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夢の狭間
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今から書き記すのは夢の話だ。けれど、ただの夢では無く、何処か不思議で現実と見紛う様な夢の話である。所謂、明晰夢と呼ばれるものに近いのかもしれない。何処か不確実で、けれど手を伸ばせば触れられそうになるそんな話だ。
その夢は少女の姿をして現れた。少し前に朽ちた洋館で会った死体の少女、その姿で現れたのだ。あの時と同じ様に幾多の血に塗れ、けれどあの時とは違い首を刎ね落とされた姿は、私に幾分かの怖れすら抱かせた。
無論、私にはそれに久しぶりと声を掛けれる程の神経は太さは持ち合わせていない。けれど、あの時感じた様に、少女が真に死んでいるとは未だ思えず、胴から切り離された少女の顔にそっと指を這わせた。その時、その私の掌に少女が頬擦りをした様に感じられたのだけれど、それはきっと私の気の所為なのだろう。けれど、私がその少女に愛着の様な感情を抱くのには充分であった。
微睡みから覚めた時、近くに少女の姿が無い事に軽い落胆を覚えた。それは、夢に出ただけで実際に近くに居た訳では無いのだから当然の事なのだけれど、胸に穴が空いたかの様に感じてしまったのだ。
それは私にしては珍しい事で、不思議に思いはしたけれど、おそらく少女に掛けられた言葉故の事なのだろう。死体の姿をした少女が話すはずは無いのだけれど、私にはその少女が別れ際にこう言った様に思えたのだ。
「また、会いましょう」
その夢は少女の姿をして現れた。少し前に朽ちた洋館で会った死体の少女、その姿で現れたのだ。あの時と同じ様に幾多の血に塗れ、けれどあの時とは違い首を刎ね落とされた姿は、私に幾分かの怖れすら抱かせた。
無論、私にはそれに久しぶりと声を掛けれる程の神経は太さは持ち合わせていない。けれど、あの時感じた様に、少女が真に死んでいるとは未だ思えず、胴から切り離された少女の顔にそっと指を這わせた。その時、その私の掌に少女が頬擦りをした様に感じられたのだけれど、それはきっと私の気の所為なのだろう。けれど、私がその少女に愛着の様な感情を抱くのには充分であった。
微睡みから覚めた時、近くに少女の姿が無い事に軽い落胆を覚えた。それは、夢に出ただけで実際に近くに居た訳では無いのだから当然の事なのだけれど、胸に穴が空いたかの様に感じてしまったのだ。
それは私にしては珍しい事で、不思議に思いはしたけれど、おそらく少女に掛けられた言葉故の事なのだろう。死体の姿をした少女が話すはずは無いのだけれど、私にはその少女が別れ際にこう言った様に思えたのだ。
「また、会いましょう」
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