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継承された首飾り
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この世界には魔法があるという。生憎と私には才能が無いらしく詳しい話を聞いていないので、どの様なものがあるのかは分からない。けれど、そういった不可思議な現象に興味が無いと言ったら嘘になる。だから、才無い者であっても魔法を使えると言われ気になってしまったのだろう。
魔具と呼ばれる古代の遺物がそれだった。どの様な理屈かそこに込められた魔法を再現出来る様になる道具なのだという。そして、其処に一度込められた魔法は色褪せることなく幾度も使えるが、同時に他の魔法を込める事は出来ないらしい。なんとも夢のある道具であるが、それ故に稀少で滅多に出回ることが無い。だけど、どういう訳か私がそれを手に入れる事となったのだ。
「貴方は運が良い」
そう言って私にそれを手渡したのは、この世界には不似合いな銃を手にした少女だった。使わないのなら何れ大切な人に渡せば良い、そう伝えてハート型のロケットのそれを手渡してきたのだ。それを私は、つい受け取ってしまう。それは、まるで受け取るのが自然だと思ってしまったからだった。今、思い返してみても不思議な事に、それを終ぞ不自然な事とは思わなかったのだ。
どうやら、その少女は私の事を知っていたらしい。そう感じたのは、少女が立ち去った後の事だった。極自然に名前を呼ばれ、引き留められたのを思い出したのだ。其処に何処か薄気味悪い不安を覚え、けれどそれと同時にやっぱりと感じた。何故か少女が他人だと私には思えなかった。
結局、受け取ったロケットは未だ捨てずに私の手元に残っている。私はそれに何の魔法が込められているのかすら聞いていない。けれど、それで良かったのかもしれない。だって、そんな素性の知れない道具でも、込められた魔法次第では使いたくなってしまうかもしれないのだから。
魔具と呼ばれる古代の遺物がそれだった。どの様な理屈かそこに込められた魔法を再現出来る様になる道具なのだという。そして、其処に一度込められた魔法は色褪せることなく幾度も使えるが、同時に他の魔法を込める事は出来ないらしい。なんとも夢のある道具であるが、それ故に稀少で滅多に出回ることが無い。だけど、どういう訳か私がそれを手に入れる事となったのだ。
「貴方は運が良い」
そう言って私にそれを手渡したのは、この世界には不似合いな銃を手にした少女だった。使わないのなら何れ大切な人に渡せば良い、そう伝えてハート型のロケットのそれを手渡してきたのだ。それを私は、つい受け取ってしまう。それは、まるで受け取るのが自然だと思ってしまったからだった。今、思い返してみても不思議な事に、それを終ぞ不自然な事とは思わなかったのだ。
どうやら、その少女は私の事を知っていたらしい。そう感じたのは、少女が立ち去った後の事だった。極自然に名前を呼ばれ、引き留められたのを思い出したのだ。其処に何処か薄気味悪い不安を覚え、けれどそれと同時にやっぱりと感じた。何故か少女が他人だと私には思えなかった。
結局、受け取ったロケットは未だ捨てずに私の手元に残っている。私はそれに何の魔法が込められているのかすら聞いていない。けれど、それで良かったのかもしれない。だって、そんな素性の知れない道具でも、込められた魔法次第では使いたくなってしまうかもしれないのだから。
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