる発言ですね。バカリエルは馬鹿ですが、愚直なまでの真っ直ぐ通った芯を持っています。対して貴方は能力もないくせに自分を高く評価して、周りの者を見下すクズです。救いようがないですね」
「なっ!?」
「バカリエル、悪いことは言いません。そこのクズはクビにすべきです。軍師なら黄色の方がいるから、青の軍師はいらないでしょう? おっと、間違えました。青の愚師でしたね」
「き、貴様……言わしておけば……」
「貴方のことは聞いているのですよ? 行軍の遅れは貴方のせいらしいですね。でもそれを認めず、メリッサでしたか……彼女のせいにしたのでしょう? 失敗は周りの者のせいにして、成功だけは自分のものですか? よくいるクズの典型的な行動パターンです」
ズバズバと言い放ちグサグサと突き刺してくるアブリルに対して、ヒューゴは歯ぎしりをして憤怒の視線をアブリルへ向けるのを他所に、ガブリエルが生贄になっていない兵士たちのことを尋ねた。
「ほ、捕虜はどうしたのですか!? 生贄でないのならどうしたのですか!?」
「あの方たちなら我が主様の国に亡命するそうです。なんでも、このまま帰ると処刑されると言っているそうですよ?」
「そんなことはありません!」
「それなら捕まえた兵士たちの身代金を払ってもらえますか? 主様の悩みの種になっておりますので。連れ帰っても住む場所や職を探さないといけないって、ずっと悩んでおられますから」
「身代金を払えばいいのですね!?」
「それは無理だ、総団長……ウォード枢機卿猊下が払うとは思えねぇ」
タイラーの言葉にガブリエルが反応してその如何を問うと、タイラーはウォード枢機卿の采配を丁寧に教えていくが、フェリア教の汚い部分を知らないガブリエルはそれに反発して聞く耳を持たなかった。
何より仲間の団長や兵士たちの魔王の国へ亡命をするという行動自体が、ガブリエルには理解し難い内容であったからだ。あれほど魔王討伐を掲げて本国を出発したと言うのに、捕虜になったらその魔王の国へ亡命するという意味がわからなかった。
「やれやれ……まさか相手がこのような者たちとは……仲間内での情報の倒錯がありありと見て取れます」
ガブリエルたちのやり取りを見ているアブリルはほとほと呆れ果てて、そのような者たちのためにケビンが骨を折っていると思うと、許し難い所業であった。
だが、時間稼ぎをすればするほどセレスティア皇国軍の被害が増えるため、さっさとケリをつけるというわけにもいかず、内輪で言い争っているガブリエルたちのやり取りを見ているしかなかったのだ。
やがて納得のいかないガブリエルに対してタイラーが優先すべき事項を告げて、ようやく言い合いは収束を迎えることになる。
そしてタイラーの悩みの種は捕まった兵士たちよりも、目の前にいるアブリルである。ここから散開して各地へ応援に駆けつけるのをみすみす見逃してくれることはないだろうと、どうやってこの場を切り抜けるかを考えていた。
「兵士たちが気になりますか? 行くなら行っても構いませんよ? 私の役目はあくまでバカリエルの足止めですから」
「本当か……?」
「嘘を言ってどうするのです? 私が殺る気なら貴方たちはお喋りをする前に死んでいますよ?」
アブリルの言葉にそれをできるだけの実力があることは予想がついているので、タイラーはお言葉に甘えて散開することに決めたら、そのことをガブリエルたちに伝えて当初の予定通り各地へ応援に向かうことにする。
そしてタイラーとヒューゴがそれぞれの場所へ連れてきた騎士たちと向かったら、この場に残るはガブリエル1人だけとなった。
「ご覚悟を」
「戯言ですね。少し遊んであげましょう」
その瞬間、ガブリエルの姿が消えたと思ったらアブリルへ斬りかかっていた。
「遅い」
「くっ……」
ガブリエルの初撃を躱したアブリルは、そのまま続くガブリエルの連撃を容易く躱していく。ガブリエルの攻撃を特に拳で弾くわけでもなく、必要最低限の体捌きを持ってして躱し、それを捉えられないガブリエルは焦燥感を募らせていた。
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斬りかかれど斬りかかれど躱されてしまうガブリエルは、クララにやられてしまった記憶が頭をよぎり、集中力を欠いてしまうのであった。
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